江夏由洋
@yosh_enatsu
最終日の今日は、非常に人が多かった!!入場受付には長蛇の列ができていました。毎年ブース規模の縮小を指摘されているものの、やはり映像・音響機器が持つ魅力は絶大です。僕らがなぜ幕張まで足を運ぶのか?それは夢があるからなのです。ちょっぴりクサい言い方ですが、新しい機材を手に取ってみれることや、新しい人との出会いがあることは、僕らクリエーターの感性に潤いを与えてくれます。Inter BEEはそんな場所です。作品を作る上で最新技術は必要不可欠といえますし、創造を形にすることがクリエーターの作業だとしたら、新しい機材やノウハウはその形をより高品質にしてくれます。
今年はデジタルシネマがキーワードだったと思います。個人的にはSONYがPMW-F55とF5を発表したことが非常に嬉しかったかもしれません。長い間ファイルベースの4KカメラはREDの独壇場でしたが、いよいよMade in Japanの誇り高き思いが製品として形になりました。SONYの思いが詰まったカメラは、おそらく4Kの世界だけでなく、クリエーターの作品制作へのマインドを高めてくれるに違いありません。僕も作品を作り続けることに頑張っていきたいと思います!
石川幸宏
@seabirdsYI総務省がInterBEE開催直前に、4K・SHV(スーパハイビジョン)を含む次世代TV規格の策定に入ったことを発表したこともあり、今年の開催におけるキーワードは4K、セカンドスクリーン、スマートTVなどの高解像度化とユーザーオリエンテッドな技術という部分にフォーカスされていたように思う。がしかし、実際にはまともに4K視聴できる環境はまだまだ少なく、会場内でも正直なところ、色温度やモニターキャリブレーションなどの設定もかなりいい加減な展示が目立った。これはハリウッドやBBCなど海外展示会で世界水準の高解像度映像を目にする機会が多い筆者から見れば、プロ映像の展示会としてはかなりお恥かしい状態で、またそれを平気で展示しているメーカースタッフの現状レベルが窺い知れる。
今後4Kのみならず6K、8Kといった方向に行くのであれば、そこにはまず、さらにこれを扱えるノウハウやカルチャーといったヒューマンスキルの育成が最優先だ。そうした中、セカンドスクリーンという意味では、今回多くの素晴らしい展示があったように思う。
特にiPad、iPhoneアプリをつかったソリューションは日々進化しており、上記の高解像度化の高度な操作をサポートする上で重要なキーデバイスになっていくだろう。ローランドブースで見かけた、TBSが開発したサウンドミキシングコントロールアプリ、「Touch Fader」はまさにその象徴と言える。あらかじめ仕込んであるマイクのレベルを、iPad上でミキサーの音量調整フェーダーを必要に応じて視覚的、直感的に上下操作できるもの。例えばiPad上にサッカーコートをおいてその上でボールを追いかけることで、ボールに一番近いマイクのボリュームを操作することができる。こうしたセカンドスクリーンによる高度な技術と人間の現場の直感を結びつける、『ユースウエア(表現は些か古いが!)』技術が伴ってこそ、ハイエンドな良い映像制作を実行できるのではないだろうか?
小寺信良
@nob_kodera年に一度の業界人同窓会ことInterBEEが幕を閉じた。さすが最終日は知り合いにいっぱい会う。さて今年のトレンドとしては、やはり4Kが具体的になってきたなーという感じはある。カメラが色々出たのはもちろんのこと、伝送系、編集システムもモノが揃ってきた。衛星放送も4K放送に乗り気だという。ただスイッチャー侍的に気になるのが、4K対応スイッチャーがないよなー、というところである。放送に乗せる気ならば、スポーツライブは欠かせないと思うのだが、スイッチャーなしでどうするのだろうか。シネマじゃない4Kワールドは、もうちょっと先になりそうだ。
僕的に今年のトレンドは、HDMIがプロ向けにかなり利用されるようになってきたというところである。もちろんカメラとしてHDMIレベルのオモシロカメラが使えるというところもありーの、1本で4K と音声が伝送できるところもありーの、というわけで、油断ならない存在になってきた。
HDMIのデメリットは、規格上10mしか伝送できないところだが、SDIに変換、Ethernetに変換、光ファイバーに変換、IEEE802.11aでワイヤレス伝送など、いろんな手段が選べるようになってきた。しかも、これまでの伝送装置に比べたら破格に低価格だ。安ければ数万円、高くても数十万で、ゼロが1つから2つ取れた感じだ。ネット放送だけでなく、ケーブルテレビ、地方局クラスのブロードキャストでも、今後HDMI機器からの映像伝送テクニックが大きな生き残り要素になってくるように思われる。
手塚一佳
@tezukakazmitomoブースのTrue ND。特に4×5.65の性能が凄い
3日目はPRONEWS出演もお声がかからなかったので、一般参加者としてかなり自由に回らせて貰った。そうして落ち着いて全体を回ってみて気がついたのだが、4KやRAW、Logの普及でシネマ関連商品の展示が充実してきたように思える。日本には米国のCineGEARのような映画専門の機材ショーが無いので、InterBEEがそこを補完してくれるのは大変ありがたい。もちろんInterBEEだけではなく、例えばREDは写真機器展であるCP+へも出展するようだし、日本でも映画機材に触れる機会が徐々に増えて行くだろう。
そんな映画系機材での注目が、MitomoブースにあったTrue ND。これは、マットボックス用のガラスフィルタで、今までであればどうしても茶色く転んでしまったND装着色を、ほとんど色変化無しに明度だけ落とすことの可能なフィルタだ。ただし、蒸着のため傷には弱いので要注意。こういうまともなフィルタが無い場合には、スチル写真用のアセレートフィルタを厚紙に貼って、事実上使い捨てフィルタとして使うしか色の転びの無いフィルタを手に入れる方法は無かったので、こういう半恒久的な高性能フィルタが入手可能になったことは嬉しい。内蔵NDの無い海外系の機種では大いに役に立つことだろう。
とはいえ個人的趣味としては、デジタルシネカメラの場合には、そのセンサー特性上、出来ればアセレートフィルタを内蔵して欲しいところではあるのだが。アセレートは厚みが無いので本当に綺麗な絵が出る。ただし、むき出しで使うとあっというまに傷だらけになるため、内蔵システムに入れて貰えると本当にありがたいのだ。その点、SONYのF55はNDフィルタ内蔵で非常に使いやすそうである。つまり、F55はマットボックス無しでも屋外で使える機材と言うことでもある。超高性能のシネカメラでこの機動性の高さはものすごい。こういうきめの細かさが、日本メーカーの強みであると思う。
岡英史
@VIDEO_NETWORK最終日は5・6ホールのガジェット系を中心にチェック!最も気になったブースはテクニカルファーム。同社の特殊なRIGは毎度毎度驚かされるが、C300ベースの大判ENG系RIGは本当に使いやすい。純正のグリップ部分をコードをオフセットし、そのままロッドのグリップに装着。
Canon製のコンパクトズームPLレンズを、SONYのHDCAMビューファーを利用して完全にディメンションはENGのサイズ感。バランスウェイトを装着する事で前後方向も良く、C300本体もチークパット変わりになるのでカメラの基本的な3点支持が出来るために安定感は抜群だった。価格はRIG自体が約30万円強、それにVF含めた電子コネクター諸々を含めると60万オーバー。この金額をどう見るかは実際に触って確かめて欲しい。
今回の練り歩きLIVEでも紅一点の山下ミカさんが紹介したFOSTEX。ここのフィールドミキサーは前から注目していた一品で。所感は、業界標準機であるSIGMA SS-302と比べても全く遜色が無いのでは?またポータブルレコーダーDC-R302はDSLR系と組み合わせて使う事を前提にしてあるので簡易的ながら十分な機能を持つミキサー部と更にパラ録り出来るようにCFカードでのWAV収録が可能。出力がミニピンSTやRCAだけと言う割り切りだが、ここにモノラルでも良いのでバランス出力出来る端子が在ると更に使い勝手が良くなる筈。一応リクエストしたので今後どうなることか。
もう一つはバッテリー関連のNEP。特にバッテリーの電圧変換系のマウントは一品物のオリジナルまで対応をしてくれる。その中でもSONYハンディカムバッテリーを12V変換してくれるマウントや、逆にハンディカムのバッテリーが切れた時、緊急に乾電池で運用する変換BOX等が中々良さそうだ。これならLバッテリーを4連装してVマウント変換した物でENGを短時間廻すと言うことも出来そうだ。