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JVCケンウッドの小型・軽量なスポーツカム”ADIXXION”GC-XA1

アクションカメラ

数年前まで仕込み系のカメラは完全に特機扱い。その価格も100万円ぐらいで簡単には手が出せない代物で、レンタルさえ躊躇していたものだった。その均衡を崩したのがSONY HXR-MC1(通称:まめカムHD)だ。このカメラはバラエティー番組を皮切りに大ヒットした名機である。価格も20万円そこそこでレンズコントロールも出来、更にヘッド部分は生活防水対応。筆者もMC1は即買いしていた。

初代GoProもMC1に遅れること数ヶ月程度だったが標準でもワイドの効くレンズとその価格から仕込み系のカメラとしての座は完全に独占したと言っても良い。ハウジングが無いと何も出来ないことや、その真四角な形からスポーツカムとしては使いにくいことも確かだが、それでも他にこの様なカメラがなかったので特にアクション系スポーツではGoProを使うしかなかった。そんな中、いきなりJVCからスポーツカム GC-XA1が発売されることになり、テストする機会を得た。

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Wi-Fiを使ってスマートフォンで画角チェックと簡単にコントロール出来る。

これは使いやすい!

GC-XA1の一番の特徴は本体のLCD装備とWi-Fiを使ってコントロールを出来ると言うことだ。GoProもオプションでLCD実装可能だが、そのおかげで更に大きく、重くなり、セットアップの制限にもつながる。GC-XA1はその辺の部分を見事に解消してくれている。では簡単にその性能を見てみよう。さすがに日本製品ということだけあってメニューの作りもわかりやすい。簡単なセットアップなら特に取り説を見なくても出来る。

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左:GC-XA1 右:GoPro2

解像度的には1080/30p、960/30p、720/60p、720/30p、更にWVGAサイズがあり、この辺はGoProと同じく解像度によって画角が変わってくる。ちなみに1080pで約85°720pで約128°となっている。これだけ見ると「なんだGoProより狭いのか」と思われるが、広すぎて湾曲してしまう映像より自然に見える画角の方が、例えば筆者が使う用途(MTB等)では速度感もしっかり出て使いやすい。

更にもう一つの特徴はカメラに手振れ補正を搭載したことだろう。ヘルメットに付ける分にはこの機能は大して必要ないかも知れないが、MTBや車にダイレクトマウント時にその恩恵を実感できる。さらにWi-Fiを使ってスマートフォンに接続できる。これは自分でアクションライドを撮る方なら解るが自分の目線方向にピッタリ合わせるには最高に使い勝手が良い。この部分はどうしても他人に手伝ってもらうより自分でセットした方が映像的にも良い。

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この画像でその大きさが解るはず。左からGC-XA1・GoPro2・MC1

アクションカメラとしてのGC-XA1

結論から言ってしまうと十分にアリだろう。とにかくその小さな筐体は、最大の武器だ。搭載する場所(セットアップ)を全く選ぶ事がない。GoProも他のカメラに比べれば小さいとされていたが、この様に並べてみると明らかに大きく感じる。この違いはダイレクトマウントよりもヘルメットマウントした時に大きく出る。特に目線に合わせて横に付けたときは、バランスを取るためにも反対側に同量の重さを積むのがセオリーだが、そこでの数十グラムは激しいアクションには厳しく感じる事もあるからだ。

まずはMTBに3台のスポーツカメラをセットして各々の画角と画質をチェックしてみた。ココで感じたのは画角の違い。MC1は標準レンズでは流石に話にならないので0.5倍ワイコンを付けているが、それでもやはり狭く感じる。しかし128°のGC-XA1と170°のGoProではその差をあまり感じる事は出来ない。

逆に手振れ補正を入れて画角が狭くなったとしても、振動で見えなかった物が見えると言う部分はやっぱり大きい。このカメラの面白いところは、静止画として1枚を切り出して比較すると若干甘めに見える映像でも動画として再生するとしっかり見えてくるのが面白い。また大きさを活かしてMTBのリアにこの様にも付ける事が出来る。漕いでいるクランクを通して前方が見えるのはなかなか臨場感があって個人的には好きだ。

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こんな事が出来るのも、その筐体の小ささと防水仕様のおかげだ。地面に近い設置場所だとちょっとした水たまりや朝露でも濡れてしまうのだが、その心配を全く感じさせる事が無くどこにでも取り付けられるのは本当に楽で良い。逆にもっとローアングルに取り付けて草の間を通したい位だ。

車に載せてみた

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さて、もう一つのテストはこの手のカメラの王道とも言える自動車への車載である。GoProがココまで日本でメジャーになったのは、やはり車載時に広く撮れるからだ。しかしGoProの170°という広すぎる映像はリアルなスピード感が無くなってしまうため、逆にナローセッティング(127°)で撮った方が良い位。と言う事は、GC-XA1はまさにピッタリ、という事になる。

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実際筆者も試してみたが、コンパクトな筐体故にどこに取り付けても違和感が無いし、手の届かないところにセットしてもWi-Fiによるコントロールで間違いなく動作させる事が出来る。ココでチョットだけWi-Fiについて説明すると、同じネットワーク内にあるPCやスマホにリンクする方法と、ダイレクトに繋ぐ方法(iPhone・iPad)がある。どちらも設定してから暫くタイムラグがあるので注意が必要だろう。

ちなみに取り付け位置とその画角は以下のような感じになる。フロントウィンドートップに取り付けた映像はまさにカーレースゲームのそれに似ている(実際の走行時にはワイヤーを予備に掛けてある)。

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ロールバーにサイドマウント


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フロントトップへのマウント

総評

まずは「買い」なカメラという認識で良いと思う。価格と大きさ、画質を考えてみてもコストパフォーマンスは確実に高い。売値にしても大体3万を切る価格なので、万一無理をして壊れても、そんなに心のダメージは大きくないのでは?どうしても広角なサイズが欲しいと言う方ならGoProが良いが、アクションカメラとしての映像を撮りたいなら間違いなくGC-XA1がお勧め。

勘の良い方なら気づいているかも知れないがWi-Fi搭載と言う事はAP(アクセスポイント)経由でUstream等ライブ配信できないのか?もちろん出来る!モバイルWi-Fiルーターがあれば最小セットで中継車輌も構築可能だ。後発の強みか、基本的な性能を上手く詰め込んであり使い勝手が良い。確かに最大広角度や3D機能と言う面で見ればGoProが一歩リードしているかも知れない。しかしその部分は今後幾らでもソフトウェアのバージョンアップで改善出来る範囲に感じている。まずは手にとって実物を見る事をお勧めする。そうすればGC-XA1の使い方が自ずと思い浮かぶはずだ。

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この様な大量の雨水でも防水機能のおかげで問題ない

WRITER PROFILE

岡英史

岡英史

モータースポーツを経てビデオグラファーへと転身。ミドルレンジをキーワードに舞台撮影及びVP製作、最近ではLIVE収録やフォトグラファーの顔も持つ。