PRONEWS AWARD大賞、今年は該当なし
大晦日である。あと数時間で2023年も暮れようとしている。果たして2024年は映像業界にとって、どのような年になるのだろうか？やはり未来に思いを馳せてしまう。
改めて2023年を振り返ってみると、今年も数え切れないほどの新製品の発表があった。特に印象的だったのはOsmo Pocket 3のような小型カメラやREDからKOMODO-X、ソニーからBURANOのようなシネマカメラの登場。シネマカメラは2022年発売のARRI ALEXA 35の登場でいったん落ち着き、民生機に関してはどのカメラも十分な性能を備えつつあるという状況に達しつつある。2024年カメラはどのように進化してくのか？まったく予測不可能な状況だ。
凌駕するスマートフォンでの映像制作
そんな中でもiPhone 15 Proシリーズの登場は革命的だった。スマートフォンでありながらもProResまたはLogによる録画に対応し、USB-Cポートから外部SSDに記録可能。信じられないほどの進化を実現してきた。
10年以上前、スチルカメラのニコンD90やキヤノンEOS 5D Mark IIの動画撮影がシネマフィルムカメラの表現に匹敵という革命再びという感はある。ただ、まだこれまでのカメラと比較するものではないことや撮影手法そのものを変える存在ではないことから、今年のAWARD受賞には至らなかった。
この状況を踏まえ、2023年のPRONEWS AWARD大賞は、例年以上に頭を悩ませ、今回は“大賞該当なし”とした（改めてお断りしておくと、ソニーのα9 IIIとBURANOは2024年発売のために今年のPRONEWS AWARDノミネート外だ）。
ますます加速する映像の新技術。だからこの世界は面白い
2024年は何が話題になるだろうか。AppleからVision Proヘッドセットが発売。空間再現ビデオは映像制作業界にどのような影響を及ぼすのだろうか？2023年初頭にChatGPIの登場から始まった生成AIの進歩も著しい。画像だけではなく、映像の世界にも大きな影響を与えている。撮影した映像と見分けがつかなくなってきている。
ほかにも、進化を続けるLEDライト、撮影の自動化、クラウドプラットフォーム、映像制作業界はどこへ向かっているのか。来年を楽しみにしつつ2023年のPRONEWSを締めたいと思う。
