CEATECでは製品はもちろん最新のディバイスなども出展されている。これらは発売間際の製品もあれば、開発途上のものもあり、なかには想像もできない製品に組み込まれるディバイスもある。今回展示されたこうしたものの中から映像や音声などに関わりがありそうなものを中心に紹介しよう。
注目のSeeQVault出揃う
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SeeQVaultは、様々な対応機器での再生互換性と強固なセキュリティを同時に実現する新たなコンテンツ保護技術で、SDカードやUSBメモリー、ハードディスクなどに適用可能。いずれもSeeQVaultに対応していることが必要だが、ソニーや東芝がメモリーなどの発売を発表しており、HDコンテンツの記録に新たな選択肢となる模様。従来記録を行ったレコーダーでなければ再生できないといった問題があったが、SeeQVaultを利用することで、こうした縛りから解放されるほか、4Kなどにも対応可能となっており、今後の普及が期待される。
SeeQVaultは、パナソニック、サムスン、ソニー、東芝4社が2011年から開発を進めてきた新たなコンテンツ保護技術で、今年の1月に設立された会社NSM InitiativesLLCがライセンス提供を行っている。
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東芝SeeQVault対応16GB&32GB microSDメモリーカード。最大転送速度は、読み出し40MB/s、書き込み20MB/秒。SDメモリーカード規格Ver.2.0に準拠しているので、従来のSDHC対応機器でも利用できるほか、CPRM技術も搭載している。
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ソニーSeeQVault対応ポータブルワイヤレスサーバーWG-C20。スマートフォンやタブレットPC内のデーターをワイヤレスでSDメモリーカード、USB外付けハードディスクなどにコピーが可能。microSDメモリーも合わせて発売になる。
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試作品のSeeQVault対応クレードル。データーの転送やメモリーへの電源供給もワイヤレスで行うことが可能。クレジットカードサイズとなっているが小型化も可能で、カメラなどの記録メディアとしても使うこともできる。
次世代ユーザーインターフェースFingerLink
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富士通次世代ユーザーインターフェースFingerLink。デスク上の地図や書類などを読み取り、読み取った内容に応じた情報を投射することができる次世代ユーザーインターフェース。たとえば、地図に描かれた地形を認識して、地図上を指さすことでその地域の情報を投射したり、その情報を携帯端末に転送したりできる。来年をめどに開発が進んでいるという。
番組連動放送Hybridcast
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9月2日にサービスを開始した番組連動放送Hybridcast(ハイブリッドキャスト)。NHKが開発を進めてきたこの技術を基にすでにいくつかの放送が始まっているが、テレビ朝日やTBS、フジテレビ、WOWOW、北海道テレビなどが実用化に向けて進めており、対応受信機が発表されるなど、いよいよ実用化のときを迎えている。
次世代移動通信(5G)
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NTTドコモ次世代移動通信(5G)。現行のLTEと比べて1000倍以上の容量拡大が可能になる次世代移動通信(5G)は東京オリンピック開催の2020年ころの商用化を念頭に進められている。iPhone 5やGalaxyの普及に伴い動画を始めデーター通信量の増大に伴うトラフィック解消のため期待されている。ブースではシミュレーターを使った高速・大容量・低遅延をデモしていた。
まだまだ見つかる新しい潮流
■タックシステム
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AKiTiO Thunder Hub、Neutrino Thunder D3、Neutrino Thunder Duoなど。Computex 2013で披露されたThunder Hubの実機が展示されていた。Thunderbolt×2ポートにE-SATA、USB3.0、1394Bポートを備えている。
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ADDER KVMシステム。2系統のDVIまたはHDMI信号、オーディオ、USB2.0をLANケーブルで50mまで延長することができるX-DVI PRO-MSのほかDisplayPortやThunderbolt videoに対応したLink XD522など、PCとキーボード&ディスプレーなどをマシーンルームなど離れたところに設置できる。
■アストロデザイン
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アストロデザインはコンテンツエクスペリエンスゾーンに2K4Kモニターやレコーダーを出展。独自ブースではプロトコルアナライザーVA-1839などの測定機器を出展。写真はGVIF(Gigabit Video InterFace)の各機能を表示・測定することができるプロトコルアナライザーVA-1839。
■計測技術研究所
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HD→4Kアップコンバート+FE超解像変換FEシリーズ。ナイキスト周波数を超える成分を独自技術によって生成し、リアル4Kに迫る高精細な映像をリアルタイムに変換できるアップコンバーター。コンテンツエクスペリエンスゾーンで出展。
■京セラ
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ピエゾスピーカー。壁や机などに接触(置く)させるとそれがスピーカーになるというもの。参考出品だが1mm厚のピエゾスピーカーとともにデモされていた。機器への組み込みのほかサラウンドスピーカーなど様々な利用が期待できそうだ。
■フォスター
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超音波パラメトリックスピーカーシステム。指向性が鋭く狙ったところに音声を届けることができる。ガンマイクと組み合わせることで遠距離通話システムとして使うことも可能。
■KOA
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マッスルスーツ。圧縮空気を特殊なチューブに送り込むことで、筋肉と同じ役割を担う動作補助ウェア。KOA株式会社と東京理科大学(小林宏研究室)が共同開発したもので、重たい荷物を持ち上げても腰を痛めない。障害者への補助機器としての使用も可能という。ただ、重たいものを持ち上げる場合、力だけでなくバランスも重要で、そのあたり慣れが必要かもしれない。
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