今年のCP+の目玉といえばミラーレスカメラだ。2011年6月に発表された「PENTAX Q」、2011年9月に発表された「Nikon 1」、2012 International CESで発表された「X-Pro1」、1月に発売を開始した「NEX-7」、CP+の会期直前に発表された「OLYMPUS OM-D」と「PENTAX K-01」など、ミラーレスカメラに関する新製品がとにかく多かった。もちろん全機種、フルHDの動画撮影機能を備えている。ここでは、CP+で注目を浴びていたミラーレスカメラを紹介しよう。
60Pの動画撮影機能にも対応した「NEX-7」
「円筒と板」というデザインコンセプトを実現したNEX-7
NEX-7は、ソニーのNEXシリーズの中でも最高性能を備えたフラッグシップモデル。1月27日に発売したばかりの新製品だ。最大の特徴は、2,430万画素のイメージセンサーの搭載だ。ほとんどのミラーレスカメラは約1,600万画素なので、NEX-7だけ飛びぬけた解像度を実現している感じだ。画素数でいうと6,000×4,000で、キヤノンのEOS 5D Mark IIの画素数5,616×3,744を上回っているといえばその凄さがわかるだろう。
他社のミラーレスカメラよりも大きなAPS-Cサイズのイメージセンサーを搭載している
一眼レフを同じAPS-Cサイズのイメージセンサーを搭載していて、マイクロフォーサーズの1.6倍、Nikon 1が採用するCXフォーマットの3.1倍のサイズの面積を実現している。センサーの面積が大きい分、他機種よりもボケが得られたり、ノイズが少ない画質を得ることが実現しやすくなるわけだ。
2013年までにEマウントの交換レンズ15本とコンバーター2本がラインナップされる予定が紹介されていた
動画記録撮影モードは、1,920×1,080(60p、28M、PS)の約28Mbps(平均ビットレート)、1,920×1,080(60i、24M、FX)の約24Mbps(平均ビットレート)などに対応している。P・A・S・Mの露出モードで動画撮影した場合は、表現意図やシーンの光量に合わせて自在な露出コントロールが可能だ。映画のような雰囲気に仕上がる24p動画撮影機能を搭載しているのも特徴だ。
小型、軽量でフラットタイプデザインを採用したミラーレスカメラ「LUMIXのGX1」
高級感のあるデザインが特徴の「GX1」
GX1は、スリムボディと高級感のあるデザインが特徴のミラーレスカメラで、昨年11月25日に発売したばかりの新製品だ。LUMIXシリーズのフラッグシップモデルのGH2と比較すると、GH2の映像記録機能はセンサー出力60コマ/秒に対しているが、GX1はセンサー出力30コマ/秒だ。GH2は動画でもマニュアル露出に対応しているが、GX1は全自動のみだ。スチルの機能では、あまり機能の差はないといっていいだろう。
発売から1年以上経過したものの、映像の記録機能に関しては衰えていない「GH2」
「Lens Bar」と名付けられたスペースで交換レンズを体験できるようになっていた
パナソニックは、マイクロフォーサーズシステム規格に準拠した交換レンズを13本発売している。この数は、レンズ交換式ミラーレスカメラシステムの中でトップの数字だ。CP+のパナソニックブースでは「Lens Bar」と題したカウンターで、13本の交換レンズが体験できたり質問をするコーナーが設置されていた。そこに大口径の広角レンズと標準ズームが2本参考出展されていた。ここまで明るいズームレンズは他社からも発売されていない。発売が楽しみなレンズだ。
参考出品された「35-100mm F2.8」
参考出品された「12-35mm F2.8」
クラシックなデザインを実現した「OLYMPUS OM-D E-M5」
OLYMPUS OM-Dは、2月8日に発表されたマイクロフォーサーズシステム規格に準拠したミラーレスカメラだ。CP+では、早速実機の体験が可能で、長い行列ができていた。特徴は、同社のフィルム時代のシステム一眼レフ「OM」から受け継いだデザインだ。マグネシウム合金製を採用し、ペンタプリズム部分には電子ビューファインダーを搭載している。もちろん背面には3.0型可動式有機ELモニターも搭載している。動画の記録機能は、1,920×1,080、59.94iで20Mbps(ファイン)と17Mbps(ノーマル)などを備えている。発売は3月下旬を予定している。
世界初のセンサーシフト方式による5軸対応メカニカル手ぶれ補正を搭載。一般的な2軸(X軸、Y軸)に対しての角度ぶれ補正に加え、XY軸の並進方向とZ軸(光軸)回転方向のぶれ補正を追加している
OM-Dの展示の隣にマイクロフォーサーズシステム規格に準拠した2本の交換レンズが「開発発表」という形で展示されていた。「M.ZUIKO DIGITAL ED 75mm F1.8」は、金属性の外装にF1.8という大口径を備えたレンズだ。「M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro」は、防塵・防滴構造で、優れた近接撮影能力を持ったマクロレンズだ。
ポートレート撮影に最適な「M.ZUIKO DIGITAL ED 75mm F1.8」
ネイチャー写真撮影に最適なマクロレンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro」
ペンタックスKマウントに対応したミラーレスカメラ「K-01」
ユニークなデザインを採用した「K-01」
ペンタックスのK-01は、Kマウントを採用したミラーレスカメラ。フィルム一眼レフカメラの時代から使用されているKマウントの豊富なレンズをそのまま使うことができるのが特徴だ。トイカメラのように見える外観は、世界的なインダストリアルデザイナー マーク・ニューソン氏によるもの。本体カラーは、ブラック×ブラック、ブラック×イエロー、ホワイト×ブラックの3色が発売される。スペックも1,628万画素、最高ISO感度25,600(拡張時)、動画撮影など高い基本性能を備えている。発売は3月中旬を予定している。
K-01のデザインに最適な全長約9.2mmという世界最薄サイズを実現した超薄型の常用レンズ「smc PENTAX-DA40mmF2.8 XS」もユニークな存在だ。こちらは4月下旬の発売を予定している。
全長約9.2mmを実現し、開放F値は2.8と明るい「smc PENTAX-DA40mmF2.8 XS」
フルサイズ一眼レフをも凌駕する画質を目指した「X-Pro1」
富士フイルムのX-Pro1は、APS-Cサイズで1,630万画素のCMOSセンサーを搭載した高級、高性能志向のミラーレスカメラだ。 一見するとライカのレンジファインダーと見間違うような雰囲気のあるデザインを採用しているのが特徴だ。X-Pro1の最大の特徴は、「フルサイズ一眼レフの高レベルをも凌駕する画質を目指した」というところだ。新開発カラーフィルター配列を採用することで、光学ローパスフィルターが不要になり高い解像感を実現している。X-Pro1で撮った作品が富士フイルムブース内のいたるところに掲載されていたが、その解像力に圧倒されてしまった。
レンズマウントシステムはXマウントで、交換レンズは「XF18mmF2 R」「XF35mmF1.4 R」「XF60mmF2.4 R Macro」の3本が用意されている。動画記録も搭載していて、1,920×1,080ピクセル/1,280×720ピクセル(24フレーム/秒)に対応する。ローパスレスでどんな動画が撮れるのか、発売が楽しみだ。
ボディと同時に発売される3本のレンズ。左から18mm F2、35mm F1.4、60mm F2.4 Macro
巨大に引き伸ばされて掲載されたX-Pro1のギャラリー