txt:土持幸三 構成:編集部
今年もまた個性豊かな作品が完成
新しい年となり、川崎での小学校映像授業は最後まで残った一校が終わる。ただ、この学校が他の学校と違うのは、夏休みに各自が考えてきた脚本案からクラスで一つを選び、そこから脚本・監督など担当を決めて撮影を進めてきた、いわば小学校の映像制作レベルではなく、大学生や一般の方が行う学校や街を舞台にした自主製作と同じといってよい。
この小学校がある川崎大師周辺では、僕自身もWeb用のドラマなどいくつもの作品を撮影してきて街の人々に多大な協力を得た経験もあるので、この街には映像に対する理解が深いように感じる。もちろん実際の撮影になると小学5年生は各担当同士でブツかり合ったり、サボっていたりする事もあったが、一回、編集の授業を行い、実際に自分たちが撮影した素材でワンシーンが創られていく喜びと驚きを感じた後は、撮影が進んでいくにつれ各担当が真剣になり、自分が何をしないといけないかを理解し行動していく。毎年感じるのだが、この行程が実に素晴らしい。監督の大変さをわかり協力し始め、怒られることはあっても、それぞれの役割を尊重しながら撮影をする。
撮影が進むと徐々に真剣な顔になっていく
今年の作品のテーマは例年とあまり変化はない、いじめ問題を扱ったものが2クラス、友情をテーマにしたものが1クラスだったが、テーマは同じでも内容は違いがある。1クラスは前代未聞の内容が過激?すぎて修正が入ったが、修正版もなかなかシュールな内容で、根本的ないじめ問題は解決されないが、主人公は別の道というか、自分の進むべき道を見つけて、その道を進む、という内容で、監督を務めた女の子が脚本も書いていたと思うのだが、リーダーシップのある彼女のおかげで撮影は一番順調に進んだ。
もう1つのクラスは、転校してきた無口で愛想が悪い男の子が、数人の心無い子供たちにいじめられるが、友達になった子供たちと打ち解けあうも、また転校してしまう。このパターンは毎年あるので謎だ。小学生にはよくある話なのであろうか?テレビ番組等の影響だろうか?