txt:ヒマナイヌ 構成:編集部

スマホで映像にアクセスするマルチアングル配信アプリ

2015年7月8日から10日まで幕張メッセにて「第2回ライブ&イベント産業展」が行われた。インターネットのライブ配信という視点では第1回ほど大々的にフィーチャーされていない感触があったものの、興行系という意味でのライブ&イベント分野の展示は裾野も広がり盛況を見せていた。今回はその中でもちょっとユニークな視点を持つライブ配信システムのブースをレポートしたい。

ライブ配信というとサーバーを介してライブ会場の様子を家にいながらにして楽しむなどのイメージが強いが、今回紹介する「LIVE MULTI VIEWING」はライブ会場にいる人が舞台裏を見たり他のステージを見たりするためのマルチアングル配信アプリだ。低遅延で高レスポンスなストリーミング技術をベースとしており、ユーザーがスマホの専用アプリを介して映像にアクセスする仕組みである。

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映像はMac miniなどを使用したサーバーにHDMIで入力され、1つのサーバーが4分割された映像を処理してWi-Fiルーターで送出する。何台まで同時に処理できるかは人数によって変わってくるが、サーバー1台で100アクセスほど同時に処理できるようだ。App StoreやGoogle Playにあるアプリはユーザーがいつの時点でもダウンロード可能だが、会場の専用Wi-Fiアクセスポイントにアクセスしなければ映像を見ることはできない。つまり会場にいるユーザーだけがアクセス可能という仕組みである。

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イベント会場にいて生のライブを見ている人がわざわざスマホで別の映像を見るというシチュエーションはどれくらいあるのだろうか?興味が湧いたのでこれまでの事例を聞いてみると、同時に4つのステージで開催される音楽フェス会場などで使用されたという。例えば自分がグリーンステージを見ているが少し離れたところでやっているイエローステージはどんなことをやっているか?などだ。また、ボクシングのイベントではマルチアングルのカメラが5台分配信され、ユーザーが自由に切替えながら見ることができるという。音声は赤コーナーのポストについているマイク、青コーナーのポストについてるマイク、実況、解説の4種類を切り替えられるという。

既存のインターネットのライブ配信サービスは1つの映像を中継することに特化してるものが多く、マルチアングルは試験的に行っているものが大半。アングルの切り替えも素早いとは言えない。これに対してLIVE MULTI VIEWINGは専用サーバーと専用アプリを使うことで、まるでテレビのチャンネルを切り替えるかのような軽快なレスポンスでマルチアングルの映像を自分のスマホで切り替えることができる。このプロジェクトはTBS/WOWOW/Xtone/NIXUSが共同で開発しており、2014年の夏から実用試験をしている。イベントごとの映像のチャンネル数や音声のチャンネル数はサーバーのアプリ設定を変えるだけで対応できるので、案件ごとの調整コストも最小限で行えるという。

同時多発で進行しているイベントをユーザーのスマホのアプリにマルチアングルで配信するというLIVE MULTI VIEWINGは、来場者への付加価値感のあるサービスになる可能性がある。外向けのスイッチングされたプログラムアウトの配信とも両立するので興味深いサービスだと思う。興味ある人は以下からアクセスして欲しい。

■LIVE MULTI VIEWING

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ヒマナイヌ

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頓知を駆使した創造企業