Blackmagic Designの発表によると、日本テレビグループの総合技術プロダクション、日テレ・テクニカル・リソーシズ(以下:NiTRo)が新たに渋谷にポストプロダクション施設「NiTRo SHIBUYA」を増設し、同施設内ではDaVinci ResolveやMultiView 16などのBlackmagic Designの4K対応製品を数多く導入しているという。
今年4月、渋谷に完成したばかりのNiTRo SHIBUYAは、4つの編集室、2つのMA室、インジェストや素材の書き出し作業用のスペースも備えた機材室、そしてオフライン用の編集室が10部屋備わっている。新しいスタジオには、DaVinci Resolve、Micro Videohub、Audio Monitor、SmartView Duo、SmartView HD、UltraStudio 4K、Teranex Express、DeckLink 4K Extreme 12Gといった製品が導入されている。
写真左:株式会社日テレ・テクニカル・リソーシズ ポスプロ技術部 田中優貴氏写真中央:株式会社日テレ・テクニカル・リソーシズ NiTRoポスプロ技術部長 小鷹浩司氏
写真右:株式会社日テレ・テクニカル・リソーシズ NiTRoエディター 仁科丈治氏
同スタジオのシステム構築を担当したポスプロ技術部の田中優貴氏は次のようにコメントしている。
田中氏:汐留のスタジオでも、すでにDaVinci ResolveなどのBlackmagic Design製品を導入していました。渋谷のスタジオでは試写室を兼ねた編集室にControl Surfaceを設置しました。全編集室で、DaVinci Resolveを含めた複数の編集ソフトが使えるように構築してあるので、仕事に応じてスタッフが切り替えて使っています。機材室にはSmartView Duoが7台、SmartView HD、Audio Monitorもそれぞれ1台ずつ導入しました。Micro Videohubは分配器として各編集室に設置してあります。
すでに汐留にポストプロダクション施設を構えていた同社だが、NiTRo SHIBUYA新設の理由を同社ポスプロ技術部長の小鷹浩司氏は次のようにコメントしている。
小鷹氏:汐留のスタジオに4K対応の編集室が1室あって好評でしたので、お客様のニーズに応える形で、すべて4K対応のスタジオを作りました。このスタジオでは、オフライン用の部屋も4Kに対応させることができます。
また、Labと呼んでいる、編集の仕込み用の部屋でもResolveのドングルを2つ用意してあるので、グレーディングの作業以外でも、4K素材をオフライン用に書き出したり、素材をインジェストしたりする作業で使っています。4Kといっても、いろいろな素材が搬入されるため、それをDNxHDやProResなど、必要に応じた素材に変換するのにDaVinci Resolveを活用しています。
田中氏:DaVinci Resolveを使って変換したりインジェストしたりするような作業では、10台のコンピューターを2~3人の少人数で操作しています。そのため、スタッフが各操作画面をひとつのモニターで一度に確認できるようにMultiView 16を2台導入しています。4Kで出力できるので、16分割しても文字がつぶれることなく表示させられるため、作業がしやすいです。
DaVinci Resolveでのグレーディング作業は主に田中氏と同社エディターの仁科丈治氏が担当。ドラマを始めさまざまな作品のグレーディングにDaVinci Resolveを使用しているという。
仁科氏:最近はイベント会場大型モニターに投影するための映像を作るプロジェクトがあり、パラオで撮影された6K素材のグレーディングにも使いました。6Kの画面の中に4K映像をマルチ画面で合成している場面もあったのですが、その合成も含めてDaVinci Resolveでフィニッシングまで行いました。DaVinci Resolveはセカンダリーが使いやすく、自分がこうしたいと思ったことがそのまま実現できます。
田中氏:弊社がBlackmagic Design製品を使う理由のひとつが設定画面のわかりやすさです。編集室などのシステムを組み直す際も、システムインテグレーターの方を呼ばずに、ユーザー自身で様々な検証できる点が便利ですね。