手持ちで大判カメラ[大判カメラのススメ] Vol.04メイン写真

こんにちは!写真撮っていますか?

すほいです。

第1回目より大判カメラについて、いろいろ書いてきました。第4回目のテーマは、「手持ちで大判カメラ」。手持ちで大判カメラを運用してみよう的なお話です。皆さんどうか最後までお付き合いください。

手持ちで大判カメラ

大判カメラといえば、「三脚を使うのが前提のカメラ」というイメージを持っている方がほとんどだと思います。だいたいその通りなんですけど、例外もあります。WWII前後の記録写真や映像を見ると、4×5の大判カメラにグリップストロボを付けたカメラマンの姿を確認できます。主に新聞社等のマスコミ関係者が使っていたようで、Graflex社のSpeedGraphicやLinhof社のTechnikaなどのテクニカルタイプのカメラが使用されていました。程度の差はあれ、実際に手持ちで大判カメラを運用していた人達がいたわけです。

大判カメラを手持ちで何とかして使ってみよう

そういう歴史的事実があるならば、やってみたくなるのが人の性というもの。

当時の装備をまるっと揃えなくても、似たような機材を揃えれば、手持ちで大判カメラを運用することができるだろう、と。

大判カメラでスナップ

大判カメラの中には、レンジファインダーを搭載したモデルが存在します。個体差があるので、ピントがバチバチに合うわけではないですが、それなりにピントを掴むことはできます。私が所有しているGraflex社のCrownGraphicもその一つで、このカメラでストリートスナップを撮影しています。

作例をいくつかご紹介します。

ピントと露出が合えばとりあえず写真の体裁は整うので、あとは何とかなるさの精神でシャッターを切ると、構図も含めてなんとなくうまくいっているような気がします。

大判カメラにストロボつけて撮る

かつての報道関係者のように、ストロボをつけて手持ち撮影したくなる場合もあるでしょう。

しかし、専用装備のストロボは動く個体が見つかりづらく、そもそも電池や電球が入手困難であり、だいぶハードルが高いです。そんな時でもシンクロターミナルが使える機種であれば現代のストロボシステムとリンクして楽しむことができます。

Linhof Super technikaIII+Godox AD200

インパクトのある装備ですが、ちゃんと撮影できます。

モデル撮影会や、コスプレイベントとかでも目立つこと間違いないですね。

三脚お断りの場所は案外多い

例えばコスプレ撮影会、例えば観光地、地域の撮影スポット。三脚NGを掲げている場所は案外多いです。三脚OKだった場所でも、マナー悪化や安全上の問題でNGになることもしばしば。都市部ほどその傾向は顕著であるように思います。

撮影地でご迷惑をお掛けしない行動を心掛けるのは当然のことですが、地域住民のご心配もあるので、場所を占有しがちな三脚がNGになりがちなのはある意味しょうがないのかなという気もします。そういう場所に限って、大判カメラを使いたくなる場所だったりします。そういう時こそ、「手持ちで大判カメラを使う」という選択肢があれば、撮影の可能性を大いに広げることができるでしょう。

繰り返しになりますが、地域の方々にご迷惑をお掛けしないことが前提です。

以上4回にわたって大判カメラについてつらつら語ってきました。

楽しんでいただけたでしょうか?フィルム高騰やラインナップの縮小で、フィルムカメラ愛好家にとってはつらい日々が続きますが、そういう時だからこそ判型の大きなカメラに手を出してほしいなと思います。それでは皆さんよい写真ライフを。


すほい|プロフィール
1985年、福岡県生まれ。東京造形大学卒業。卒業後なんやかんやあって医療系のお仕事をしている。基本的にフィルムもデジタルもメーカーも問わず使う雑食人間。撮影はストリートスナップが中心。大判カメラと出会って以来、大判カメラを色んな所に引っ張り出して撮影をしている。「黄昏屋」という個人サークルで大判カメラに関する同人誌を作っている。