Bコースは、これから映像業界を目指す学生や、映像業界にそれほど詳しくない一般の人向けにお勧めしたいコースだ。

Inter BEEは他の展示会よりも、見て楽しめたり体験できるブースが多数ある。例えば、最近トレンドの高精細な映像や最新の3D映像を体験できるのはもちろん、カメラを出展している大手メーカーではブース内に実際のスタジオを再現して、モデルに向けたカメラの操作を体験できるところが多い。

また、緑の幕の前に立っている人が、映像の中では広いセットのスタジオにいるというバーチャルスタジオの合成現場を実際に見られるのも貴重な体験だ。遠隔操作でカメラをコントロールできるような装置や巨大なクレーンといったものも、見ているだけで面白い。

ここでは、目を引く展示や実際に体験できるブースを、映像業界の今を俯瞰して見られるように各ジャンルからまんべんなくピックアップしてみた。

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1 ゼンハイザージャパン (ブース#4408)
HD 800
course-01.jpg 昨年のゼンハイザーブースは、アーティストのライブでもひときわ目を引いた存在になっていた。だが、ここで注目したいのはInter BEE 2009から行われている「ヘッドホン専用ブース」だ。最上位モデル「HD 800」の実際の付け心地から試聴まで可能になっていた。恐らく今年も設置されるのではないかと思われる。こうした高級ヘッドフォンや特別モデルと呼ばれる最上位機種を視聴できるのも、Inter BEEの楽しみや魅力の1つだ。ゼンハイザーブースは、他にもマイクロホンや設備音響製品などの展示も充実しているので、そちらもチェックしておこう。
2 ヒビノ/ヒビノインターサウンド/スチューダー・ジャパン-ブロードキャスト (ブース#4413)
Studer、CALREC他
course-02.jpg ヒビノグループは世界の著名なブランドの音響機器の代理店を務めていて、それらを3社共同で出展している。ブースは広くて、出展物のジャンルが幅広いのが特徴だ。現場で使われているマイクロホン、コンサート用のスピーカーなど、幅広い音響機器をいっぺんに見ることができる。特にコンソールやスイッチャーの展示は盛観で、「Studer」や「CALREC」といったテレビ放送局や中継車などで使われる放送用のコンソールや「grass valley」のプロダクションスイッチャーなどの展示にも注目だ。
3 パナソニック (ブース#5413)
AG-3DP1、 AG-AC160、 AG-AC130
course-03.jpg 3D立体映像の最前線を体験するならばパナソニックブースだ。今年の12月に発売をする放送用二眼式一体型3Dカメラレコーダー「AG-3DP1」が展示されるだろう。すでに発売されているハンドヘルドタイプの「AG-3DA1」の上位機種で、ショルダータイプのAG-3DP1とAG-3DA1は、2012年のロンドン・オリンピックの3D放送に使用されることが発表されるほど性能や信頼性は高い。恐らく、これらのカメラで撮影されたコンテンツの上映も行われるのではないかと予想される。また、この秋発売されたP2カード対応のP2HDシリーズカメラレコーダーの新製品「AG-HPX250」やAVCHDメモリーカードカメラレコーダーの新製品「AG-AC160」、「AG-AC130」といった新製品にも注目だろう。
4 オートデスク (ブース#6113)
Autodesk Smoke For Mac OS X 2012
Autodesk Smoke 2012 for Mac OS X オートデスクというと、業界標準と呼んでいいほどInfernoやFlame、Smokeなどのソリューションが有名だ。そんなオートデスクブースで大々的に展示される予定なのが編集&フィニッシング用ソフトウェアのSmoke For Mac OS X 2012だ。従来のオートデスクのソリューションは、専用のハードとソフトがセットになっているので非常に高額であったが、Smoke For Mac OS Xは価格を安くしてMac OS X版に対応したものだ。Smokeは、編集からコンフォーム、カラー コレクション、ペイント、タイトル作成、3Dビジュアルエフェクトツールなどを備えた統合型フィニッシングソリューションだが、Mac OS X版も同等の機能を備えている。違いはレスポンスぐらいと言っていい。Final Cut Proと連携したワークフローも可能で、Final Cut Proをインストールしているハードと共用できるのも魅力だ。
5 平和精機工業 (ブース#5407)
RSシリーズ RS-250(M)、350(M)、450(M)
course-12 (1).jpg Inter BEEに来たならば三脚やヘッドも一通りチェックしたい。三脚の機能で注目したいのがカウンターバランスだ。カウンターバランスシステムとは、パン棒からどの位置でも手を離してもカメラを静止できる機能のことだ。「RSシリーズ」はカウンターバランスシステムに対応した中でも、リーズナブルなのが特徴だ。また、3種のヘッドと6種類のラインナップを用意されているので、小型の業務用カメラから比較的最近の業務用肩載せタイプまで対応が可能なのこと、-40℃~60℃の耐温度性能、バックラッシュを大幅に低減などの機能を備えている。新製品では、RSシリーズをはじめLibecの菊座に利用可能なアクセサリーサポートシリーズや、LANC対応ズームリモコンをソニー社製のAVリモート端子搭載のハンディカムに接続して制御可能にする変換アダプター「A-3AV」などが展示される予定だ。
6 datavideo (ブース#5506)
TP-100
tp-100_topimage.jpg 液晶モニターのラインナップを幅広く展開しているdatavideo製品。定評のある液晶モニターのラインナップだけでなく、スイッチャーやコンバーター、レコーダーなど様々なビデオ機器を出展する予定だ。新製品として6月に国内発売された、ラックマウントに引き出しのように収納できるHD対応の17.3インチワイド液晶ビデオモニター「TLM-170」のほか、NABで発表されたAndroidやiPhoneをプロンプターのディスプレーに利用できる「TP-100」やiPadをプロンプターのディスプレーに利用できる「TP-200」などユニークな新製品もある。エム・アンド・アイ ネットワークのブースに展示される。
7 ソニー/ソニービジネスソリューション (ブース#8107)
F65、SRMemory HDC-2500
course-05.jpg 近い将来到来する、4Kなどの高解像、高画質な高解像度ソリューションが出展される。特に注目は、来年1月に発売される4KのCineAltaカメラ「F65」の実機展示だろう。このカメラの4Kで撮影された映像の上映もブース内で行われるかもしれない。また、それらの高解像や高画質に合わせて、最大で1TBに5.5Gbpsで記録可能な大容量・高速記録メディア「SRMemory」や、ストレージユニット「SR-R1000」、ポータブルレコーダー「SR-R1」などの新しい世代の制作機器群にも注目をしたい。12枚の光ディスクをカートリッジ化した次世代の映像アーカイブ・ストレージシステムも展示されることが予想される。こういった今後商品化される技術参考展示も注目だ。
8 ディストーム (ブース#8106)
TriCaster
course-06.jpg ワンボックス型番組制作/ライブストリーミング配信システム「TriCaster」に注目したい。特に、ブース上で行われると予想されるクロマキー合成とバーチャルセットのデモを見てほしい。幕張メッセのブースで収録しているにもかかわらず広いテレビスタジオから放送しているような演出は非常に目を引く。さらにその様子をUSTREAMで配信することも可能。最上位モデル「TCXD850」の映像入力は8系統に対応しており、8台のカメラを接続できるほか、HD/SDの同時出力にも対応するのも特徴だ。
9 ナックイメージテクノロジー (ブース#8310)
MAC3D System
course-07.jpg ハイスピードカメラからモーションキャプチャシステムなど特殊映像機器の開発・製造を行っているメーカーだ。特に、放送用ハイスピードカメラ「Hi-Motion」シリーズが有名で、オリンピックやワールドカップ、アジア大会などのスポーツ中継で数多くの実績を上げているカメラだ。このほか、ARRIの非常に高画質なデジタルシネカメラ「ALEXA」といった展示も見ておきたい。また、Raptorシリーズでは従来まで不可能だった屋外計測にも対応するモーションキャプチャーシステム「MAC3D System」の展示やデモにも注目したい。
10 駒村商会 (ブース#8206)
GLIDECAM 他
wadaguraidocam 1.jpg カメラを持って歩いた際に生じるブレや振動を抑えるためのスタビライゼーション・システム「GLIDECAM」に注目したい。移動しながらの撮影はできるだけドリーやクレーンを使いたいが、設置の手間や現場の問題でいつでもどこでも準備ができるものではない。そこで、カメラスタビライザーによって振動を軽減させるのがこのシステムだ。ベスト、アーム、スレッド、モニタのセットで自由に歩きながら撮影ができる。ブライダルやドキュメンタリー、ニュース、ミュージックビデオなど様々な現場で威力を発揮しそうだ。
11 クロスメディア部門 (ブース#ホール8)
IPTV/MobileTV/デジタルシネマ/デジタルサイネージ/3D映像
walkiptv.jpeg 従来のInter BEEでは「IPTV」や「Mobile TV」といったいくつかの専門のゾーンが設けられていたが、今年から1つに統合されて、「クロスメディア部門」となった。その中でも特に注目したいのがKDDI研究所ブースだ。映像圧縮技術とデータ放送システムを展示する予定で、8K、つまり8,000×4,000という非常に大きな解像度を持つスーパーハイビジョンのリアルタイム圧縮コーデックの展示が予想される。また、クロスメディア部門にアドビシステムズが2年ぶりに出展する。Premiere ProやAfter Effectsといった定番ソフトの展示もチェックしよう。

Aコース [Inter BEE 2011の歩き方] Cコース
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