今年のCP+で「ミラーレスカメラの時代がきている!」と実感した理由の1つは、レンズメーカーがミラーレスカメラ対応のレンズを展示し始めたことだ。三洋オプティクス、コシナ、シグマ、タムロンなど、これだけ複数のレンズメーカーを巻き込んだ商品展開が始まったということは、カメラ業界がミラーレスカメラの方向に進み始めている証拠といっていいだろう。ここでは、レンズメーカーが展示した最新のミラーレスカメラ対応レンズを紹介しよう。

SAMYANGブランド定着感あり三洋オプティクス

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左は発売中のマイクロフォーサーズ用の7.5mm F3.5 Fisheye。右は参考出品のソニーEマウント用の8mm F2.8 Fisheye

まず最初に紹介するのは、三洋オプティクスのレンズだ。インターネット上では「Samyang(サムヤン)」と表記されていることが多く、こちらの通称のほうがお馴染みかもしれない。国内市場では2010年ぐらいから流通が始まり、マニュアルフォーカスの「85mm F1.4」が3万円を切る市場実勢価格で購入できることから話題になったメーカーだ。一眼レフ動画関連のブログとかでも”Samyangの35mm F1.4が気になる”という趣旨の内容を紹介している人も多く、映像業界の人でも聞いたことのあるブランドではないだろうか。三洋オプティクスのレンズはケンコー・トキナーのブース内で展示されていて、マイクロフォーサーズ用とソニーEマウント用の新レンズが紹介されていた。

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三洋オプティクスのフルサイズ対応のコーナーに目を向けると、24mm F1.4のレンズが参考出品されていた

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4万円を切る市場実勢価格で話題になった三洋オプティクスのフルサイズ対応の35mm F1.4

ケンコー・トキナーブース内では、2月3日に発売をしたトキナーブランドの400mmのミラーレンズがさっそく展示されていた。明るさはF8で固定で、マイクロフォーサーズ用とEマウント用の2種類がリリースされている。

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トキナーブランドのミラーレスカメラに対応する「Kenko ミラーレンズ 400mm F8」。マイクロフォーサーズ用のカラーがホワイトで、Eマウント用のカラーがチタンとなっている

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レンズを正面から覗くとミラーレンズ独特の構造が確認できる

コシナのマイクロフォーサーズ第2弾はNokton 17.5mm F0.95

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対角線64.6度のワイドな画角を実現したNokton 17.5mm F0.95。発売は3月を予定している

コシナは2010年8月にマイクロフォーサーズシステム規格に賛同し、第1弾としてNokton 25mm F0.95を発売した。マイクロフォーサーズ対応第2弾は、2月8日に発表されたマニュアルフォーカスのNokton 17.5mm F0.95だ。特徴は、Nokton 25mmと同じく開放F値が0.95と飛びぬけて明るいことだ。動画撮影にも配慮されていて、新構造の「クリック解除リンク」という絞り切り替え機構を採用することによりクリック音を発生させず絞りリングを無段階で開閉させることが可能となっている。

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OLYMPUS OM-DとNokton 17.5mm F0.95を組み合わせた状態

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こちらは2010年11月25日に発売をしたNokton 25mm F0.95

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ルミックスGH2とNokton 25mm F0.95を組み合わせた状態

シグマもマイクロフォーサーズ対応レンズを2本参考出品

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広角単焦点レンズのSIGMA 19mm F2.8 EX DN

シグマからもマイクロフォーサーズ用とEマウント用のミラーレスカメラ対応レンズが2本展示されていた。1つがSIGMA 19mm F2.8 EX DN。マイクロフォーサーズ用で35mm判換算すると38mm相当、Eマウント用で35mm判換算すると28.5mm相当になる広角レンズだ。もう1つがSIGMA 30mm F2.8 EX DN。マイクロフォーサーズ用で35mm判換算すると60mm相当、Eマウント用で35mm判換算すると45mm相当になる標準レンズだ。

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標準単焦点レンズのSIGMA 30mm F2.8 EX DN

タムロンはEマウント用高倍率ズーム「18-200mm F/3.5-6.3」を展示

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広角から望遠までカバーした18-200mm F/3.5-6.3 Di III VC

タムロンは昨年12月15日に発売をしたEマウント用高倍率ズーム「18-200mm F/3.5-6.3 Di III VC」を展示していた。焦点距離は18-200mmで、35mm版換算で32.4-360mm相当になる。タムロン独自開発の手ブレ補正機構を搭載している。

ペンタックスはQマウント対応レンズを2本参考出品

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ボディキャップを連想させる単焦点レンズ「MOUNT CAP LENS」(仮称)

最後に紹介するのは、ペンタックスブースで参考出品として展示されていた「PENTAX Q」のQマウント対応レンズ2本だ。レンズメーカーのレンズではないが、『[CP+2012]Vol.02 注目のミラーレスカメラ百花撩乱』で紹介できなかったのでここで紹介しよう。

「MOUNT CAP LENS」(仮称)は、ボディキャップのデザインをした単焦点レンズだ。「ユニークレンズシリーズ」の1つとして2012年発売予定。「TELEPHOTO ZOOM」(仮称)はペンタックス純正の2本目のズームレンズとして発売が予定されている製品だ。「高性能レンズ シリーズ」の1つとして2012年発売予定。

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ズームレンズの「TELEPHOTO ZOOM」(仮称)


Vol.04 [CP+2012] Vol.06