シンガポールのLabel Broadcast社は、東南アジア地域の放送局やコンテンツ配信事業者に対し、ライブストリーミング、リモートプロダクション、IP映像伝送などのサービスを提供している。

同社は、2023年10月に開催された国際サッカー選手権予選のシンガポール対グアム戦において、エンコードとデコードに対応する「Matrox Monarch EDGE S1」を採用し、SRTを用いた試合映像のリアルタイムIP伝送によるリモートプロダクション(REMI)を実現した。

Matrox Monarch EDGE S1について Matrox Monarch EDGE
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最新の配信環境に最適化された4K/マルチHD配信およびリモートプロダクション向けのエンコーダー・デコーダー両対応オールインワンモデルである。

H.264エンコーダーは汎用性が高く、様々な環境に対応する。異なる機器間における相互運用の安定性という点で、最良の選択肢となる。

4Kの映像配信やマルチカメラ配信、リモートプロダクションなど、多くの用途で活用できる。

Matrox Monarch EDGE S1の導入とメリット

Label Broadcast社は「Monarch EDGE S1」を活用して、トランスコーディングやレコーディングを含むリモートプロダクションおよびIPコントリビューションを実現し、顧客のニーズに応えている。

同社の顧客は、各国のコンテンツを地域のユーザーに提供することで、視聴者層の拡大とコンテンツの充実を図っている。Label Broadcast社が提供するリモートプロダクションおよびIPコントリビューション技術は、これらの配信を可能にし、コスト面でもサポートしている。その結果、放送局やコンテンツプロバイダーは、リアルタイムで高品質な映像を配信し、視聴者体験の向上を実現している。

Matrox Monarch EDGE S1導入の成果

  • 効率化とコスト削減: リモートプロダクションとIPコントリビューションにより、ワークフローの効率化と運営コストの削減を実現
  • 高品質な映像配信: 「Monarch EDGE S1」の高性能なエンコーディング技術により、リアルタイムでの高品質な映像配信が可能
  • 柔軟性: リモートプロダクションの柔軟性を最大限に引き出し、様々なコンテンツ配信ニーズに応える

高品質かつ低遅延の映像配信と機材・コストのスリム化を両立

国際サッカー選手権の予選試合 シンガポール対グアムにおいて、放送事業者はBroadcast社に対して、手頃な価格で高品質かつリアルタイムな配信を実現できるソリューションを求めていた。同社はこれに応えるために、メインおよびバックアップ用の「Monarch EDGE S1」を採用し、SRTを使用して2つの高品質かつ低遅延のプログラム映像信号をリアルタイムで送信した。

さらに、Label Broadcast社はシンガポールサッカー協会からも、試合映像を分析、ホスティング、およびアーカイブするための映像提供を求められていた。この要望に対しても、「Monarch EDGEシリーズ」の内部録画機能を活用すれば、追加の録画機器を準備せずとも、映像データの提供が直接行える。この機能により、結果として制作現場の機材を減らし、制作予算の削減にも貢献した。

「Monarch EDGEシリーズ」は安定した映像伝送と内部録画機能により、現場の機材を減らし、コスト削減にも貢献する。

ブロードキャスト向けのeスポーツ配信を実現

Label Broadcast社は、eスポーツ分野への展開も進めている。2022年には、東南アジアにおける視聴者の拡大を目指すeスポーツ大会「Astro eGG Network E1チャンピオンシップトーナメントシリーズ」において、プロダクションサービスを提供した。

大会主催者側から、放送局に映像信号を送信するよう依頼があり、これを実現するために「Monarch EDGEシリーズ」のインターレースビデオ対応を活かして、プログレッシブビデオをインターレース形式に変換するストリーミングおよびトランスコーディングのワークフローを構築した。これにより、ブロードキャスト環境に適したeスポーツの配信が可能となった。

Label Broadcast社は、リモートプロダクション技術の導入により、以前はアクセスできなかった地域のスポーツやその他のコンテンツに対して、新たな市場と視聴者にリーチしている。Matrox Videoの信頼性の高いSRT対応「Monarch EDGEシリーズ」を駆使し、顧客のビジネス成長を支援。これにより、顧客はコスト効率の良い運営を実現し、新しい視聴者層を獲得することが可能となった。

Label Broadcast社について

Label Broadcast社は2021年、映像伝送技術のスペシャリストであるドニー・チャン氏によりシンガポールで設立された。
同社は、東南アジア地域の放送局やコンテンツプロバイダー(Discovery、Astro、Eazie TV、Reddentes Sports、NoonTalk Mediaなど)に対し、ライブストリーミング、リモートプロダクション、映像処理、IP映像伝送、ビデオホスティングなどのサービスを提供している。
さらに、同社はSRTアライアンスの創設メンバーでもあり、低遅延で安全なIPストリーミング技術の発展に貢献している。