ISPという会社に注目だ!

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EDIUS初

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の外部プラグイン「ROBUSKEY for Video」が登場した。開発したのは、ISPだ。同社はPRONEWS内のコラムで好評なクリエーター(高野氏・江夏氏)が好んで使っているプラグイン開発でも有名な企業。昨年のInter BEEでのPRONEWS Loungeでも登場しているので、読者の方には、その名前を聞いた事があるかもしれない。ISP=いつでも・すぐに・プラグインを作ってくれる会社の別名を持つように(半分冗談、半分本当!)、中々痒いところに手が届くプラグイン(ソフトウェア)を作り出すメーカーと言うのが筆者の認識である。映像系の”プラグイン”、AdobeやFCPユーザーならごく当たり前だが、筆者も含めEDIUSユーザーにはかなり馴染みが無い言葉でもある。

元々EDIUS6本体にもプラグインがオマケでついており、その中でも音声系VSTの物はごく一般的に使用しているユーザーもいるが、動画に関してのプラグインだとスタビライザー系の物ぐらいしか元々使ってないはず。AfterEffectsのプラグインがEDIUS6から使えるようにはなったが、元々AE自体を使いこなして作業をしているユーザーとEDIUSユーザーは根本的な方向性の違いからか、やはりこの手の情報が一般的には出ていないのが実情だ。その理由はEDIUSの長所でもあり短所でもある”動作の軽さ”が一番の理由かも知れない。プレミアもCS5になってから動作が軽くなったと言われているが、EDIUSユーザーに言わせれば「話にならないほど重い」と言うのが常識。

確かに動作感は今までのプレミアに比べれば軽いのだが、その軽さに近づけるには最新スペックのPCを使わなければならない、しかも3Dゲームがバリバリに動くレベルでのマシンを用意しなければならない。同じシステムでEDIUSを動かすと明らかにその処理速度の速さの違いに驚くはずだ。少々無駄話になったがこの動作感の軽さ故に何でもかんでもTLを積み上げて

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映像表現をしてしまうユーザーが多い。

1 サードパーティーとしては日本初の販売
2 TL(タイムライン)であってレイヤーの概念とは違う

EDIUS初の外部プラグイン「ROBUSKEY for Video」

しかし、そのEDIUS独特のTL文化はそれで良いから使っているわけではなくその方法しか無いから使っているわけで、AE使いの方なら簡単に「AEで良いんじゃないの?」と言われるがやはりそこも文化の方向性の違いで半分意地になりながらEDIUSで完結させようとしているのも確か。そんな時にISPからEDIUS専用のプラグインを開発・販売したと言う事を聞き早速話を伺って実際に使用してみたわけだが、元々このISP(システム計画研究所 )は、クリエイト系のソフト開発ではなく医療や宇宙開発での制御・計算のアルゴリズムを得意としているメーカー。計算処理で出来る画像エフェクトなら簡単に作れると言うのが実情。

そのアルゴリズムを使い動画エフェクトとして立体視系のソフト(3Dタイトラー)や偽色の補正やHDR、キーヤー等をかなりの高次元でリリースしている。そして初めてEDIUS向けに登場したのが、クロマキー合成ソフトウェアである「ROBUSKEY」だ。

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この青いバック映像が…

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この映像になる!これは凄い!

気持ちいい程抜ける!

とにかく簡単にクロマキーが抜ける。本来ならグリーン(ブルー)バックでキッチリと照明作って検証すべきなのだが、その辺りのサンプルは既にISPのHPでも見れるので、今回はチョットしたお遊びと言う感じで舞台の後幕に流し込んでいるブルーの照明をキーにして、手前の引き画のダンサーを壁に大写しすると言うような感じで実験をしてみたが、結果はこの通り。

TLを見て貰っても解るかも知れないが、単純にROBUSKEYを適用し、抜きたい部分のブルーをピッカーで指定しただけで想像通り以上の物を得ることが出来た。元々EDIUS自体が持っているキーヤーも中々優れ物なのだが、細かい数字で調整する割には(努力の割には)報われない場合が多く、当にこの様な部分をプラグインで簡単に出来ることはとても便利だ。しかも今回の実験環境は一昔前のノートPCなのでCPUはC2D/P8600、TLは3本で各々EXフォーマットの映像を載せてあるが、この状態でも何とか動いて映像の確認は出来る。この軽さこそがEDIUSの真骨頂だろう。

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特にパラメーターを調整するわけでもなくピッカーで指定するだけ

ざっくりマスク

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ざっくりマスクを適用(左)そのマスクの適用部分の抽出(右)

このネーミングがまたそのものズバリを表現しているので解りやすいが、つまりはキーヤーで抜けきれない部分をアルファやRGBを使ってマスクを切り、大元のグリーン(ブルー)バックのキーヤーを大きく活かすプラグインと言う認識で良いと思う。これの何が良いかと言えば、例えばグリーンバックを大きく張れないような場所(屋外やバジェット等)でも、キーヤーを生かす部分だけの抜き色が在ればその他はマスクで切り取ってしまえるという事だ。これも正解的な使い方はISP社のHPのサンプルを見て貰うのが早いが今回の様な亜流の使用方法だとこんな感じになった。

これも特に細かいことはせず、最初のマスク部分を選択後キーイングの境界線の部分をスライダーで丁度良い部分まで動かすだけ。一番最初の映像と比べると、舞台上だけをマスクされているので上の照明や左右の後幕が綺麗に消すことが出来て、より後ろに映し出される人物が大きく見えるようになっている。比べて見ると上の様な感じになる。

流石に境界線に無理が見えてしまってるが、この部分もパラメーターを調整していけばまぁまぁの部分までは追い込めるはずだ。このざっくりマスクは今の所AEとEDIUSでしか搭載されていない機能でNLEとしてはEDIUSだけの特典かも知れない。

総評

何度も書くが本当はもっとしっかりグリーンバック等で検証すべきなのだろうが、今回の使い方も運良く後幕に緑や青が乗っているならこの様な亜流の使い方も出来るという位で感じて欲しい。ざっくりマスクも中々使える機能だが本筋のキーヤーでの項目もGPUをエンジンとして使えたり、肌や髪の毛の色を細かくパラメーター処理してより完璧に抜くこともできる。キーヤーとしては当たり前の処理を当たり前のように実行していくのは中々難しい技術のはずで、既にプレミアやFCP・フォトショップ等ではお馴染みの機能としてAdobe系ユーザーでは「ふ~ん、そう、後で使うから置いておいて」程度の認識かも知れないが、EDIUSユーザーから見ればやっと専用プラグインが出来たと言うことで諸手を挙げて歓迎したいソフトだ。

更にEDIUSに関して言えば色々なリクエストをしつこく出した結果、今後もEDIUS専用プラグインとして色々な物を開発してくれると言うから楽しみだ。筆者的には是非EDIUSの最大の弱点とも言われているタイトラーを是非何とか格好いい物にして貰いたいと思っている。全国のEDIUSヘビーユーザー、Twitterで” @happy_plugin “に、こんなプラグインが是非欲しいと熱望すればもしかしたらそれが製品になってリリースされるかも知れない。今後のISP社には是非注目しよう!

WRITER PROFILE

岡英史

岡英史

モータースポーツを経てビデオグラファーへと転身。ミドルレンジをキーワードに舞台撮影及びVP製作、最近ではLIVE収録やフォトグラファーの顔も持つ。