txt:山下大輔 構成:編集部

Premiere Proにはいろいろな機能はあるが万能ではない

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こんにちわ!今回から放送業界に限らず動画編集をする上で欠かせない編集ソフトになりつつあるAdobe Premiere Pro(以下:Premiere Pro)を一つずつ紐解いていこうと思っています。ナビゲートは山下が担当いたしますので皆様、よろしくお願いいたします!

さて、早速なんですがPremiere Proにはいろいろな機能が搭載されていますよね。導入を検討している方はいろんな情報を集めて陥りがちなのが「結構なんでも出来そう!」という印象を持ちます。これはネット上で調べるといわゆる「いいこと」が書かれていることが多いので仕方がないんですが敢えて自分がまず皆さんにいいたのが、「Premiere Proはいろいろな機能はあるが万能ではない、むしろその考えは後で不幸を招く」です。何事にも得手不得手があるように「何でも出来るぜ!」というわけではないんでそこの部分を詳しくお話しできればなと思っています。では早速行ってみましょう!

読み込めるオーディオが多いぶん管理が大変

メインメニュー→「編集」→「環境設定」(Windows)/メインメニュー→「Premiere Pro」→「環境設定」(macOS)を選択し、「オーディオ」→「デフォルトのオーディオトラック」でオーディオの形式を設定できる

Premiere Proはオーディオを読み込む際に「ファイルを使用」「モノラル」「ステレオ」「5.1」「アダプティブ」のどれかに合わせてオーディオの形式を設定できます。

デフォルトは「ファイルを使用」なんですが、ざっくり言うと「素材の設定のまま使う」という意味です。モノラルのならモノラルでステレオなら1ステレオで「素材の設定のまま読み込む」ということになります。

「ステレオメディア」メニューを「ファイルを使用」で読み込んだ場合。1トラックにステレオの状態で読み込まれる

これの注意点は「素材を読み込む場合に影響する項目」ということです。業務で映像編集する場合1人で作品を仕上げることはあまりないですよね。下準備をするADの方、オフライン担当のするディレクター、ポスプロのエディター、MA担当のミキサーとリレー式に渡していくことが多いと思うのです。そこで問題になるのが最初の作業である「素材の読み込み」で設定が最後の方にまで影響されるというのは非常に厄介な設定になるのです。

デフォルトのオーディオトラックは「モノラル」に

ではどれにすればいいかということになりますが、「モノラル」にすることをお勧めします。そうすれば、タイムラインに並べた時に「1トラック1モノラル」で管理ができるからです。これはFCPユーザーの方であれば特に違和感のない設定になります。仮にステレオオーディオをそのまま「ファイルを使用」で読み込んでいたりすると「タイムライン上でモノラルとステレオが混在する」ということになり正直管理がしにくいです。

「ステレオメディア」メニューを「モノラル」で読み込んだ場合。タイムラインには「1トラック1モノラル」で読み込まれる

またステレオ1トラックで編集した場合はMAで定番のPro Toolsなどに持って行った時に「ステレオをモノラルに分離するためにトラックを自動生成する」という現象が起こります。Premiere Pro上で8トラックで作業していたのにMAに渡すと16トラックになってしまうということになる可能性があり一度仕切り直して調整しなおさないといけないのです。1ステレオであればトラック数を減らせますし、1つにまとめてフェードをかけたりと良い部分もありますが、業務用とで考えると避けたい設定だと感じます。タイムライン上でモノラルとステレオの切り替えができればよいのですがなかなかCCに入った頃から機能追加はされないので当分はユーザー側で気をつけなければいけないですね。

じゃあ、読み込み後はどうすればいいか?読み込んだだけでまだタイムラインに配置していない場合は「環境設定を切り替えて読み込み直す」「読み込んだ素材を選択しオーディオの設定を変更する」ということでモノラルに分解できます。仮にタイムラインに使用して最後に気づいた場合、また修正してほしいと依頼が来た場合は「素材の設定を切り替えて手動で差し替える」という恐怖の作業が待っていたりします。あとは気づかなかったふりをしてしれっと渡すとか…。

このほかにもオーディオで気をつけなければいけないことはいくつかあります。そのお話はまた次の機会にでも(笑)。

記事の理解をより深めるために、解説の内容を動画でも配信中です。記事と合わせてご覧ください。

8月のAdobe Premiere Pro ユーザーグループ活動のお知らせ

最後にFacebook上で活動している「Adobe Premiere Pro ユーザーグループ」で、8月にPremiere Pro 25周年を記念したイベントを行いました!ユーザー主導のバースデーイベントとして何かできないかなと1年くらい前から考えていたのですが、実現できて感無量です。

25時間を通したPremeireのTipsとMVビデオ制作を同時並行という無謀な挑戦もいろいろな方のご協力もあり、無事終了することができました^^YouTubeのライブの時間が8時間制限だったこと(現場でわかり、一人焦ったり)や、慣れないTriCaster Miniでのスイッチング(^^機材自体は最高でした)。そして深夜のエディターさんのあの疲れ切った顔…本当にありがとうございましたm(..)m

暑い二日間は今後の糧になると思っています。これからもいろいろな企画を行なっていきますのでそちらも是非ご参加いただけると嬉しいです^^

25時間という無茶振りにも負けずご賛同いただいた皆様方ありがとう御座いました!

それでは。また、お会いしましょう!

WRITER PROFILE

山下大輔

山下大輔

フリーランスの映像講師。Adobe Community Evangelist。アドビ製品でビデオ編集をどのようにやっていくか日々模索中。FacebookではAfter Effects User Groupの管理人として勉強会なども随時行なっている。