雲1つない晴天の夏の日、じりじりと肌を焦がす太陽光線に勝負を挑みたい衝動に駆られ、わざわざベランダにMacを持ち出して仕事する私のチャレンジングスピリットは異常気象の成せる技でしょうか?
それはさておき先日、映像系のセミナーで司会をして参りました。主賓はこのコラムでも何度も紹介している映像クリエイター、ELECROTNIK。 After Effectsの使用事例を紹介する講師としてELECROTNIKさんが招かれ、彼らのご指名で(自慢)ナビゲーターとしての大役を仰せつかり、大変光栄な気持でご一緒させて頂いた次第です。その際、過去作品より時系列で紹介してまいりましたが、 と、いうわけで今回もアーティストにフォーカスします!
まずは、初めて作ったMV。2001年のm-flo「PRISM」。
m-flo「PRISM」
グラフィックデザインからキャリアを始めた2人が、3DCGを手がけるようになった理由は「その時いちばん新しい表現が3DCGだったから」。シンプルかつ明解。当時は所属していた制作会社にある、UNIXの3DCG機材と人材を駆使して作品を作られたそうです。
次第に興味は実写へと移り、STATION IDやCM、MVなど、あらゆる媒体で実験的かつハイクオリティーな映像表現を試みるようになります。
HIFANA 「hifana.com」
NIKE×横浜マリノス
口ロロ「GOLDEN KING」MV
MVでは、実写とCGとモーショングラフィックスとアニメーションを分け隔てなく取り入れた、リアルとファンタジーを渾然一体とさせる世界感を表現。美術を手動で移動させつつ、箱庭と人物ショットを合成して不思議なパース感をつけた画と並べてみたりと、遊び心のある技が炸裂しております。
ego-wrappin’ 「天国と白いピエロ」
RIZE 「Live or Die」
RIZE「KAMI」
https://www.youtube.com/watch?v=eq9UwLj8eAk (埋め込み無効)怒濤の合成によるハイテンションなモーショングラフィックスもお手のもの。
UZUMAKI feat.JESSE(RIZE)「 RUSH」
羅志祥 & 倖田來未 – Twinkle
(こちらは台湾放映バージョンですので、字幕などは作品の1部ではありません)また、力強いパフォーマンスのパッションを信じた、実写のみのアツい作品も手がけています。ELECROTNIKさん曰く「引き算」を意識した作品です。
iLL / r.o.c.k.
DOPING PANDA – majestic trancer feat.VERBAL(m-flo)]
そして最後は近作2点。まずは、アスキーアートとモーショングラフィックスを融合させた超ハイセンスなビジュアルから演奏シーンへなだれ込むこの作品。こちらはティーザーですので演奏シーンのみですが、全編見たい方はHIFANA「24H」を買ってね。
HIFANA「甘いメロディー feat. TWIGY -teaser-」
そして最後はDREAMS COME TRUEの出演するポカリスエットのCM。こちらも、ポップながらもエッジの効いたエキスがあちらこちらに出ております。
ポカリスエットCM|ドリ×ポカリ篇
こうして見てみると、本当に様々な、というか、ありとあらゆる方法論にがちんこ勝負を挑んで来た偉大なる歴史が紐解かれますね。どのような手法を用いても、圧倒的に優れているのは「音感に呼応するビジュアルの表現力」。カメラワークや手動で動かす美術、合成で動かす素材、パフォーマーの動作によって産まれる時空間のグルーブを自由自在に操っている。今後はELECROTNIKさんのことを「時空間の猛獣使い」と形容したいと思います。
セミナー自体は、技術より演出をメインに行ったため、技術的な内容を聞きたい参加者におかれましては不満を感じたことと存じます。ただし「ソフトや機材はあくまでもツール、新しいものを試したいという理由では作品を作る動機にはならず、あくまでも素晴らしい表現に挑むためにそれらツールを使うのだ」というELECROTNIKさんの日頃の姿勢をくみ、演出面・表現の主旨をメインにお届けしたことは大正解であると、手前味噌ではありますが、考えておる次第でっす!
ELECROTNIKのさらなる活躍、心から!お祈りして申し上げております!