カメラやオーディオにまつわる周辺機器はどうだったのか?
アクセサリー部門では、主にカメラやオーディオにまつわる周辺機器を評価する。
この部門の目玉はカメラジンバルだ。ジンバル市場は、DJI、ZHIYUN、FeiyuTech、MOZAの4大メーカーが有名だが、今年はその中から小型・軽量を特徴とした「DJI RS 3 Mini」と「ZHIYUN CRANE-M 3S」が登場。「パワフルなRS 3 Mini対コンパクトで携帯性に優れたCRANE-M 3S」どちらも似た小型ジンバル仕様で、究極の選択が話題になった。
三脚に関しては、平和精機工業はTHシリーズの上位モデル「TH-V」を発表。Inter BEEの会場ではデュアルヘッド採用で品質も安定していると高い評価を得ていたが、2024年2月中旬発売のために本AWARDのノミネート外となった。同じくノミネート外だが、SmallRigやSIRUI、Ulanziからも三脚や雲台の発売が相次いだ。中国アクセサリーメーカーは、三脚・雲台でもブランドイメージを築き上げつつあるようだ。
アクセサリー部門のファイナリストは以下の通りだ。
DJI RS 3 Mini
発売日:2023年1月10日
希望小売価格:税込51,480円(DJI公式ストアの価格)
縦向き撮影時の重量は795gと軽量化を実現。DJI RS 3 Proとの比較では約50%、DJI RS 3との比較では約40%軽くなり、片手で楽に撮影が可能。0.4~2 kgの積載ペイロードに対応し、LUMIX S5シリーズやZ 8との組み合わせはレンズによってバランスが取れる。操作面では、1.4インチフルカラータッチ画面、ジンバルの3種類のフォローモードを切り替えられるMボタン、フォーカス調整を行えるフロントダイヤルを搭載し、片手だけで簡単に操作できるように設計されている。
Hollyland Solidcom C1 Pro
発売日:2023年3月
希望小売価格:税込102,300円(SOLIDCOM C1 Pro-2S 2人用の場合)
前モデルからのアップグレードとして、ノイズキャンセリング(ENC技術)とプッシュ・ツー・トーク(PTT)機能を搭載。高度なDECT 6.0技術、150Hz-7kHzの広帯域オーディオレンジ、2-9人の最大350mのLOS範囲、ベルトパックのない持ち運び便利な設計を特徴としている。音楽ライブハウス、スポーツイベント、ビデオ制作など大きな音を伴う環境下に対応し、Solidcom C1とも互換性があるため、ユーザーは既存のC1システムにProヘッドセットを追加して使用することもできる。
ZHIYUN CRANE-M 3S
発売日:2023年5月
「CRANE-M 3S」は、CRANE M3の後継機。旅行、ライブストリーミング、インタビューに最適としている。705gとコンパクトで、前モデルよりも主流のフルサイズカメラとレンズの組み合わせに高い耐荷重があるという。サイズは284.2mm(幅)×74.5mm(奥行)×163.5mm(高さ)で、モノトーンのプロフェッショナルな外観で、スタイリッシュな印象も特徴としている。Bluetoothシャッターを搭載し、ワンタッチでズームや録画ができるため、複雑なケーブル接続なしで、簡単に撮影できる。さらに、カメラ機種ごとにカスタマイズされたプレート付き2in1クイックリリースにより、カメラの組み立てや分解をせずに、主なカメラのバッテリー交換可能としている。
Tilta Nucleus Nano II
発売日:2023年9月
希望小売価格:税込49,940円(Tilta公式ストアの価格)
Nucleusの小型シリーズである前機種Nucleus-Nano(WLC-T04)の発売から約6年。満を持してのアップグレード版登場。目玉は、大型1.6型タッチスクリーンで、ほぼ全ての機能を集約しコントロール可能。前モデルは、小型でフォーカス操作のみのシンプルな設計だったのに対し、円形タッチスクリーンを搭載し、全ての設定を指一本で操作できるように集約してきた。現状ではフォローフォーカスとしての基本的な機能に加え、カメラの制御、ファームウェアのワイヤレスアップデートが行える。
RØDE Wireless PRO
発売日:2023年10月27日
希望小売価格:税込68,200円
最長260m(見通し)の伝送距離、32bit floatで記録可能な40時間以上のオンボード録音、タイムコード出力による音声と映像のシームレスな同期、ラベリアマイク用端子にロック式コネクタを採用するなど、高音質な録音だけでなく、柔軟かつ信頼性の高い制作フローを求められるプロフェッショナルな現場で活躍するという。また、常に最適な音量へ自動調整するゲインアシスト機能も搭載しており、細かいゲイン調整をすることなく、誰でも簡単に聞き取りやすい音声を録音したり、リアルタイムで配信へ載せることも可能。コンパクトなボディに多数の機能が詰め込まれた「Wireless PRO」は、映像制作の現場に新たな可能性をもたらすという。
Accsoon CineView Nano
発売日:2023年10月
約150mの範囲を備えた小型HDMIワイヤレストランスミッター。最新のミラーレスカメラ用に設計されており、5GHzの周波数でiPhone、iPad、一部のAndroidスマートフォンやタブレットに接続可能。無料のAccsoon SEEアプリと組み合わせると、携帯電話やタブレットがフル機能のHDモニターおよびストリーミングソリューションに変化するという。すでに所有しているスマートフォンのモニターを利用できるため、「CineView Nano」はバッグに詰めてもスペースをとらず、旅行に最適としている。
Apple MacBook Pro M3
発売日:2023年11月7日
希望小売価格:14インチモデルは税込248,800円、16インチモデルは税込398,800円より
新しいMacBook Proのラインナップは、M3チップファミリーのM3、M3 Pro、M3 Maxを搭載。次世代のGPUアーキテクチャとより高速なCPUを備えたM3ファミリーにより、さらに優れたパフォーマンスと新しい機能をもたらすという。最上位クラスのM3 Maxを搭載したMacBook Proは、限界を押し広げるパフォーマンスと機能を提供する。機械学習のプログラマー、3Dアーティスト、ビデオ編集者といったユーザー向けに、複数のプロ向けアプリにまたがるワークフローとマルチタスクを実現するとしている。
ATOMOS NINJA /NINJA ULTR
発売日:2023年11月7日
希望小売価格:NINJA 税込104,500円/NINJA ULTRA 税込141,900円
全面的に刷新されたオペレーティング・システム「AtomOS 11」を搭載。AtomOS 11用に最適化されたハードウェア性能により、よりクリーンでフレッシュ、そして高速になったという。また、ELゾーン露光を参照したカラー画像、ARRIフォールスカラー、新スケジュール再生&録画機能など、多くの新機能も搭載。両モデルとも特徴的な「カモ」カラーのポリカーボネートボディを採用し、より多くのコーデックを標準搭載。6K ProRes RAW、ProRes、DNxHDに加え、これまでは有償オプションだったH.265も標準搭載した。
以下がカメラ部門のノミネート製品となる。
■PRONEWS AWARD 2023 アクセサリー部門 ファイナリスト
- DJI RS 3 Mini
- Hollyland Solidcom C1 Pro
- ZHIYUN CRANE-M 3S
- Tilta Nucleus Nano II
- RØDE Wireless PRO
- Accsoon CineView Nano
- Apple MacBook Pro M3
- ATOMOS NINJA/NINJA ULTR
はたして何が受賞するのか…?いよいよ発表!
PRONEWS AWARD 2023 アクセサリー部門 ゴールド賞
Hollyland Solidcom C1 Pro
壁越しや距離があっても会話できて、ストレスフリーでコミュニケーションが可能になる。連携の円滑化で映像制作のクオリティ向上に寄与できる面を評価してゴールド賞とした。
PRONEWS AWARD 2022年「音声機材部門」で「Solidcom C1」のゴールド賞に続き、2年連続の受賞となる。今年発売したPro版ではノイズキャンセリング機能を搭載し、雑音の多いライブ会場などでも聞き取りやすくなっている。マルチカメラ撮影の現場の連携に、Solidcom C1 Proは必須と言っても過言ではないぐらいだろう。
PRONEWS AWARD 2023 アクセサリー部門 シルバー賞
RØDE Wireless PRO
「買い」のワイヤレスマイクが登場してきた。32bitフロート収録、各送信機に32GB内部メモリ、タイムコード出力、ケーブルの脱落を防ぐロック式コネクタを搭載して、ラベリアマイク2本セットで税込68,200円。コンパクトなボディに多数の機能を詰め込んでお手頃価格を実現してきた点を評価して、シルバー賞とした。
マイク収録の流れを一気に変える32bitフロート収録を搭載したことで、心が楽になったというスタッフは多いはずだ。細かい話になるが、ロック式のコネクタも素晴らしい改善だ。マイクをしっかりと固定することができ、使用中に誤って抜ける心配をなくしてくれる点でも評価となった。