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株式会社エンタミナの田口です。
ライブ配信の本番、その進行管理はディレクターが担う重要な役割のひとつです。配信開始から終了までの出演者の動き(立ち振る舞い)、そこに呼応する機器のオペレーションは「進行表」を用いてマネジメントしています。
今回は、ライブ配信の事前準備~本番に向けた進行表づくりをテーマに、サンプルを交えて解説します。
進行表のポイント
私が現場で用いる進行表は、「時間(START/END)」「出演者アクション(司会/ゲストなど)」「キッカケ台詞(IN/OUT)」、そして「オペレーション(映像&音響面の指示)」の項目があります。
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例えば、「冒頭挨拶パートで、出演者の発した言葉をキッカケにカメラショットを切り替える」といった場合、その指示が「キッカケ台詞」と「オペレーション」の項目にそれぞれ記入されています。
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このサンプルでは、「みなさんこんにちは…」という司会者の台詞をキッカケに、映像オペレータが「CAM.3のショットに切り替える」という指示が含まれます。「キッカケ台詞」の項目には、IN/OUTが列がそれぞれ用意されています。INは台詞と同時のタイミング、OUTは台詞後のタイミングを示しています。
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以上がライブ配信の進行表づくりの要点となります。動画解説と合わせて参考にしていただければ嬉しいです。
ライブ配信における「仕込み」と「アドリブ」の関係
生放送の一発勝負なライブ配信において、この進行表は「どのタイミングで、何をキッカケに、どんなオペレーションをするか」を一元管理するツールです。事細かく仕込むことで、本番の進行は想定通りに進めることができます。
しかし、ライブ配信は「100%仕込まれたもの」が魅力のすべてではありません。「生のライブだからこそ」のアドリブ展開が、視聴者をグッと惹きつけることもあります。
ライブ配信において、「どこまでを仕込み、どこからをアドリブとするか」という点は、ディレクターそれぞれで意見が分かれる(ポリシーが異なる)ところかもしれません。私自身の考えは「アドリブは入念な仕込み(=進行表)の上で、相乗効果的に掛け合わさるエッセンス」と捉えています。
「仕込みがしっかりあるからこそ、アドリブがより活きてくる」
この考えのもと、ライブ配信のディレクションを行っています。
今回は、ライブ配信における「進行表づくり」をテーマにお届けしました。私が使用している進行表は、「ライブ配信ディレクション・シート(株式会社エンタミナ)」のウェブサイトで無料配布しています。次回もどうぞお楽しみに!
WRITER PROFILE
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