txt:岩沢卓(バッタネイション) 構成:編集部
独自番組のライブ配信を行う「FiNC LIVE」とは
クリエイティブ部 越光洋平氏
2012年4月創業の株式会社FiNCは、ヘルスケアのプラットフォームアプリ「FiNC」の企画・運営から、企業の働き方改革や健康課題をサポートする法人向けサービス「FiNC for BUSINESS」などを手掛け急成長しているヘルステックベンチャー。独自番組をライブ配信する「FiNC LIVE」の本格始動に向けて準備している同社スタジオ内の様子を中心に、株式会社FiNC クリエイティブ部 越光洋平氏にお話を伺った。
――こちらではどういった番組を制作されいるのですか?
弊社で提供するヘルスケアに特化したプラットフォームアプリ「FiNC」内のフィットネスやレシピ動画の作成とライブ配信を行っています。FiNC LIVEでは、インストラクターの方が、動画を通じて直接、ヨガやトレーニング方法などの指導をすることで、文章や写真では伝わりにくい部分を、わかりやすく伝わるように動画を活用してコンテンツ制作をしています。
本社内にある撮影・ライブ配信用スタジオ
カメラ本体を90度回転させてスマホ視聴用に撮影している
――基本の機材構成などについて教えてください。
3台のカメラを縦型に配置しています。テロップや画像の表示用にはPCを1台用意し、VR-4HDに入力しています。それらを、カメラマン1名・スイッチャー1名の2名構成で運用しています。音声なども全てVR-4HDに入力しているので、複雑な動きなどが無い場合には、1名で対応することもありますね。
音声ミックス含め1台で操作している
――音声の処理で工夫されていることはありますか?
インストラクターの方が実際にパフォーマンスをされる時には、ヘッドセットを付けていただいて音楽を流しながら行うのですが、VR-4HDのAUXアウト機能を使うことで、簡単にマイナスワンを作ることができ、出演者の方からも「やりやすい」という反応をもらえています。
FiNCホールで開催されたヨガフェスの様子
――VR-4HDを選ばれたポイントを教えてください。
私の所属するクリエイティブ部内には、デザインチームと動画チームがありまして、動画チームは、7名のスタッフで収録や動画制作を行っています。動画に特化したチームを構成しており、それぞれの得意分野がありますが、スイッチャーに関しては皆が操作できるものを意識して選択しました。
私は前の職場が、テレビショッピング専門チャンネルだったこともあり、大型の放送用スイッチャーなどにも触れる機会があったのですが、動画チーム内でもスイッチャーの習熟度や理解度は様々だったので、直感的に使えるものを探していたところVR-4HDに必要な機能が揃っていたので、選択しました。
――どういった機能面をよく使用されていますか?
スプリット機能をよく使用しています。スマホ向けに縦長動画を配信しているので、上下に分割することで演出の幅も広がり、スマホ画面での最適な画面設計を行うことが出来ています。
スタジオだけでなく「FiNCホール」という社内イベントホールでもVR-4HDを使用しているのですが、そちらではPinP機能を使ってプレゼンテーションのスライドに、登壇者のカメラ映像を重ねたりと、ステージ演出的な使用を行なっています。
全社会議での映像演出用途にもVR-4HDが使用されている
――ホールでのVR-4HDの使用方法は、どういったものになりますか?
基本は、スライドなどを表示するPCの切り替え用途に使用しています。タッチパネルのでの操作もできますし、スタジオよりも多くの人にオペレートをしてもらうことが出来るようになっています。
また、ホール内に建物の構造上どうしても取り外せない柱がありまして、ヨガイベントなどを開催した際にインストラクターの様子を見ることが出来ない方もいらっしゃいました。そこで、カメラ映像を使ってプロジェクターとモニターに表示することで、イベント参加者の満足度向上につなげることが出来ました。
――今後の展開について教えてください。
ライブ配信は、スタートしたばかりのサービスになりますので、これからより色々な工夫をしていければと考えています。社内の色々なアイデアを活かしたり、新しいチャレンジをしやすくするためにも、複雑で大きなシステムを組まずに、シンプルでフレキシブルな構成で、時代に合わせた映像を届けたいと思います。