txt:岡英史 構成:編集部

型番を巡る考察

今までのスタイルと似ているようで、細かいところは全く違ったデザイン

CINEMA EOSシリーズもこれで7機種目(DSLR除く)。ついに200という型番になった。今までは100、300、さらにMark IIが発表され、そしてハイエンドの500、700の存在がある。どれもこれも型番の頭の数字は奇数番号なのに対して、今回の番号は2という偶数番号をつけている。

サイドのボタンの位置等はC300に似ているが背面のデザインはC700に近いのかも

ちなみに、スチルは番号が小さくなるほどトップエンドだが、CINEMA EOSは番号が大きくなるほどトップエンドの位置付け。では200という型番だとC100<C200<C300という意味なのか?単純に考えるとその回答になるのだが、触ってみるとそうとも言えないのだ。「チョット方向性が違う」機種という感じか、今回はその辺りを紹介したい。

C200のポジション

すでにいろいろな情報も出回っているので、スペック等は特に説明は必要ないだろう。一番の特長4K収録…は当然の如く、今回はRAW記録、しかもREDRAWのような比較的圧縮効果の高いCinema RAW Lightを搭載している。これによって今までのCanon Logよりさらに表現力が高くなったのではないだろうか?

実はこの辺の画質云々は、まだNLE上で何も表現ができていない。MPEG系なら何でも来い!のEDIUSでも今回は読むことができなかった。GVの神戸に直接βバージョンでも良いからと交渉したが、今回はないものはないとのことで、さすがのEDIUSもお手上げ状態だった。これは、単に時期尚早ということだろう。ちなみにEDIUSがCinema RAW Lightに正式対応するのは年内というアナウンスしかされていない。今のところ正式対応アナウンスはBlackmagic DesignのDaVinci Resolveのみなので、筆者的にはRAWでの映像はEDIUS対応までもうしばらく待つ感じだ。

このC200という型番から、ほとんどの方がC100からのステップアップバージョン、またはC300からのダウングレードと考えているが、筆者的にはその両方に違和感を覚える。Cinema RAW LightというRAW記録ができることもあるが、そのC100やC300とは微妙に異なった筐体デザインから考えると、C500に4K内部RECができるようにしたバージョンに近いのではと感じている。その一つに30pではあるものの、12bitでの収録ができるというのは大きい。

すでに10bitでも我慢ができないという方は、特に本気のハイエンドの方に多い。それを考えるとC100やC300はあくまでもブロードキャストをメインの視野に入れたカメラで、C200はC500やC700と同じようにCINEMAでの使用目的に近いと感じている。また収録フォーマットもAVCHDなどの民生機フォーマットを排除し、プロフォーマットのみとした。4KはCFastにプロキシやFHDはSDカードに収録する形はC300 Mark IIと同じ感じだ。

バリアングルLCD例

バリアングルなLCDモニターは大きく分けてこの4ポジションが可能だ

2つのC200の存在

今回C200に合わせたマイクはAZDENの新製品でSGM-250CXをチョイス。従来のSGM-250を小型化しカメラに搭載したときに邪魔にならないサイズに変更、その音質はSGM-250と全く同じで価格以上の音を収録できる。C200にはジャストサイズだ

今回のデザインで一番大きい部分は何と言っても取り付けがいろいろと変えられるバリアングルなLCDモニターだ。カメラマン目線やフォーカスマン目線、ディレクター目線と大きくわかりやすく変更が可能となっている。

さらに本体にも1/4inchと3/8inchネジがボディ各部に設けてあるので、新規にチーズプレートを追加することなくATOMOS SHOHGUNなどの外部キャプチャやモニターを取り付け可能だ。さらに今回はC200Bという型番のものがある。これはC200からいろいろなアクセサリーを排除して軽量化したモデル。しかもEVFまで取り去っているのでMoViやRONINなどの小型ジンバルにも搭載しやすくなった。また、ドローン用にも最適である。

総評

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C300 Mark II譲りのフォーカスマークは健在。さらに精度が上がっている
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C200は確実にワンランク上のステップアップを狙う方にはピッタリのカメラだ。逆に、にわか仕込みで扱うと間違いなく収録事故を起こすだろう。RAWで撮ることを良く理解したカメラマンが、C700のサブ機的にスタビライザーやBカメとして振り回すのにちょうど良いサイズと価格のカメラだ。同じような価格帯にSony FS5があるが、EFレンズを資産として持っているなら迷わずC200の所有をお勧めする。

http://www.pronews.jp/pronewscore/wp-content/uploads/2017/07/NF_vol68_C200_24.jpg AFの精度はあえて説明しなくても良いだろう。そのピンが来るタイミングが絶妙になった
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WRITER PROFILE

岡英史

岡英史

モータースポーツを経てビデオグラファーへと転身。ミドルレンジをキーワードに舞台撮影及びVP製作、最近ではLIVE収録やフォトグラファーの顔も持つ。