NHKは、2月初旬にNHKオンラインの一環として「NHK VR NEWS」を開設した。このサイトでは、周囲の状況をすべて撮影できる360度カメラで捉えた映像および静止画のアーカイブを、VR（バーチャルリアリティー）報道コンテンツとして一覧公開している。
VR技術を使った報道は、海外において米国キー局のABC、CBS、ニューヨークタイムズや英国衛星放送Skyなどが本格的な取り組みを始めている。テレビ報道やオンラインコンテンツでは表現できない現場の実態を、疑似空間を通して伝えていくものである。
ABCニュースによる、北朝鮮建国70周年のパレードをレポートした「Inside North Korea VR」。JauntのVR技術を採用している
CBSの朝のニュース「CBS This Morning」では、グラミー賞会場でのリハーサルの様子を360度映像にして公開している。こちらもモバイルデバイスでの視聴時はJauntのプレイヤーアプリよりHMDでも楽しめる
NHKでは、昨年12月に朝のニュース「おはよう日本」にて「広がる可能性 バーチャルリアリティー」というVRの特集を組み、テレビ視聴者に市場動向を伝えた。その中継と共に、スタジオ内に設置したVRカメラでスタジオの模様を撮り、1つの360度映像クリップとして制作して公開している。
6台のGoProをマウントしたVRリグによる撮影
現在「NHK VR NEWS」では、13の360度による画像、映像を公開しているが、視聴インターフェイスは各コンテンツによって異なっている。また視聴環境は、本サイトからと限定されており、海外報道機関が展開しているようなモバイルデバイスからの専用アプリおよびHMDを併用しての広がりは、まだ行われていない。
2月に公開された最新の報道クリップ「360°でみるアメリカ大統領選」は約1分程度の映像で、特派員によるレポートとして制作されている。再生のみで一時停止は無効
（山下香欧）
