txt:岩沢卓(バッタネイション) 構成:編集部
スマホアプリ向け配信で大切なこと、機材選びのポイントとは
モバイル動画を軸に、メディア事業、動画マーケティング支援事業、タレントマネジメント事業を展開する株式会社Candee。専用スタジオを増床し、ライブ配信、動画制作、VTuber収録、ゲーム実況配信など、グループ会社全体の動画コンテンツ制作強化している。また、出演モデルたちのファッションやメイクを参考に、流行りのアイテムをその場で購入できる、日本初のソーシャルライブコマースアプリ「Live Shop!(ライブショップ)」の開発、運用も行なっている。
専用スタジオの機材選定や、ライブ通販の運営などについて、株式会社Candee 山浦氏・原田氏にお話を伺った。
Plannig&Sales Division ディレクター 山浦伸也氏
Live&Commerce 配信技術 原田真次氏
――こちらの専用スタジオについて教えてください。
山浦氏:今年の7月に、動画配信スタジオを2フロア6スタジオから、5フロア10スタジオに拡大しました。2Fが「Live Shop!」用のスタジオ、6Fがゲーム配信のスタジオとして主に利用しています。
原田氏:2Fのスタジオでは、V-1HDとXSplit(XSplit Broadcaster)を組み合わせて、スマホアプリ向けの配信を行なっています。
V-1HDを活用したシステムが構築された2Fスタジオ
山浦氏:6Fのスタジオは、V-60HDとXSplitを組み合わせて、配信の内容によってTriCasterも活用して、配信を行なっています。
グリーンバック撮影にも対応している
ゲーム画面、カメラ映像、グラフィックなどの素材をXSplitを用いて画面構成している
――ハードウェアスイッチャーとソフトウェアスイッチャーの使い分けはどのようになっていますか?
山浦氏:ハードウェアスイッチャーのV-1HDとV-60HDは、安定した切り替えとPCへの負荷を軽減する目的で使用しています。ソフトウェアのXSplitと組み合わせて用いることで自由な画面レイアウトと安定性を実現しています。
原田氏:PCやスマホなど、入力ソースも出力先も様々なものになるので、信号の安定という意味でもハードウェアスイッチャーやコンバーターの信頼性も重要になってきますね。
――機材選びの基準のようなものはありますか?
原田氏:安定性やシンプルな操作性というのは重要ですね。
山浦氏:操作したいことが、直感的にわかることと、少人数でもオペレートしやすいことが重要ですね。色々なメーカーの機器を触ったり導入したりしていますが、V-1HDもV-60HDも操作を短時間で覚えることができるので、配信本数が多いなかでも、対応できる機動力を生むことができています。
信号の安定化用途でもコンバーター選びは重要
ライブコマース用配信スタジオ
――ライブコマースで重要視されていることはありますか?
原田氏:独自アプリ内のアンケート機能など、双方向性を重視しています。実際に、カラー展開のサンプルを用意して、視聴者とコミュニケーションをとりながら販売するカラーを決めていくなど、番組を通じて決めていくことは多いですね。
販売のためのコンテンツではあるんですが、出演者と視聴者のコミュニティ形成をして、そこから販売につなげていくという側面も大きいですね。
――ショップコンテンツとも連動して番組を作っているんですね。
原田氏:番組の内容に合わせて、終了後に表示する商品を変更していくので、撮影配信チームだけでなく、管理システム側のスタッフも参加して番組作りを行なっています。
――出演者のマネージメントもされているとお聞きしましたが。
原田氏:インフルエンサーのキャスティングやマネジメントを行なっています。出演者のインスタグラムアカウントからライブやストーリーを活用して、本編へとつなぐことができるので、その点も強みかなと考えています。
山浦氏:ゲーム配信でも、同じように個人配信のマネジメントやサポートも行なっています。