AJA Video Systems社は、無償アップデート「Desktop Software v16」を提供開始した。

同アップデートにより、ハイダイナミックレンジ(HDR)のSDI伝送が可能となり、IPビデオの機能を拡張や、新製品のThunderbolt 3出力対応デバイスT-TAP Proにも対応。macOS、Windows、Linuxの最新オペレーティングシステムへの互換性がアップデートされ、macOS 11.x Big Sur、Ubuntu 20.04 LTS、Redhat/CentOS 8に対応し、Windows 10も引き続きサポートする。

ハイエンド向けコンピューター製品へのサポートが強化・拡張されており、AJA製のPCIeカードやThunderboltデバイスを接続したMac Pro 2019年モデルに対応。AJA製PCIeカードは、Supermicro X11DAI、X11SPA+TF、X11DPGにも対応している。

また、IPビデオワークフローの互換性も向上。NMOS 1.3にアップデートしたNMOS準拠のデバイスに対応し、KONA IP、Io IP、Avid Artist | DNxIP向けに新たにLLDPによるトラブルシューティング機能も追加された。

KONAシリーズやIoシリーズの一部やT-TAP Proでは、Desktop Software v16によりSDI経由でHDRを扱えるようになる。同アップデートに含まれるAJA Control Panelソフトウェアでは、HDRメニュータブが新しくなり、SDIとHDMIの両端子からHDRの同時伝送が可能となった。AJA Control RoomとAJA Control Panelには、HDRメタデータのキャプチャ機能とHDR自動再生検出機能が追加された。高精度が要求されるモニタリング時に役立つ使いやすいツールだとしている。

さらに、KONA 5に機能が追加され、Apple Final Cut ProとAvid Media Composerでの8Kモニタリングや出力に対応する。AJA Desktop Software v16の主な機能は以下の通り。

(以下、プレスリリースより引用)

  • 新発売のポータブルThunderbolt 3出力デバイスT-TAP Proに対応(最大4K/UltraHDの12G-SDI/HDMI 2.0信号をmacOSおよびWindows で使用可能)
  • OS互換性を拡張し、macOS Big Sur 11.x、Ubuntu 20.04 LTS、Redhat/CentOS 8、Windows 10に対応
  • AJA PCIeカードおよびIoシリーズとSuperMicro X11DAI、X11SPA+TF、X11DPGの互換性を認証
  • SDI経由でのHDR伝送に対応、KONA、Io、T-TAP ProでSDIを介したSDR/HDR伝送特性に対応するVPID信号伝送が利用可能
  • キャプチャーと自動再生検出用のHDRメタデータ/伝送特性
  • macOS、Linux、Windows上でのキャプチャー/再生向けに8Kを最適化する新機能、KONA 5でApple Final Cut ProおよびAvid Media Composerでの8K作業に対応
  • AJA Control Room が4Kクローズドキャプションに対応(KONA 4、KONA 5、Io 4K Plus、T-TAP Pro 使用時)
  • KONA IPとIo IPでのST 2110サポートを更新:NMOS1.3にアップデート、LLDPに対応
  • AJA NMOSアプリケーションの機能を拡張
  • FPGAファームウェアの動的再構成機能により、即座にファームウェアの切り替えが可能

さらに、OEM開発者向けAJA Software Development Kit(SDK)v16も新たにリリースされ、KONA 5とCorvid 44 12Gでの12bitワークフローを強化。12bit素材を扱う際のColor Space Conversion(色空間の変換)と、LUTsへのサポートが追加された。

KONA 5とCorvid 44では、新たに12G8Kビットファイルが更新され、開発者は12Gに加え3Gマルチリンクオプションを利用可能となった。さらに、エンコーディングソリューションでは4:2:0フォーマットに対応。トランスコーディングを介さず、直接4:2:0でキャプチャ、出力ができるようになり、時間と費用を節約できるとしている。AJA SDK v16の主な機能は以下の通り。

(以下、プレスリリースより引用)

  • 8Kビットファイルを更新:KONA 5とCorvid 44 12Gの8Kビットファイルで、3G-SDI/1.5G-SDI(マルチリンクI/O)のクアッドリンクおよびデュアルリンク接続により4K入出力に対応
  • 新たに4:2:0/4:2:2、8-bit/10-bit、3平面 I/Oに対応し、SDI4:2:2 10-bit入出力と4:2:0ベースのエンコーダー/デコーダー(8-bitまたは10-bit)を統合
  • KONA 5およびCorvid 44 12Gで12-bitワークフロー向け機能を強化
  • KONA 5およびCorvid 44 12GにカスタムHANCプレイアウト機能を追加