3Dや大判センサーを搭載したカメラのほか、4kやハイスピードカメラなどセンサー部分に限っても様々なカメラが登場している。記録系はMPEG2やMPEG4由来のもの、非圧縮などもあるが、新たなフォーマットの登場はなさそうである。すでに、HDは最低限の基準となり、よりクリエイティビティーな撮影や特殊な撮影、さらなる高画質化など次のステップを迎えようとしている。

そうした中で、放送用カメラのメーカーも日立や東芝、NECから、ソニーやパナソニックなどへ世代交代を迎えつつある。デジタル化やファイルベース記録は、VTRという呪縛からビデオ機器を解き放っただけでなく、世代交代や今まで不可能だった撮影領域へ踏み出そうとしている。3Dやデジタルシネマといった領域は、今までビデオとは異なった業界であったり、極めて特殊なジャンルの世界だったが、一気に身近になった感がある。

ビデオは全てを包含していくのか、新たなジャンルとして確立していくのか、過渡期である現在だからこそ目が離せない。

Inter BEE 2011の歩き方 オリジナルガイドマップ無料配布中!
1 パナソニック (ブース#5413)
AG-3DP1
itb2011AG-3DP1.jpg P2HDシリーズとして一体型二眼式3Dカメラレコーダー「AG-3DP1」や2/3型P2カメラレコーダー「AJ-HPX3100」、P2ハンドヘルドカメラ「AG-HPX250」などのほか、AVCCAMシリーズの一体型二眼式3Dカメラレコーダー「AG-3DA1」、マイクロフォーサーズマウント搭載HDカメラレコーダー「AG-AF105」、AVCCAMハンドヘルドカメラ「AG-AC160/AC130」といった小型ビデオカメラも多数出展。マルチフォーマットデジタルカメラ「AK-HC3500」やマルチパーパスカメラ「AK-HC1800/HC1500」なども展示される。
2 キヤノンマーケティングジャパン (ブース#6311)
EOS-1D X
itb2011EOS-1D X.jpg EOS 5D MarkIIなどのDSLRによる動画撮影を普及させたキヤノンは、「XF105/XF100/XA10」などのビデオカメラのほか、来年3月発売予定のデジタル一眼レフカメラフラッグシップモデル「EOS-1D X」を出展する模様だ。EOS-1D Xは1810万画素のフルサイズCMOSを搭載したほか、画像処理エンジンには従来の DIGIC4より17倍高速なデュアルDIGIC 5+が搭載されている。記録はMPEG-4 AVC/H.264だが、イントラフレーム記録である「ALL-I」モードが新たに搭載された。なお、100万円台のPLマウント4kカメラの出展も噂されており会期中のサプライズとなりそうである。
3 朋栄 (ブース#6406)
VFC-7000
itb2011VFC-7000.jpg スイッチャーなどのシステム機器を中心のメーカーだが、特殊用途カメラとして700コマ/秒の高速撮影が可能なバリアブルフレームレートHDカメラ「VFC-7000」を開発している。また、最低被写体照度0.02lxという月明かり程度の明るさでも動画でのカラー撮影が可能なEM CCDを搭載したHD超高感度カメラ「EM-120H」 (協力:株式会社フローベル)を新製品として出展。 EM CCDは従来のCCDに比べ10倍~100倍の高感度性能を得ることができる電子増倍型CCD。
4 池上通信機 (ブース#7214)
HDK-97A Unicam HD
itb2011HDK-97A.jpg GFCAMシリーズのラインナップのほか、16-bitフルデジタルの3G-SDI 1080p/59.94Hzネイティブ出力を搭載した「HDK-97A Unicam HD」や14-bitマルチパーパスフルデジタルHDTVカメラ「HDL-45E」、4/3型GFCAMなど、NAB2011や6月に開催されたIkegami Broadcast Fair 2011で発表したカメラが出展されるようである。
5 アストロデザイン (ブース#7312)
4kカメラ AH-4410-A
itb2011AH-4413.jpg ビデオ用の各種計測機器を中心に開発していた同社だが、いち早く4kのカメラを開発し、いわゆる計測機器メーカーから制作に必要なモニターなども扱うメーカーとして、その幅を広げている。今年は筐体がブラックになった4kカメラ「AH-4410-A」を出展するが、7月に開催されたASTRODESIGN Private Show 2011でお目見えしたマイクロフォーサーズのレンズに対応した4kカメラヘッド「AH-4413」が新たに出展される予定だ。
6 グラスバレー (ブース#7519)
LDK 8300
itb2011LDK 8300.jpg ライブスーパースローモーションカメラ「LDK 8300」は、ライブスポーツ中継向けに機能を特化させた3倍速スーパースローモーション対応カメラ。撮影中でも1080i/720pを切り替え可能なほか、照明の点灯周波数と撮影コマ数の干渉で生ずるフリッカー除去するAnyLight機能などを搭載。ライブコントローラーK2 Dynoと連携した3倍速スローモーションやHD撮影と同時にSD映像の出力が可能。
7 ソニー/ソニービジネスソリューション (ブース#8107)
PMW-TD300、F65 他
itb2011PMW-TD300.jpg 輻輳角の調節という今までになかった作業を自動化した3Dショルダーカムコーダー「PMW-TD300」や8KCMOSイメージセンサー採用と16bitのRAWデーターでの撮影が可能なCineAltaカメラ「F65」など先に開催されたNAB2011で発表されたもののほか、NXCAMカムコーダー「NEX-FS100JK」やNXCAM 3Dカムコーダー「HXR-NX3D1J」、デジタルシネマカムコーダー「PMW-F3K」および各種オプションなどを出展。
8 ノビテック (ブース#8105)
Phantom HD GOLD
itb2011Phantom HD GOLD.jpg Vision Research社のPhantom FLEXやPhantom V641といった従来から取り扱っているハイスピードカメラのほか、短時間で3次元スキャンを可能とした4DDynamics社の高速3次元スキャナーMephistoシリーズなどを出展。Phantom HD GOLDはフルスペックハイビジョン 1920×1080で1000コマ/秒(33倍速)撮影が可能。Mephistoシリーズは15cm程度の被写体から車体等4m以上を対象とした高精細タイプまで、各種ラインナップがある。
9 ナックイメージテクノロジー (ブース#8310)
MEMRECAM HX-1
itb2011MEMRECAM HX-1.jpg フィルムの時代から高速度カメラを手がけていたほかARRI製品の代理店でもあり、MEMRECAM HX-1(メモリーカム)ハイスピードカメラのほか、ALEXAなどのARRI社製カメラを出展。ALEXAは先ごろ発売となったワイヤレスリモートシステムやレンズデータシステム、3D映像撮影時に2台のレンズの動きをシンクロさせることが可能なモーションセンサーなどに対応したALEXAアップグレード機種「ALEXA PLUS」を新製品として出展。
10 西華産業 (ブース#8308)
EPIC
itb2011EPIC M.jpg RED Digital Cinema社のREDのほか、先ごろ出荷を開始した5K Mysterium-XというCMOSセンサーを搭載したEPICが注目される。また、スローモーションカメラP+S TECHNIK社 WeissCam HS-2、KINOR社DC2K、PsiTech社Point SixおよびSIROCCOといった特殊なカメラやRED対応の撮影アクセサリーも見逃せない。

Cコース [Inter BEE 2011の歩き方] Eコース
Inter BEE 2011の歩き方 オリジナルガイドマップ無料配布中!