思えば遠くにきたものだ。出国までに一苦労

到着から派手な歓迎ムード。ラスベガスの空港

3年ぶりに開催されるNAB Show 2022(以下、NAB2022)に再び参加することになりました。やはり展示会はその場所に行かないと生まれないことがあるなと昨年の展示会で再確認したからです。

しかしながらそれを超えるハードルはやや高く、ワクチン接種証明書、24時間以内の陰性証明書が必須です。幸い、北米の航空会社を利用したため、書類を一元化する「VeriFLYアプリ」のおかげで何もしないまま短時間で搭乗口に向かうことができました。

日本から渡航することが困難な数年でした。外から見るのと、そこで見ることは大きく違うことが多く、すでにラスベガスでのマスク着用率2割以下です。日常を取り戻している感はあります。NAB2022側での対策もバッチリでした。健康が証明され、初めてバッジが発行されるシステムに移行していました。

VERIFIEDのカードがなければ何人たりともNABのバッジはもらえない

いざNAB2022を覗いてみると…Westホールの推しの強さ

これまでのLVCCとはちがいジェームス・タレル様な採光がモダンな作り

LVCC(ラスベガスコンベンションセンター)に新ホールが誕生しました。Westホールは今年のCES2022でお披露目され、今回のNAB2022でもメインホールとして案内されています。屋外の大型広告はWestホール以外影を潜めてしまいました。会場構成も変化しています。今回は、「Central」、「North」に加えて新設の「West」の3つのホールで開催されます。NAB運営側も新コンセプトを掲げ、「CONNECT」「 INTELLIGENT CONTENT」 「CAPITALIZE」「 CREATE」と4つのカテゴリーでわかりやすい展示となっています。

Centralホールは、Sony、Canon、Panasonicなど定番メーカーが並ぶ中、新興勢力に差し込まれる形になっています。デザインや性能も良くなり、これぞ!と思う製品は中国企業だったりすることが多くなりました。中でも照明や、映像伝送関連の北米メーカーかなと思うぐらい見た目は北米企業風ですが、実は本社が深圳を中心とした中華企業が多いです。クオリティーも確かなものとなっています。

各社のブース規模もひと回り小さな感じがしますが、見て回るのにはちょうどいよい大きさに思えました(と言いつつも途方に広いですが…)。参加入場者数は前回よりも少ないと思われますが、確実に盛り上りと、新しいことの息吹を感じました。

クラウドで未来を描く

会場では特に「クラウド」というパワーワードが散見されます。クラウドを単に技術だとして捉えると早計かもしれませんが、Adobeが買収したFrame.ioの戦略である「Camera to Cloud」にも各社が賛同し、いよいよ映像制作の世界でもクラウドは定番となるようです。これは全ての始まりなのです。

かつての「テープメディア」から「ファイルベース」へ、そして「クラウド」へと時代がまた駒を進めるようです。Blackmagic Designと同じくクラウドを中心に未来を描こうとしています。コロナ禍によって世界的に鎖国状態であった2年間で機は熟した様です。

ただ一つ、機材は実態があるのですが、クラウドのようなソリューションは体験しないとその全貌が見えないという…。取材をする記者にはなかなか手強いものがあります。やはり未来には悩みがつきものなのでしょうか?円安とラスベガスの物価の高さも悩みの種です…。

もちろん食料は日本から持ち込み、これで凌ぎます