君は大判ポジフィルムを眺めたことはあるか?[大判カメラのススメ] Vol.03メイン写真

こんにちは!写真撮っていますか?

すほいです。

フィルムが高くなったり、入手が難しくなったりと相変わらずフィルム写真を取り巻く現状は良くはありませんが、楽しめるだけ楽しんでいきましょう。

今回はそんなフィルム事情も絡めた大判カメラのお話です。

大きいから大判カメラなのだ

第1回目でも触れましたが、大判カメラの魅力は何といってもフォーマットの大きさです。4×5、8×10、11×14といろんな規格がありますが、そのどれもが35mmフィルムよりずっと大きく高画質です。反面、扱いが難しかったり、1枚辺りのコストがべらぼうにかかったりとそれなりに苦労も多いのですが、できてきたネガやポジをルーペで覗く高揚感は他の何事にも替え難い魅力があります。フィルムユーザーであればその辺り共通の共感ポイントかなとは思いますが、版型が大きい分、大判カメラの感動はまたレベルが違うように思います。こればっかりは実際に覗いてもらうのが一番ですね。

フィルムの入手方法は?現像は?

大判カメラを使っているとよく「フィルムまだ手に入るの?」と聞かれます。

実は4×5と8×10だったら他のフィルムと同様、大手カメラ量販店で普通に買えたりします(注:2023年4月執筆時)。それ以外にもフィルムを扱っている通販サイトもいくつか存在するのでそこを利用するのも手です。資金に余裕があれば、メーカーに直接注文かけてみるのも手ですね。海外のラージフォーマット界隈を見てみると20×24インチやそれ以上の巨大フォーマットを扱っている人がいたりします。彼等にコンタクトをかけてみるのも楽しいかもしれません。

フィルムは箱に入っていますが、そのまま開けるとすぐ感光して使い物にならなくなるので、専用ホルダーに装填するまでは大事に取っておきましょう。勿論、装填するときは光が入らない専用のモノを用意しましょう。

現像は大きい写真屋さんならどこも取り次いでくれるはずです。概ね2週間くらいで仕上がるので、気長に待ちましょう。待つのもフィルム写真を楽しむコツです。腕に覚えがあれば、自家現像してみるのも手ですね。

ホルダーに装填する手間と値段以外は他のフィルムと大して変わらないのがラージフォーマットの良いところです。

現像した後のお楽しみ

大きなフィルムは眺めるだけでも楽しいですが、折角ならプリントやスキャンしてみるのも良いかもしれません。モノが大きい分、スマホで複写するだけでも良い感じにデータ化できるので、大きいことはまさに正義ですね。

作例

では、いくつか作例をご紹介しましょう。

カメラをカメラで撮ってみました。あえて開放近くに絞りを持っていくことで、ライカをより際立たせることができたように思います。
Wista45 ShneiderKreuznach SYMMAR-S 1:5.6/150 FOMAPAN100
近所にコスモス畑ができていたので、思わず大判カメラを持ち出して撮影しました。
上がってきたポジの原版を見て思わずガッツポーズをしたのを覚えています。
Wista45 ShneiderKreuznach SYMMAR-S 1:5.6/150 FUJIFILM PROVIA100F
岐阜の郡上八幡で撮影。清流の里らしく瑞々しい葉を切り取れたと思います。
Wista45 ShneiderKreuznach SYMMAR-S 1:5.6/180 FUJIFILM PROVIA100F
レインボーブリッジのループ橋を超広角レンズで切り取ってみました。
レンズの周辺光量落ちも相まって幻想的なマジックアワーが撮れました。
Wista45 ShneiderKreuznach SuperAngulon 1:5.6/65 FUJIFILM Velvia100F
夜の長時間露光は根気と体力が要求されるモノだと思います。
フィルムはその場で結果がわからないからこそ、うまく撮影できた時の喜びもひとしおですね。夜の街を大判カメラで撮影は楽しいですけど、なかなか根気のいる作業でもあります。
Wista45 ShneiderKreuznach SYMMAR-S 1:5.6/150 FOMAPAN100

まとめ

今回はフィルムと大判カメラを絡めたお話でした。

私は大判カメラ界隈では最小フォーマットである4×5を主力にしているので、他の巨大フォーマットのことは表面的なお話しかできないのですが、何かしら刺さるものがあったら是非調べてみてください、そして教えてください(笑)。

今回はここまでです。次回は「手持ちで大判カメラ」大判カメラのトリッキーな扱いについてお話しできればと思います。


すほい|プロフィール
1985年、福岡県生まれ。東京造形大学卒業。卒業後なんやかんやあって医療系のお仕事をしている。基本的にフィルムもデジタルもメーカーも問わず使う雑食人間。撮影はストリートスナップが中心。大判カメラと出会って以来、大判カメラを色んな所に引っ張り出して撮影をしている。「黄昏屋」という個人サークルで大判カメラに関する同人誌を作っている。