txt:猿田守一 構成:編集部

Blackmagic Design

Blackmagic Designは、昨年と変わらず大きなブースを構えソリューションを展示。中でもBlackmagic Pocket Cinema Camera 4KがIBCに合わせての発売と噂されたが(会期後しばらくしてリリースが始まった)、他の新製品で湧いた。新コーデック「Blackmagic RAW」を発表したことだろう。それに合わせ、Blackmagic RAWのサポートを追加するDaVinci Resolve 15.1アップデートもされた。

Blackmagic RAWは、効率的なエンコーディングと小さめのファイルサイズを実現する。 また3:1、5:1、8:1、12:1では、固定ビットレート・エンコーディングが使用され、予測通りの一貫したファイルサイズで、可能な限り優れたイメージが得られる。

本ブースから少しは離れた所に開発者向けブースを出展しており、そちらのセミナーも非常に盛り上がっていた。Blackmagic RAWが採用しているテクノロジーは、ソフトウェアデベロッパーが簡単にアクセス可能になっている。無償のデベロッパーSDKを使用すると、Mac、Windows、Linuxで、あらゆるサードパーティ製ソフトウェアアプリケーションにBlackmagic RAWのサポートを追加可能になる。

Vitec Group

去年発売されたFlowtech 75の上位バージョンであるボール径が100mmのFlowtech 100が発表となった。カーボンを角型に成形したヘビーデューティーな基本構造で機能はFlowtech 75と同じである。現在はミッドスプレッダー仕様のみなのだが、日本からの要望の多いグランドスプレッダーは現在新しい機能を盛り込んだ形で開発中であるという。

現在付属のミッドスプレッダーは脚の開角度を3段階に調整でき、また、アームの長さも調整可能。またミッドスプレッダーを外した状態でもボール基台大部分の脚の付け根部分で3段階のノッチにより角度調整ができる仕様となっている。最大に開いた場合、ハイハットより少し高い程度まで下げることが可能。今回はFlowtech単体の販売はまだなく、当面三脚システム購入時にFlowtechを選択可能ということの様だ。

■Vitec Group動画レポート

Dolby

Dolbyブースでは家庭用のDolby VisionとDolby Atmosの展示が行われていた。Dolby Visionの圧倒的なハイダイナミックレンジのモニターと家庭用ホームシアター3Dサウンドを5.1チャンネルのスピーカー配列で再現している。実際には四隅に配置されたスピーカーの天板面に天井に向けたスピーカーが配置されており、天井にスピーカーを吊り下げることなく天井反射を利用した上質な3D音響に浸れる仕様となっている。

既にBlu-ray Disc、Ultra HD Blu-ray、Kindle Fire HD、Windows10、Xbox One、Netflixがこの規格に対応しているそうだ。放送の場合はDolby AC4方式を推奨している。AC4方式は多様な再生システムに対応し、伝送レートも今までのものより50%圧縮することができる。

TERIS

会場の一角に中国企業が列をなしている通りがある。PRONEWS的には「長屋」という感じの所だ。NAB Showもそうだがこの一角は活気があるようにうかがえる。その中でも目についたのがTERISという三脚メーカー。NAB SHow 2018の時に私の「ぶらり」で紹介したE-EMAGEの三脚とよく似た感じのSachtlerの丸コピーといった外観の三脚だ。

展示してあった三脚は大型の150φのもので、ペイロードは35㎏という大型カメラ向けの三脚だ。触ってみた第一印象はとてもなめらかで本家の物とあまり変わらないイメージであった。ただ実際にカメラを載せてカウンターバランスを取ったり、細かい調整が可能なのかということを確認できなかったので、本来のポテンシャルを確かめることはできなかった。そのほかにも中型の物もいくつか展示してあった。今後の動静が気になるメーカーであった。

Zhiyun

Zhiyunからは新しいタイプの電動3軸ジンバルWEEBILL LABとCRANE 3 LABの展示があった。WEEBILLはミラーレスカメラに合わせたペーロードでおよそ3kgまでとなっている。またCRANE 3は4.5kgまで。特徴的なのは今までのスティック型とは違い独特な形でホールドするタイプだ。現地ではピストルグリップと言っていた。2か所のグリップ部分にはフォーカスコントロールやズームコントロールが出来るようになっている。

また、それ以外にも簡単にアクセスできるボタン類が装備されている。圧巻だったのはトランスフォーマー的に片手でぶら下げるモードに変えられる事だろう。デモとしてカメラサポーターを用い上からこのCRANE 3 LABを吊った状態で操作していた。ペイロードは4.5kgとRonin-Sよりも重いカメラを搭載できる。動作時間はおよそ10時間とまずまずの性能。今後の展開が楽しみだ。

txt:猿田守一 構成:編集部


Vol.04 [IBC2018] Vol.06