txt:茂出木謙太郎 構成:編集部

「Vカツ」で思い通りのキャラクターを!

8月になって、IVRから「Vカツ」というソフトウェアがリリースされた。バーチャルキャラクターに興味がある人はすでに試された人も多いだろう。

VカツはSTEAMから無料でダウンロード可能。テンプレートで様々なパーツが用意されていて、実に細かいところまで配慮されているので、かなり思い通りに好みのキャラクターを作ることができる。一般公開10日かからずに20,000ダウンロードということで、こうして原稿を書いている間にも、どんどんパーツが追加され、テンプレートも増えている。その注目の高さにも納得がいくというもの。

キャラクターメイク画面を表示すると、デフォルトで用意されたキャラクターが表示される。このままカスタマイズしていってもよいし、ほかに用意されているキャラクターから、イメージしているキャラクターに近いものから作ってもよい。

タイトルのキャラクターは、筆者が一時間ぐらいかけて作った初めてのキャラクター。特に難しい説明を見なくても、ゲームでキャラクター設定をしたことがあるくらいのスキルがあれば、これくらいは簡単にできてしまうのである。さらに、制作したキャラクターは、VRルームで実際に動かすことができる。VRの機器を持っていなくとも、PCに接続したカメラがあれば表情を試すことも可能。

VRルームの中で、さらに自分を小型化したフィギュアを使って着せ替えを楽しむこともできる。実際のデスクトップと異なるが、この状態で目の前にはたくさんのパレットが表示されていて、目などの表情を変えたり、服装を変えたりして楽しむことができる。このままこの部屋から配信してもよさそうだ。

そこで、前回ご紹介したたまご学園のキャラクターたちが、「自分が人間になったら!」をテーマにキャラクターを作ってみた。それぞれかなり個性的なキャラクターが出来上がって、なるほどテンプレートがあってもこれだけバリエーションに富んだデザインになるのだなと、アプリの実力と人のイマジネーションに感動さえ覚える。

実際に制作している動画

実際に制作している動画をYouTubeにアップしているのでもしよければ是非見てほしい。PCなんてほとんど触らない彼女たちが、いとも簡単に使い方を覚えてキャラクターを作っていく様子がとてもよくわかると思う。

これらの作成したモデルは、有償でVRM(VR向け3Dアバターファイルフォーマット)に出力が可能。これにより、バーチャルキャスト、ニコニ立体などに自分の作ったモデルで参加することができる。VR上に美男美女が山ほど誕生することになりそう。

VRMで出力すると、印象が少し変わってしまうのは仕方がないのかもしれない。また、デフォルトでついてくる表情の数も限定されてしまうのが残念。これは、今回書き出していただいたデータと、表情のバリエーションのアップデートが間に合っていないからかもしれないので、実際にサービスが始まったらよくなるかもしれない。

書き出したVRMデータをUNITYなどで読み込んで、FinalIKやIKinemaなどでセンサーと連動させることで、自分で自由に動かすことができるようになる。実際に、VRMで出力したデータを基に、ライブ配信を行ってみたので、ぜひこちらもご覧いただきたい。

山田がたまご学園からナマたまご配信!

これは、FInalIKを使ったトラッキングで、頭・腰・手・足にセンサーを付けている。事情があって実際に撮影している風景をお見せすることはできないので、イベントに似たシステムで展示したときの写真でイメージしてほしい。ちなみにこの時に中の人をしているのはアメリカザリガニの平井さん。思いのほかかわいい動きをしていたので好評だった。

この透明スクリーンについては、また紹介予定なのでそれまで楽しみにしていてほしい。

WRITER PROFILE

茂出木謙太郎

茂出木謙太郎

株式会社キッズプレート代表。「楽しいInternetコンテンツ」をテーマに活動。現在VRの可能性をまさぐり中。CG-ARTS協会会員