txt:猿田守一 構成:編集部

引き続き、IBC2018の会場から気になったブースから取り上げていきたい。

ARRI

ARRIブースではALEXA LF 3.0バージョンが展示されていた。新たなバージョンではビューファーのバージョンが上がりEVF-2となった。EVFー2では表示パネルがフルHDとなり視認性の向上が図られている。具体的にはコントラストが上がり明るさも向上している。

また、記録部となるメディアベイのアップグレードも行われた。今まではSxSの使用ができなかったが、今回のアップグレードによりSxSへの対応が可能になった。また従来のSSD記録の信頼性の向上も図られた。

通常、フォーカスコントロールはWCU-4デジタルリモートホイールで制御するが、今回新製品としてOCU-1が展示されていた。OCU-1はフォーカスマンがフォーカスコントロールをリモートでコントロールしている場合、これまではオペレーター自らフォーカスを変えることができなかったが、このOCU-1を使用することで、フォーカスコントローラー間に介在できるようになり、オペレーター自らフォーカスをコントロールする事ができるようになった。

ARRIの照明コントロールアプリケーションSTERAが発表された。サブスクリプションモデルで課金モデルとなっている。DMXに接続されているLED照明をこのアプリにより一括制御ができる。iPhoneやiPadをコンソールとして照明をコントロールする時代が来たのだ。

■ARRI動画レポート

Leithz

Leitz Cineロードマップを紹介。将来のレンズLeitz Zoom&Primeを発表した。今回製品のアナウンスではなく、ロードマップが公開され、LeitzCineがどう歩むのかと提案の中でのの共有となる。将来こういう製品ができるのプロトタイプの紹介となった。

今回予定されているレンズは、LeitzZoom&Prime(暫定)。18mm-180mmをカバーするプライムレンズ12本と25-75mm 55-125mmズーム2本となる。その12本は18、21、25、29、35、40、50、65、75、100、135、180。フルフレームよりも大きくVistavisionをカバーする。

開放値はプレイムが、1.8、ズームが2.8となる。前径95mmから114mmとなる。業界スタンダード114mmで周辺機器は流用可能となる。重量は、プライムは、2.9kg、ズームは、3.4Kgを予定。

果たしてどんなレンズかといえば、ライカっぽい味のあるルックを受け継いだ仕上がりの延長線上にあるという。新しいレンズはLeitzの最高傑作であり今まで培ったノウハウをフル活用した次世代レンズであるという。

プロトタイプをテストをしたユーザーのコメントは「こんなレンズは見たことないという言葉が出たそうだ」。では具体的にどうなのか?と説明を聞いたが、実際の画はまだなく、とにかく透明感が素晴らしいとのこと。今回のコンセプトは、次世代のレンズで初のズームレンス。できるだけで明るいレンズを標榜しなおかつ進化するというレンズに期待だ。

気になる価格の方は、プライムレンズ(仮)の想定値段が4万2千ユーロ、ズームは4万5千ユーロを予定している。今までにない値段となり過去最高値となるラインアップとなる。ズームは、2019年末、プライムは12本揃って2020年の予定。出荷は、全てレンズが揃ってからリリースするという。

富士フイルム

富士フイルムブースでは、Sony FS7にMK50-135mm T2.9シネレンズを組み合わせ、SLR Magic社製1.33x-65Anamorphot Adapterのアナモフィックレンズアダプター、PDMOVIE社製リモートフォーカスシステム、Chrosziel社製ズームサーボという組み合わせのカメラシステムの参考出品が目を引いた。

SLR Magic社製のアナモフィックレンズアダプターにはピントリングが存在するため、MKレンズのフォーカスに加えアナモフィックレンズアダプターのピント調節が必要となる。この調整にはPDMOVIE社製のアナモフィックアダプター用にプログラムされたフォーカスコントローラーを使い二つのフォーカスリングを同時にコントロールしてしまうという、非常にクレバーなシステムが組み上がっていた。

Chroszielのズームサーボもかなりいい動きをしていた。これらのシステムを利用することで、比較的安価にシネマスコープサイズの映像を撮影することができてしまう。シネマスコープ映画はすでに1950年代には実現していたので先祖返りしたシステムとなるのだが、16:9に見慣れた現代では1:2.35といワイドな画角に新鮮味を感じるのではないだろうか。

スーパー35mmセンサー・PLマウントに対応ZK12×25ズームレンズをEFマウント変換を用いAU-EVA1に装着した展示も行っていた。

ATOMOS

最新のミラーレスカメラが全て揃っており、人の絶えないブースとなていた

NABで発表されていたNINJA V(ファイブ)の最終形態に近い動作品が展示されていた。NINJA Vは、5.2インチ1,000nit 4K60PのHDR記録再生可能なモニターレコーダー。HDMI2.0に対応した入出力を装備している。

また、ATOM Xのコンセプト展示が行われていた。ATOM XとはATOMOSより発売されているモニターレコーダーに装着可能なアクセサリー群を総称してATOM Xという。ATOM XはATOMOSとそれ以外のアライアンスからのデバイスから構成されている。パッテリーマウント部分に装着するエクスパンションユニットを装着する事ができ、機能拡張ができるようになる。

ATOM Xは、周辺機器だけにとらわれずPeak Designなどアクセサリー類も今後増えていくという

今回変わったところで、キャリングケースのソリューションとしてPeak Designのケースが発表された。

■ATOMOS動画レポート

JVC

JVCブースでは、4KハンドヘルドカメラのGY-HC500とGY-HC550のコンセプトモデルの展示がされていた。今回の展示機は外部モニター出力が行えるだけで、その他の操作がまだできないモデルであった。なんとかIBCに映像が出せるカメラを間に合わせた感じである。

実際に見た感じのサイズ感は今回お目見えになった他社の同クラスのカメラとほぼ同じサイズ感と重量感であった。展示機ではまだレンズの操作リングも効かない状態ではあったが、マニュアル操作時のリングの重さなどは粘り感のあるいい仕上がりだった。

20倍ズームレンズ搭載ということで、他社同クラスのカメラと比較しても一歩前に出ている感ありだ。今後どのような味付けになって登場してくるのか楽しみなカメラだ。操作性に関してもGY-HM600シリーズを踏襲しているようなので、JVCユーザーであれば違和感なく扱えるのではないだろうか。

■JVC動画レポート

txt:猿田守一 構成:編集部


Vol.01 [IBC2018] Vol.03