txt:猪蔵(PRONEWS)
映像に関する幾つかの疑問…。
ふと日常に目をやると映像がいくつもの場所に点在する。311以降明るい話を聞かず、停滞感は否めない。しかしながら映像制作について明るい未来はあるのだろうか?
どうやら映像制作についても大きく様変わりを見せている。筆者が映像を応援する立場で映像専門雑誌編集の仕事に就いた頃は、ミュージックビデオを作りたいと目を輝かせていたクリエイターと多く出会った。現在その一線で活躍する人々ばかりである。しかし現在若い人々に話を聞くと映像ではなく、インタラクティブであるメディアアートの方に挑戦したいという。時代である。
映像を作り上げるには多くの時間がかかるし、レギュレーションも多い。しかしながらクリエイティブの叡智だと思っている。映像といえども、映画、テレビ、ミュージックビデオ、ゲーム、多くのカテゴリーが存在する。その視聴場所では携帯電話など場所を問わなくなって来た。考えてみれば映像はいつでも手法や見せ方が変容して来たメディアだ。映像に関する制作方法や鑑賞方法もテンポラリーでしかない。技術革新は凄まじく進化の一途をたどる。3D、ファイルベース、デジタル一眼動画、プロジェクションマッピング、ライブ配信など。映像を取り巻く現状は、もちろん良い話はないわけではない。制作単価は下がる事も忘れてはならない。映像に関するトレンドをキャッチアップしなければ行けない要素は多種多様だ。もちろん煩雑である事も言うまでもない。
そんな2011年の晩夏。ふと広義に「映像」について考えてみたくなった。できるだけ映像の新領域に関わる人に話は聞けないものかと、今回は、元広告雑誌編集長、ビデオブログ活躍中の映像作家、CM制作からライブ配信へシフト、最先端映像分野のAR(拡張現実)で活躍する人、現役映像ジャーナリスト、誰よりもはやく世界から先端映像を見つけてくる目利き、テレビ番組制作者、ふだんPRONEWSには馴染みのない方にも御登壇頂いた。映像の活躍する場所が多岐に渡るのであれば、その多岐に渡る場所から話を聞いてみたいと思ったのだ。これが映像に関する試金石にはなるかわからないが、2011年の夏の終わりに、あらためて「映像」に関わるものとして「映像」について考え、新解釈を探る事にした。