最強ハンドヘルドはPXW-X180!

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PXW-X180

もうこのカメラに関しては嫌と言うほど色んな所で情報が出ている。NABを皮切りに可変NDが盛り上り、あの時はSONYさんに無理言って最終日の撤収間際にケースから出した個体を見せてもらった。

まだまだ未完成というそのカメラを目の前に「コレは凄い」と実感し、それをお伝えすることが出来たと思っているが、そこからが早かった。とにかくこのカメラ、メディアや一般露出させるのが上手く、筆者が見た回数でもSONY内覧会や取材を除いても、NAB・KOBA・QBEE・ショップデモ・SONYセミナーと5回以上は目にした。その中で話題の可変NDはもうこのカメラの代名詞と言っても良いくらい注目のポイントだ。

既に大御所ジャーナリストである、スイッチャー侍こと小寺氏による詳細な動画レポートもアップされている。カメラ全部よりもごく一部の機能だけがここまで取り上げられたカメラは今まで無かったかも知れない(笑)。もちろん全体を見ても素晴らしいカメラである事は言うまでもない。今回はこのカメラを取り上げて行こうと思う。

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スイッチ廻りはもはやお馴染みのスタイル

可変NDシステムだけでも価値がある

簡単に言うと液晶ガラスの電圧を変化させる事でガラス面の透過率を変えてNDガラスの代わりにするという機能。このシステムの素晴らしいところは深度を変えずに明るさを変更できるという部分に尽きる。今までフィルターワークをしてるシネマ等の方々には当たり前の事がこのシステムにより誰でも簡単に体験できる。被写界深度のコントロールというのを勉強することが出来るのはすばらしい。

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最小単位は0では無く1/4からのスタートとなりNDオフの状態からバリアブルには出来ない。NDフィルターをONにする必要がある。

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最小単位は1/4、そこから1Stepずつ1/128まで可変する事が出来る

その基本性能は?

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あまりにも重宝しすぎる可変NDが全面に出てしまってるX180だが、もちろんその基本性能もSONYらしく素晴らしい事は言うまでもない。

逆にSONYらしくないのはマルチフォーマット収録が出来るカメラだと言うことだ。XAVC-Iは勿論、新しいフォーマットのXAVC-Lを含めてAVCHDやSDのDVCAMも収録が可能、ボディー後部右側のスロットはプロキシ収録が可能。プロキシと言え1280×720PのHDサイズで収録できるので、ブライダル等での撮って出しの現場では全く問題なく投入出来る。もちろんSDサイズで収録し現場からグローバル回線等でプロキシを先に送ってもらい、後で元のHDファイルと入れ替えると言うワークフローも可能だ。

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マルチインターフェースシュー経由でのコントロールにも対応するバッテリーLEDライトHVL-LBPC

感度はF9、S/N60dBは既に少し前の放送用ショルダーカメラのスペックを凌駕している。またレンズはワイド端26mmからの光学25倍ズームが可能、その為にレンズ前玉は82mmとハンディカムスタイルでは最大の大きさになる。尚ワイコンに関しては巨大になりすぎるのと26mmスタートと言う事で用意はされてない。

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マルチシューは今の所ワイヤレスレシーバーとビデオライトのコントロールのみ

悩みどころはあるのか?

数回本番にて使ってみた上でのブラッシュアップして欲しい部分がある。ズームリング追従性だ。素早い操作でズームリングの往復をすると少し前の電気式ズームの様にタイムラグが発生する。

これだけレンズが大きくて倍率が大きいので、ある程度しょうがないのは理解できる。バラエティや報道のようにバシッっとリングを廻す現場では、少しクセを掴む必要がある(※TEST機材は発売前のモデルなので生産モデルは更にチューニングが進んでいると思われる)。そして重さ。バッテリーを含めた運用時の重量は3kgを越えてしまう。既に展示会で触った方のコメントで「重すぎる」と言うのも見かけたが、NX5にワイコンを付けた物ならその重量はさほど変わらない。試しに目隠しして、2機種を持ってもらったところ、ほとんどの方がX180の方が軽く感じたと言っている。これは重量バランスの賜だろう。

Dカメの決定版登場 PXW-X70

SONY DSC

さて、もう一台同時に発表されたカメラを紹介しよう。ディレクターカメラと言えばHDV機種でA1Jと言う名機がある。その実力は、いまだ地方局では現役に使われているくらいだ。このカメラの良いところは小型軽量で操作性が非常に簡単である。それに加えマニュアル操作がそこそこ出来てしまうと言う部分だ。

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バックアップ収録可能なWスロット

SONYからも色々なDカメが登場して来たが、どれもコレも今一しっくり来なかった。確かに性能は素晴らしい物ばかりで、空間手振れ補正付きのNX30は大きさも踏まえて非常に良かったが、やはり何かが違った。それは現場に持って行った時のプロ機的な雰囲気かも知れない…。では、そのしっくりするDカメは何か?それがPXW-X70である。

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ハンドル部分もいつものデザインだ

現場での持ち込み

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三脚+スライダー(ALLEX S kit)+カメラでも山に持ち込むことが可能

どんな現場でも使えるが、今回はMTBでのVP制作でのロケハンという仮定で使ってみた。被写体と共に自分自身もMTBで山の中に入るのでこの大きさは非常に助かる。三脚もカメラに合わせて小型の物を使うが、余り小さすぎても三脚に載せた時の安定感が厳しい。

更に4:2:2-10bitを収録できるのでロケハンを終了してイメージをスタッフで共有する際に、在る程度まではグレーディングが出来るので更にイメージが掴みやすいはず。引き尻が最近のカメラにしては少ないが、ロケハン使用なら全く問題はない。何故なら本番映像はそれに見合ったレンズを持って行けば良いだけだからだ。

その代わり、テレ側は超解像度ズーム+デジタルテレコンを使えば48倍まで寄る事が出来る。今回も林の中を突き抜けるようなイメージでこの高倍率ズームのお陰で良いアングルを抜くことが出来た。更にスロー&クイックも搭載している為に画に変化を付けることも簡単だ。

総評

■PXW-X180

バリアブルND+ワイド端26mmからの25倍ズームは当に撮影場所を選ばない。重量が気になる方も居ると思うが基本は三脚主体の撮影スタイルなら全く気にならない。何よりも第4のコントロールとしての可変NDは新しいワークが出来る。

■PXW-X70

暫くDカメはコレだけで良いだろう。SDIアウトも付いているのでスイッチャーに入れるという考えも出てくるが、このカメラはそう言う使い方よりもしっかりとロケハンをして本撮影への準備を確実にイメージ良く出来るカメラとしてが正しい使い方だと思う。

また両機種ともXAVCを含むマルチフォーマットは後のワークフローを選ばずに最適な物を選択できる。結果制作工程の時間短縮も視野にはいるだろう。SONYにしては珍しく多機能を凝縮したカメラを登場させたと感じている。更にこのXシリーズはIBCでも新機種が出てきている。可変NDも含めて新しいワークが出来るのかも知れない。

直前ですが、9月26日に品川のSONY本社にて行われるPXW-X70のセミナーで少し喋らせて頂くので、時間に都合が付けば来て頂ければ幸いだ。今回のロケを中心にPXW-X70のワークの可能性を含めてのセミナーを展開できればと思っています!

WRITER PROFILE

岡英史

岡英史

モータースポーツを経てビデオグラファーへと転身。ミドルレンジをキーワードに舞台撮影及びVP製作、最近ではLIVE収録やフォトグラファーの顔も持つ。