txt:茂出木謙太郎 構成:編集部
市場に出揃ったVR/360°動画機材たち
10月、11月はQBiC Panorama Xにはじまり、RICOH THETA S、Kodak PIXPRO SP360 4Kと安価に入手できるパノラマカメラのリリースラッシュでした。Webサイトにはさっそくレビューもあちこちで上がっておりまして、私も一通り入手して撮影してみました。
RICOH THETA S
PIXPRO SP360 4K
使い勝手に関しては、やはり一体型カメラの強みからTHETAが一番簡単です。SP360 4Kもアプリと連動、こちらはアプリをインストールしたスマホだけでなく、同様にアプリをインストールしたPCからコントロールできるので画面確認などの面でも心強いです。ただし、一台だけだと半球状態。完全な360°の動画撮影には追加購入が必要です。
QBiC Panorama X
QBiC Panorama Xは販売ラッシュの最初に出た製品。カメラ4台をリグでつないで360°撮影を行います。発売前にリリースしたアプリを利用して撮影する必要があり、このアプリから一度に4台の設定を無線連動で行うことができます。先行優位ではあったのですが、カメラが4台という点が逆に動画のスティッチや詳細設定の手間などの面倒が難点になってしまったこと、動画公開用のプラットフォーム戦略に乗り遅れたことでちょっと後手に回ってしまった感があります。
そのプラットフォームですが、YouTubeやFacebookでのVRムービーの再生がかなり本格的に始まりました。プロモーションでの活用事例も増えてきたこともあり、投稿数も徐々に伸びてきているように感じます。前述のTHETAや、SP360 4Kは、アプリから直接サイトにアップすることが可能なので、気軽に投稿することができます。
たとえばSP360 4Kは、撮影した動画をPCにダウンロードし、YouTube用に動画の書き出しを行うと、自動でYouTubeへの投稿ウィンドウが表示されます。YouTubeのアカウントIDでログインし、タイトルと説明を入力すれば、もう360°動画をアップできる。これまでYouTubeにVR/360°動画をアップするには、別途特別なタグを動画に記述する必要があったため、ここまで簡単にアップできる様になったことは非常に嬉しい事なのです。
YouTubeや、Facebook上ではすでにVR/360°動画を活用したプロモーションムービーが投稿され、話題になっています。たとえば、いま絶賛公開中の「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」用に作成されたジャクーの砂漠をスピーダーで駆け抜ける動画は、690万ビュー。24万5千回もシェアされ、コメントは2万3千件も書き込まれています。
Star Wars: The Force Awakens Immersive 360 ExperienceSpeed across the Jakku desert from Star Wars: The Force Awakens with this immersive 360 experience created exclusively for Facebook.
Posted by Star Wars on 2015年9月23日
Star Wars: The Force Awakens Immersive 360 Experience
※スマートフォンの場合は、FacebookアプリからStar WarsのFacebookページを開くと閲覧可能
コカ・コーラがクリスマスのプロモーション用にYouTubeにアップした「Coke Lip Dub X’mas」は、ひと月で169万ビューを超えています。
【360°動画】Coke Lip Dub X’mas(フルver.)-コカ・コーラ-
このように、高品質なVR/360°動画が投稿され、PVも100万単位で視聴されていることは、これからのVR/360°動画市場がより活性化されていくことの象徴のように思えるのです。カメラが手に入りやすくなった今。どのような動画を、あなたなら撮影してみたいでしょうか。