妄想と現実
今年も映像業界に携わっている方々には恒例の放送機器展が今月17~19日の期間に開催される。年に1回の映像業界のお祭り的なイベントなのでこの時期を毎年待っている方も多いはず。かく言う筆者もその1人でこの時期は何が出てくるか何時も楽しみにしている。しかし確かに凄い技術や製品が出てくるのだが、それが凄すぎて自分の仕事のレンジから外れてしまうと途端に興味が無くなるのも本音ではある。例えばMXFのエクスチェンジサーバー等は確かに在れば便利だと言うのも解るし、技術者が苦労して作ったのも安易に想像できるがMXF自体を殆ど取り扱わないので物の見事に”それパスだぁ…。”と言うことになり必然的に会場に行く脚も遠のくが、コレがいわゆる業務レンジに狙い撃ちをしたような製品の出品の噂が在ると俄然興味が大きくなるのはしょうがない事だ。
今年はどうなんだ?-ミドルレンジ的InterBEEの歩き方-
まずは現実的にチェックしたい物を羅列してみよう。例年のInterBEEでは取り敢えず自分の仕事内容である撮影と編集と言うのをキーワードにまずはカメラをチェック、次に編集部分である各種NLEをチェックしに行くのだが、NLEに関してはEDIUS系に変化がなければ、さらりと流してしまう感じだ。今年はそれに加えてUstreamに代表されるようなNETを使ってのライブ配信が本格的に始動された年でもあり、それに見合うような展示もあるだろう。IPTVパビリオンもあれば、ローランドからは、そんなライブ配信に強いと言える新製品が出ると噂に聞く…。楽しみになりそうだ。そんな中でミドルレンジ的にInterBEEのチェックを入れたい製品を数点ピックアップする。
今回も3Dや4k等々色々なカメラが登場しているが、自分的には今回3Dはあまり興味はないので、現実的に仕事で使えるカメラを重点的に絞り込んでみた。今回ミドルレンジ的なENG系では特に新製品と言う物はない。強いて上げればSONY PMW-500と言うのが在るが価格的に見てチョット手が出しにくい。どうしてもCCDじゃなきゃイヤだ!と言う方は是非チェックされると良いだろう。
自分的にはCanon XF105をその候補にしたいところ。先日実機に触る機会が在ったがその印象はかなり良い!と言う事。小型のディレクターカメラ的に使われる方が多いと思うが、CFカード2枚差しによるミラーリング収録や、8枚羽根絞り、ワイド端約30mmと言う画角も含めてかなり高機能。記録は勿論MXFに準拠した50Mbps 4:2:2 CanonXFコーデックで上位機種のXF305と同じだ。単板のCMOSになったとは言え画質的にも細かいこと抜きに満足出来るレベルだ。
さてもう一つ自分的に気になっているのはSONYから出品予定のREDONEの競合機種であるPMW-F3。大判イメージセンサーを搭載したデジタルシネマカムコーダーだ。シネマは関係ないのでは?イヤその通りなんだがリーズナブルな価格(200万位)でデジタルシネマと言うことは舞台やセミナーでの引き専用カメラとしてシステムに組めそうだからだ。
最後は撮ったら編集と言うことで、自分の好みでEDIUS6をチェックしに行く。先日のEDIUS6発表会で既に色々と確認出来た方も居るかも知れないが今回のメジャーバージョンアップはこれだけにとどまらず更に日々進化している可能性もある。もしかしたらInterBEE前後で現状の6.01か引き上げられている可能性も十分に考えられる。
総評(と告知)
その他では今年は細かいガジェットメーカーが数多く入ると噂を耳にしている。昨年のプロ機材ドットコムの様に面白く値段もリーズナブルなガジェットも沢山在るかも知れない。その部分は紹介しきれないので是非会場に脚を運んで探してみて欲しい。
そして今年は筆者も係わっている”HDカメラ座談会『ミドルレンジの呟き』がPRONEWSとのコラボでInterBEEでライブ配信をお手伝いする事になった。また配信システムも中々面白い構成を考えているので、期待していてほしい!