txt・構成:編集部
Signature Zoomの65-300mmや45-135mmがARRI祭会場に登場
ARRIは2020年9月、Signatureシリーズの新しいズームレンズ「Signature Zoom」を発表。Signature Zoomは、Signature Primeレンズとのトーン統一の実現や、ラージフォーマットまたはスーパー35mmなど、あらゆるフォーマットのカメラで汎用的に使用できるマルチフォーマットレンズだ。Signature Zoomの4機種のうち、2機種がARRI祭で展示されたので紹介しよう。
■Signature Zoom 45-135mm T2.8
ARRI祭で実際に展示された1機種は、焦点距離45-135mmをカバーする45-135mm T2.8。本体はコンパクトで、長さは30cm、重量は3.7kgと軽量なのが特徴。フロント径は他のSignatureレンズと同じ114mmで、LDS-2メタデータに対応。最短撮影距離も特徴で、レンズ前面から約66cmでピントを合わせることができる。
■Signature Zoom 65-300mm T2.8
ARRI祭で展示されたもう1機種は、65-300mm T2.8。テレ側300mmのズームレンズでありながらも他の同じT2.8を実現。しかも、300mmと大口径でありながらもランピングがないのを特徴としている。重量は8.1kgで取っ手が付いているほど大柄だが、フロント径は156mmと前面はコンパクトだ。
65-300mmはボケ味も特徴で、ARRIはSignature Primeレンズシリーズの200mmや280mmのボケ味と比較しても比較しても遜色はないという。
■Signature Zoom Extender 1.7x
倍率が1.7のSignature Zoom Extender 1.7xが登場する。Signature Zoom 65-300mmとプライムレンズ最長焦点距離のSignature Prime 280mmの2機種に対応。65-300mmにExtender 1.7xを組み合わせると、焦点距離は110-510mm、T値は2.8から4.9に拡張される。Signature Prime 280mmにExtender 1.7xを組み合わせると、焦点距離は480mm、T値は4.9に拡張される。
なお、Extender 1.7xを使っても最短撮影距離は変化しない。ARRIは65-300mmのテレズームとエクステンダーを使って焦点距離を510mmに拡張しても、レンズ前面から1.3mの最短撮影距離が得られることをアピールしている。
■Signature Zoom 24-75mm T2.8
会場に実機はなかったが、ARRI Japanのカルロス・チュー氏登壇のセッションでは24-75mm T2.8の紹介も行われた。24-75mmは、1本で多様なシチュエーションに対応する万能レンズとしている。T値は2.8で、フロント径は114mm。レンズの重量は約4kgで、最短撮影距離もフロントレンズから約41cmと短いのも特徴だ。
近寄って撮影したい時にもレンズを交換しなくても良いように、最短撮影距離の性能については特にこだわって設計したという。
■Signature Zoom 16-32mm T2.8
広角ズームの16-32mm T2.8も登場する。多くのエレメントで構成され、高い性能を特徴とするという。
Signatureシリーズだけで12mmから510mmの焦点距離をカバー
Signatureシリーズは、16本の単焦点レンズ、4本のズームレンズ、1つのエクステンダーで構成され、焦点距離は12mmから510mmをカバーする。同一シリーズのみでこれだけの広い焦点距離をカバーできるのはSignatureシリーズだけであろう。
Signature Zoomの45-135mmと65-300mm、Extenderについては発売中とのことだ。
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