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今年のキヤノンがもっとも力を入れて展示していたのは、リモートカメラシステムだ。製品の展示だけではなく、ネットワークを通じてコントロールできるようになっていた。
展示していたリモートカメラは、2021年5月下旬に発売した「CR-N500」と、2021年6月中旬に発売した「CR-N300」。コントローラー「RC-IP100」も用意されており、ネットワーク経由でLAN経由での2機種のコントロールが可能。キヤノンの映像制作機器を制御する新開発のIP「XCプロトコル」によって稼働していた。
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CR-N500の特徴は、4K対応1.0型CMOSセンサー搭載で、CR-N300は4K対応1/2.3型CMOSセンサー搭載を特徴とする。2機種は、LANコネクターによるPoE+給電対応。LANケーブルでつながっていて、PoE給電ハブに接続しており、電源もハブから供給可能。
ユニークだったのが、XCプロトコルに対応するローランドのビデオスイッチャー「V-160HD」がセットされており、コントロールがスイッチャーから可能。さらにプリセットに関しても、V-160HDから操作が可能であることをデモした。
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その隣はNDIに対応したTriCaster対応のデモが行われていた。コントロールはこちらもネットワーク経由で制御可能。リモートカメラ側はNDIに対応しているので、映像はすべてNDI経由でもらっており、SDIではないネットワーク経由で伝送する形で動いていた。
操作もスイッチャーから可能で、NDIプロトコルを通じてパン・チルトが可能。CR-N500やCR-N300の2機種ともNDIを標準実装しており、スイッチャーとして連携も容易に可能なところもアピールしていた。
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キヤノンはもともと業務用ビデオカメラやネットワークカメラを手掛けていた経験があり、それらの技術とネットワーク化がうまく融合したリモートカメラが登場してきた感じだ。一般的な映像制作を行っている企業や学校、ブライダルなどの現場でも、気になりそうなリモートカメラシステムの登場といってよさそうだ。
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