いよいよ本格的な4K / 8K時代へと突入した日本の映像業界。海外での機器展示会でも、すでに本格的で実用的な4Kソリューションに注目が集まり始めた。このInterBEEでも同様に4K製品とソリューション、もしくは4Kオーバーの制作関連機材に注目が集まるだろう。このコースでは、主に4K制作をいますぐ実践・制作するための機材 / 技術 / ソリューションをメインに、最新の4K / 8K制作へ向けた技術トレンドを視察する。また4K撮影・制作をサポートする関連ツールなども多岐に渡る製品や、高解像度だけではない、次世代の高品位な製品が出てきそうな予感で、このInterBEEで一気に4K / 8Kへの気運が加速することは間違いない。
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アドビ システムズ / インテル (ブース#6304) |
10月1日に一般社団法人 次世代放送推進フォーラム(NexTV-F)が公開した4K放送素材搬入技術基準書内で、XAVCファイル作成方法の指定ノンリニア編集システムとして、Adobe Premiere Pro CCが指定された、アドビ システムズ。スカパーJSATへの放送素材搬入が、同ソフトのXAVCフォーマットに指定された事で、益々利用価値が上がるであろうAdobe Creative Cloudのソフト群の最新ファームデモやソリューション紹介と、インテルの最新チップによる4Kコンテンツ制作の様々な活用事例等を展示。
今年も多くの製品を送り出して話題に事欠かないブラックマジックデザイン。Blackmagic Cinema Cameraラインナップも充実し、4KカメラとしてはBlackmagic Studio Camera 4Kも新たに発表。また最大2160 / 60pのUHDに対応したフル解像度UHD放送用モニター「Smart View 4K」や、同じく最大2160 / 60pのビデオをデュアルストリームでキャプチャー・再生可能な、デュアルリンク12G-SDIに対応するキャプチャー・再生カード「DeckLink 4K Extreme 12G」、そして同社のベストセラーであるミニコンバーターシリーズでも6G-SDIに対応する「4K Mini Converters」「4K Heavy Duty Converters」の新ラインナップなどを一挙に展示。その他、カラーグレーディングシステムのDaVinci Resolve 11や、先頃買収したEyeon Software社の合成ソフトウェア「Fusion」の日本初お披露目など、4Kを中心とした各種ソリューションに注目。
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キヤノン / キヤノンマーケティングジャパン (ブース#6215) |
Canon Log対応や60p記録も可能になったEOS C100 MarkⅡに注目。EOS C300にもAF機能標準搭載モデルが登場。ファームアップで、4KカメラのEOS C500 / C500 PL、および4KディスプレイDP-V3010に新たに搭載された、次世代放送規格ITU-R BT.2020色域の高精細撮影対応と、映画界でのカラーマネジメント規格ACESの伝送規格ACESproxyへの対応など、最新の4Kクオリティを実現するファームバージョンと各ソリューションを公開。また放送用レンズでは、4K中継用にラインナップされたEFシネマレンズシリーズのCINE-SERVOレンズの新製品CN20×50 IAS H/E1、CN20×50 IAS H/P1なども各種展示。
米ベルデン社との合併後、初の日本での展示会となるグラスバレー。オフィシャルカラーもこれまでのグリーンからパープルへと変更された。放送機器部門では、先のIBCでも初公開された、3CMOS / B4マウントの4K放送用カメラシステムLDXや、リプレイシステムの「K2 Dyno」、最新のSSDストレージとの組み合わせによる、4K収録 / 再生に対応した「K2 Summit 3G」などを展示。また既に4K対応バージョンを発売開始している「EDIUS Pro」は、最新のコーデック / フォーマットに対応するノンリニア編集ソフトウェアとして人気も高い。最新版のEDIUS Proは、パナソニックVARICAMに搭載されたAVC-Ultraや、ソニーPXW-FS7にも搭載されたXAVC等にも対応している。
高解像度技術を常にリードしているアストロデザインでは、今年も4K / 8Kに対応する超高解像度 / 高精細映像関連の製品技術をラインナップ。8Kスーパーハイビジョン(SHV:7680×4320)の最新の技術展開をブース展示。8Kスーパーハイビジョンカメラヘッド「AH-4800」や、SHV非圧縮SSDレコーダ「HR-7512-C」などのSHV関連製品と、4Kの実用製品として、4K LCDモニターシリーズ「DM-3412 / DM-3432 / DM-3409-A」や4Kカメラ、キヤノンEOS C500などに対応するポータブル4K非圧縮レコーダ「HR-7510」など最新の4K / 8Kソリューションを展示。
最先端の映像機器を扱うRAID。ハリウッドでも圧倒的な処理スピードで定評のあるオンセット(現場確認)用の本格的なデイリー作成システム、Colorfront社の「オンセットデイリーズ(On-set Dailies)」、簡易版の「エクスプレスデイリーズ(Express Dailies)」、ハイパフォーマンスなファイル変換システム「トランスコーダー(Transkoder)」を展示。また3軸ジンバルのカメラサポートシステムの急先鋒として一世を風靡したMoVIも、ベースモデルのM10を始め、小型のM5、大型のM15などラインナップを拡張。リーズナブルなミニモニター「SmallHD」も展示。
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パナソニック / パナソニックシステムネットワークス (ブース#4308) |
いよいよこの秋に発売となった、新生VARICAM 35、VARICAM HSを中心に、実用的な4Kソリューションを展開。VARICAM 35は、フルサイズの新開発4K MOSセンサーを搭載したシネマカメラとして生まれ変わり、ISO5000感度でノーライト撮影でも、ノイズがほとんど見られない暗部特性を持つ。14ストップのダイナミックレンジ、フィルムに近い色域を持つ「V-Gamut」を開発・搭載、さらにガンマカーブはダイナミックレンジをさらに拡張した「V-Log」を搭載。その他の4K対応製品では、4K / 60p撮影が可能な小型ビデオカメラHC-X1000や、4K対応モニターの「BT-4LH310」は、4K撮影の最大の課題でもあるフォーカスワークをワンタッチズームで確認できるなど、実用的な4K製品を一挙公開。
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ソニー / ソニービジネスソリューション (ブース#3117) |
4K映像制作をカメラ、表示(ディスプレイ)、伝送システムとトータルなソリューションとして展開するソニー。4K対応製品としては、この秋話題の4Kメモリーカムコーダー「PXW-FS7」を中心に、F55、F65RSなどのシネマカメラや、実用的な4Kライブ放送など各種4Kソリューションを展示。また4K / 8K時代で課題のひとつであるケーブル問題を解決すべく、IP伝送による4Kライブプロダクションなどもデモ予定。この1年間、海外の展示会で参考出品されてきた新型4Kディスプレイなど、次のステージでの高精細かつ高品質なディスプレイ技術などにも注目。参考出品のみだった4K SxSプレーヤーなどにも注目が集まりそうだ。
計測機器の専門メーカー、リーダー電子では今年4K対応製品を各種展示。4K映像マルチフォーマット・マルチ波形モニターの「LV 5490」は、3G-SDIのクワッドリンク、またはデュアルリンクによる4K映像に対応するマルチ波形モニター(DCI4K、UHDともに対応)。2-SAMPLE INTERLEAVE DIVISION、SQUARE DIVISIONの2つの分割伝送方式に対応。フルHD解像度9インチ液晶を搭載しているので、HDピクチャーモニターとしても使用可能。その他、3G-SDI対応製品各種などを展示公開。
国内ではPROTECHのブランド名で流通する、安価で高性能な放送専門製品を開発・販売している日本ビデオシステム。話題の4K対応光伝送カメラシステム、LS-750 / 850、は、ソニーのPMW-F55やキヤノンのEOS C500に組み合わせて4K中継用カメラシステムをコンパクトに構築可能にする、コストパフォーマンスに優れたソリューション。モデル別に、60W、200W、300W+24Vなど様々な給電機能も搭載。今年世界各国の展示会で参考出品されていた4Kモニターなども展示予定。
※掲載しているブース写真は過去に開催されたイベントのものです。