txt:茂出木謙太郎 構成:編集部
出演者全員VTuberのあの番組が再び
1週間のお休みを経て、2月6日からAbemaTVで「にじさんじのくじじゅうじ – Season2」(以下:にじくじ2)が始まった。
引き続きバーチャルキャストを使用した配信システムを使用。ステージのデザインを一新。よりパワーアップを図った意欲的な番組だ。今年になって、VTuberの番組は、地上波からネットまでぐっと増えた。NHKでは「バーチャルのど自慢」を行うし、MXでは「バーチャルさんはみている」を。ニコニコでは「VRadio」が帯で配信されている。
ライブ配信にこだわって制作している「にじくじ2」は、これらの番組の中でもやはり異色といえるだろう。地上波の番組は。予め録画編集したコンテンツだし、そもそも中の人がちゃんと演じていないケースもありそう。それは番組をみているとわかる。モーションデータを使っていそうな動きが多用されていたり、そんな動きしないよねぇというようなダンスやアクションをこなしたりしている。そういった動きのある画面づくりをライブ配信でもやりたい!
幸運にも、MVNを使う機会があった。しかも人数分。ご存知の方はわかるかもしれないが、MVNというモーキャプのシステムは一人あたりの金額が600万円をオーバーする。それが7台揃うというのは、またとない機会。そしてバーチャルキャスト エンタープライズはなんとMVNに対応しているというのである。
ということで、広いスタジオにスタンドインの役者さんも用意していただき、テストを行った。
結論から言うと、動きはとても良かった。ただしシステム要件をきちんとカバーすることが必須。さらに9人もいるライバーたちにトラッカーをつけて一人づつキャリブレーションを行って…という作業の煩雑なこと。
どうやっても熟練のエンジニアが一人ずつついてセッティングを行っていかないと配信時間に間に合わない。もっとも、配信に使っているスタジオが全身キャプチャに耐えられるほど広くないので、そのために新たに広いスタジオを…という事も考えなくてはならない。
テストに参加してくれた皆さん
ここまで費用をかけたのに、なかなかうまくいかないものだなぁ。と悩んでいたところ、 北海道でバーチャルキャストの勉強会のお知らせが。慌ててチケットを取って札幌へ。
そこにはなんと、VIVEトラッカーとiKinemaを使ってバーチャルキャストに凸しているプレゼンテーションが!実際に体験してみたけれど、なかなかスムーズに動くことができて調子良かった。VIVEの6点トラックであれば、もう少し設定が楽になるのではないか?と期待したのだけどもう一つ問題があった。それは、iKinemaのライセンスがPC固定であるということなのだ。
自社でやってる少人数の配信であれば、PC固定で管理することは可能かもしれない。けれど、にじくじの配信では、PCが他の番組と共有しているため、様々なアプリがどんどんインストールされ、予期していなかった不具合が発生してもすぐ対応できるように、どのPCにライセンスを発行するか、決めることができないのだった。
この仕様に関しては本当に、改善をお願いしたい。ドングル追加購入でも良いので。
ということで、全身トラッキングを行うのは録画の一分シーンのみとなったのです。果たしてどのシーンで活用されているか。ぜひ、番組を見て当ててください。毎週水曜日、夜9時からです。