CN10×25 IAS S/E1(EFマウント)、CN10×25 IAS S/P1(PLマウント)

キヤノンがNAB2020で発表予定だったのは、8Kカメラに対応する光学性能と高倍率の10倍ズームを実現し、1.5倍のエクステンダーをレンズ本体に内蔵したEFシネマレンズ「CINE-SERVOレンズ」シリーズの新製品だ。大きな特長は3つ。1つ目は、特殊低分散ガラスを用いたレンズや大口径非球面レンズを採用し、それらを最適配置する独自の光学設計技術により、色にじみや色収差を良好に補正し、8Kカメラに対応する光学性能。2つ目はスーパー35mm相当サイズの大判センサーを搭載したカメラに対応するレンズとして、焦点距離25-250mmをカバーする10倍ズームの実現。内蔵エクステンダー使用時は、ズーム域を焦点距離37.5-375mmに切り替えられるほか、35mmフルサイズセンサーに対応するレンズとして使用することもできる。3つ目は、肩担ぎが可能な軽量設計に加え、放送用レンズ同様の操作性を実現する着脱可能なドライブユニットの標準装備。ドライブユニットを取り外すことによりマニュアル操作にも対応する。

映画製作だけでなく、CMやテレビドラマ、ドキュメンタリーなど幅広い放送制作への使用を想定しており、小型軽量化により、機動性の確保や高倍化によるレンズ交換頻度の低減が可能なため、厳しい画質基準、短期間での映像制作が必要な現場での活用も可能だと考えているという。

光学10倍ズーム・1.5倍エクステンダー内蔵、8Kカメラ対応の高い光学性能で、かつ肩担ぎ可能な小型軽量化を両立することが製品化の課題であり、苦労した点だったという。肩担ぎ可能なCN7xの兄弟機種としてシリーズの強化を目指し、サイズ・質量がほぼ同等で、望遠側をカバーする製品として開発を行った。特に1.5xエクステンダーを搭載することで、焦点距離が375mmとなったことで、スポーツ中継用途にも最適だとしている。また、近年増えつつあるフルフレームセンサ搭載のカメラへの対応に鑑み、エクステンダー使用時にはフルフレームでの撮影を可能にしており、フルフレームセンサ搭載カメラでのプライムレンズとの併用も可能だ。

■一言アピール!

今回、CN10×25 IAS S/E1(EFマウント)とCN10×25 IAS S/P1(PLマウント)を加え、シネマレンズのラインアップを合計30機種に拡充しました。用途や撮影シーンに応じて、ユーザーの皆さまの求める画作りを強力にサポートしていきます。今後も高画質で多彩な映像表現を求める映像制作のニーズに応え、映像表現領域の拡大に貢献していきます。