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NAB 2026のBolin Technology(ボーリン・テクノロジー)ブースでは、日本国内総代理店を務める日本ラッド株式会社の担当者が、同社の強みと最新PTZカメラソリューションについて語った。

Bolinは米国・ロサンゼルスに本社を構え、約20年の歴史を持つPTZカメラメーカーだ。開発および製造拠点は中国に置く一方、米国国防権限法(NDAA)に準拠したサプライチェーンを採用しており、米国政府機関や公共用途での導入実績も持つ。

日本市場では、かつて他社ブランド向けOEM供給を通じて技術力を示してきたが、現在は日本ラッドが国内唯一の代理店として本格展開を進めている。

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同社の特徴の一つが、ソニー製放送用カメラブロックを採用している点だ。レンズからビデオプロセッサーまでを含むシステム構成により、高画質かつ既存放送設備との色合わせが行いやすい点が評価されているという。

また、同社は顧客要望への柔軟な対応力も強みとしている。象徴的な事例として紹介されたのが、医療現場での運用エピソードだ。ICU(集中治療室)での監視用途に導入された際、「電源ランプが気になって眠れない」という患者からの声を受け、わずか1週間で設定画面からランプを消灯できる機能を実装したという。海外メーカーとしては珍しい小回りの良さを持つ点も特徴だ。

全天候型4K60P PTZカメラ「Range」

今回の展示で特に注目を集めていたのが、新型PTZカメラ「Range(レンジー)」シリーズだ。

「Range」は、1/1.8インチセンサーと光学25倍ズームを搭載し、屋内・野外両対応モデルとして、IP65準拠の防塵・防水性能を備える。
国内発売は2026年7月初旬ごろを予定している。

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Rangeシリーズには、従来PTZカメラの弱点とされてきた運用面への改善も盛り込まれている。駆動部にはブラシレス静音モーターを採用し、会議室や議会中継など静粛性が求められる現場でも動作音を抑制。スムーズかつ高速なパン・チルト動作を実現した。

また、筐体背面には「アクションモニター」を搭載し、カメラ単体で映像確認や設定変更が可能。SDI、HDMI、LAN(NDI HX対応)を標準装備し、各系統の同時出力にも対応する。さらにWi-Fi経由でのストリーミングや、microSDカードへの内部収録機能も備えている。

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設定の確認やライブプレビュー用の統合スクリーンを搭載

運用性も高く、持ち運び用ハンドルを標準装備。ハンドル部にはマイクなどのアクセサリーも装着可能だ。専用キャリングケースで納品されるため、そのままリモート撮影現場へ持ち出せる点も実用的である。

加えて、振動などによる傾きを自動補正する機能や、外部機器向け12V電源出力端子も搭載している。

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ネジ式アクセサリー取り付けポイントを備えた内蔵キャリングハンドルを搭載

1インチ4K60P PTZカメラ「R9-L420N」

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一方、「R9-L420N」は、完全新設計をうたうハイエンドPTZカメラだ。1インチ裏面照射型センサーと高度な画像処理エンジンを組み合わせ、4K60Pおよび1080P120P撮影に対応する。

特に特徴的なのが、2系統の12G-SDI出力を搭載している点だ。2つ目のSDI出力では、メイン映像とは別にクロップ映像を出力可能。1台のカメラから「引き」と「寄り」の映像を同時に生成できるため、制作効率向上にも貢献する。

さらに、HDMI、タイムコード入力、ゲンロック、オプティカルポートも搭載し、放送現場向けインターフェースを幅広く網羅している。

収録機能では、USB-C経由による外部ストレージ収録にも対応。ローカルバックアップやスタンドアロン収録も容易だ。音声入力は3.5mmステレオミニに加え、バランス音声入力にも対応する。

IPワークフロー面では、Full NDIおよびNDI HX3など主要プロトコルをサポート。さらにNDI Bridge対応機能も内蔵しており、追加ハードウェアなしでリモート制作環境を構築できる点も特徴となっている。

本体にはLEDステータス表示、360°視認可能なタリーライトを装備。さらに内蔵NDフィルターも搭載し、屋外撮影時の露出制御にも対応する。発売は2026年6月初旬ごろを予定している。

新型コントローラー「KBD Plus」

あわせて展示された新型キーボードコントローラーも興味深い。液晶モニターを搭載し、最大4台のカメラ映像を4分割表示可能。VISCA、ONVIF、NDI、Pelco-D/Pに加え、キヤノンやパナソニック独自プロトコルにも対応し、マルチベンダー環境での一括制御を実現している。

また、コントローラー側から各カメラの詳細なイメージ調整も可能で、異なるメーカー間でも色味を統一しやすい。さらに、オペレーター操作を記録・再現する「トレースモード」や、USB経由でTeamsやZoom用カメラとしてPC入力できる機能も搭載する。2026年7月初旬ごろ発売予定で、価格は30万円前後を予定しているという。

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「日本の現場」に向けた多彩なラインナップ

ボーリンは、日本の大手メーカーでは対応しきれないニッチ領域向け高性能モデルも多数展開している。

代表的なのが、日本市場で高い導入実績を持つ屋外用フラッグシップ「EXU248」シリーズだ。ソニー製4K30Pカメラブロックを採用し、フルHD時には光学48倍ズームに対応。野球場のセンター後方からバッターボックスを狙えるレベルの望遠性能を備えている。

風速60m/s、マイナス40℃〜プラス60℃環境に対応し、ヒーターも内蔵。降雪地帯でも運用可能で、札幌地区放送局での冬季運用実績も紹介されていた。

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また、赤外線LED搭載モデル「EX1030NX」は、完全暗所環境でも長距離監視用途に対応。夜間海域監視や養殖場セキュリティ、ロケット発射場監視用途などでも採用されているという。360°エンドレス回転にも対応し、パトロール用途にも適している。

さらに、医療認定を取得したホワイトモデルはICU監視用途などでも導入されており、患者配慮のため電源ランプを消灯できる機能も搭載する。

このほか、ネットワーク映像をベースバンドへ戻す超低遅延デコーダーも展示された。遅延差を約10msに抑えながらSDIとHDMIを同時出力でき、他社カメラ用レコーダーとして利用するユーザーもいるという。

国内総代理店および技術パートナーを務める日本ラッドでは、東京オフィスに予備機を常時ストック。トラブル時には迅速に代替機を提供できるバックアップ体制も整備している。Bolinの製品群は、プロ現場の細かな要求に応える柔軟性と実用性を備えており、日本の映像制作市場において存在感を高めている。