Vol.05 株式会社ジャパネットブロードキャスティング〜KAIROSを使った革新的な番組づくりを始動[KAIROS Story]

背景

ジャパネットグループからBS放送局「BSJapanext」が誕生

2022年3月、株式会社ジャパネットブロードキャスティングが「BSJapanext(ビーエスジャパネクスト)」を開局した。従来の通販番組だけでなく、バラエティや情報番組など様々なジャンルの番組を制作・放送する同局では、放送開始まで約1年にわたり新本社のスタジオサブシステムを構築してきた。コンセプトに掲げたのは、大規模スタジオと同等の機能を持ちながらコンパクトで運用性の高いスタジオサブであること。そして、長時間勤務になりがちな制作現場の慣習を払拭し、少人数での番組づくりに対応した新たな発想のシステムを構築することだという。

導入理由

誰でも簡単に操作でき、効率的な番組制作が可能

システム検討にあたり様々な製品と比較した結果、3つのスタジオサブにIT/IPプラットフォームKAIROSとリモートカメラシステムを導入した。株式会社ジャパネットブロードキャスティング 技術部の常田茂雄氏は次のようにコメントしている。

常田氏:

これまでのスイッチャーは熟練者でないと扱えない難易度の高いものでしたが、KAIROSはME列という概念がなく、専任でなくても簡単に習得できます。また、リモートカメラと組み合わせることでカメラマン不在での撮影を実現し、1人が同時にできることの幅を大きく広げることが可能です。なにより、これまでにない新しいことができるスイッチャーだと感じたことは採用の大きな決め手となりました。

KAIROSが導入されたT4サブ。2面のマルチビューは、一人ひとりが自分の使いやすいレイアウトに自由に変更している
4Kインテグレーテッドカメラ「AW-UE100K」が4台導入されたT4スタジオ。4Kで撮影し2Kでクロップしているため、1台のカメラにつき3~4つの映像が撮影可能

導入後の効果

作業時間を削減し、自由度の高いクリエイティブを実現

KAIROSはGPUのリソースが許す限り無限にレイヤーを重ねられるため、ME型スイッチャーのように列ごとに効果をつくって次のME列、また次のME列へと下ろしていく必要がない。オペレートを行っている株式会社ジャパネットブロードキャスティング 技術部 制作技術課の當房尚子氏は次のようにコメントしている。

當房氏:

これまでのスイッチャーは与えられた列に対してできることを考えるという発想でしたが、KAIROSはME列の縛りがないので考え方が180度変わり、驚くほど自由になりました。静止画や動画の取り込みも速く、ファイル形式に縛りもないので制作さんの業務効率も上がったと思います。
映像効果をつくるKairos CreatorはPCのソフトなので直感的で分かりやすく、失敗を恐れずに何でも試すことができます。従来のように設定やメニュー操作が何階層も潜ってしまい後で不安になることもありません。Kairos Creatorを使えば収録の段階から様々な画づくりが可能なため、後の編集作業を簡素化することにも貢献できると感じています。

    テキスト
PC用ソフトウェア「Kairos Creator」の画面。GUI画面上で直感的にレイヤーを重ねて行くことが可能
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KAIROSとリモートカメラの連携による新たな番組制作手法を確立

各スタジオには4台のリモートカメラを導入し、KAIROSのマクロ機能に画角やズーム位置を記録してスイッチャー卓でカメラコントロールができるようになっている。また、1台のカメラには出演者の動きを自動で追いかける追尾ソフトも紐づけられている。

當房氏:

BSJapanextはカメラマンとスイッチャーを兼任するスタッフが多いのですが、KAIROSとリモートカメラの組み合わせにより、スタジオにカメラマンがいなくても思い描く画を撮影できるようになりました。これから自動追尾撮影にも挑戦していくので、さらなる効率化が図れると思います。

4Kインテグレーテッドカメラ「AW-UE100K」
    テキスト
自動追尾ソフトウェアキー「AW-SF100G」の画面
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主なシステム構成

    テキスト
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■納入機器


■関連機器

  • IT/IPプラットフォーム「KAIROS

今後の展望

IPを活用してスタジオ間のリソースシェアや、遠隔地とつないだリモートプロダクションに挑戦したい

株式会社ジャパネットブロードキャスティング 技術部 シニアエキスパート 常田茂雄氏(写真左)
技術部 制作技術課 當房尚子氏(写真右)
※所属は納入時のもの

常田氏:

KAIROSはスイッチャーとしての使いやすさだけでなく、未来が楽しみになるような拡張性をもたらしてくれました。たとえば、今回KAIROSを導入した3つのサブをIPでつないで、複数のスタジオを1つのサブから稼働させるリソースシェアを行えば、今後さらにスタジオとサブの効率的な運用が可能になると思います。
また、ジャパネットグループでは2024年に長崎にスタジアムを開業予定なので、スタジアムと本社スタジオをつないだスポーツ中継のリモートプロダクションもできるのではないかと考えています。他にも、KAIROSは触れば触るほど想像力が刺激され、新たな発想が生まれるスイッチャーなので、今はまだ想像していないような数々の挑戦ができるだろうと思っています。これからの運用が本当に楽しみです。

BS無料放送の"つながる"テレビ局

BSJapanextは、"世の中に埋もれた素晴らしいモノ、サービス、考え方などを視聴者につなぎ、日本中に「ワクワク」を広げていく"をテーマに、地域創生・スポーツ・エンタメ・アニメ・健康・趣味・教養など多彩な番組を放送するチャンネル。テレビはもちろん、無料公式アプリでも視聴でき、視聴者と番組の双方向コミュニケーションや、紹介中の商品の購入なども可能となっている。

株式会社ジャパネットブロードキャスティングの本社エントランス

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