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総括編

今年は人が少しばかり少ないように思われたが入場者数は10万人を超えた。展示会4日間を駆け抜けて思う事は、かつて荒唐無稽だと思われていた提案が現実になるということだ。10年前絵に描いていたことがまさに現実化している。

リアルタイムにノンリニアでWebを使用して映像制作を実現させる。今では当り前のことではあるが長年をかけて時代の潮流をNABは見届けてきた。まさしくこの展示会は、時代を作る場であることには間違いない。

今年のテーマを一言表すならば「ONENESS(すべてひとつになる)」としておきたい。

昨年テーマの「テープレス」や一昨年の「HD」は実現している。今年度は、ワークフローや次世代に向けたファイルベース(MXFなどメタデータの取扱い)にした放送の次世代ビジョンがテーマとして考えられる。

多くの新コンセプトカムコーダが発表され、それを担うハードウェアとソフトウェア。その2者を取り持つファイルが肝なのである。ハードウェアの送出から、これからはソフトウェアへと移行することは目に見えている。

テープからP2カードやフィールドレコーダなどシリコンディスクへ。ファイルベースで、全てタイムコード「00:00:00:00」から始まるということに今さらながら気付くことだろう。

放送の安定性などソフトウェアの問題を指摘など懸念されるが、制作して生まれるものはファイルベースのものであり、それを扱うのはソフトウェアの対応力でしかない。

ますますこの部分は外せない事実になるだろう。かつて10数年前NAB会場が2拠点で開催されていたころ、AvidがPCベースでノンリニアを提案した時は反論が多く、メディア側もPCで何ができるのか?という声がほとんどであった。

今ノンリニアなくして番組制作は成り立たないことはいうまでもない。一足先にデジタル放送が始まるアメリカではそれが顕著になるだろう。両者の良い部分を取り入れ共生できるのが美しい。

そうすべてはひとつ(ONENESS)になることであろう。

時代は目まぐるしく変わる。この10年NABに参加してきて思うことだ。今年からNAB2008ではなくNABSHOWと名前を変更した。来年度はさらに会場や構成までもが大きく変わるというではないか。

来年のこの時期またこの地に降り立つことを思いつつ筆とカメラを置くことにする。

また来年2009年のNABSHOWでお会いしましょう。