Ustream元年
今年はまさにUstream元年だ。さながらこの夏の猛暑の様な熱狂ぶりである。すでに関連書類は6冊を超え、Ustream上では日々ライブ中継が行われ、毎日ドラマが起きている事は言うまでもない。Ustreamは、誰でもが簡単に生中継できるサービスだ。あらかじめ用意された機材をセッティングして放送する時代から、気が向いたときに、自分のiPhoneやノートPCから気軽に生中継をスタートできる時代である。メディアが多様化すればするほどライブに関心が向くことを感じる2010年、このUstreamによる生中継は世界をどう変えていくだろう?
PRONEWSでは、2009年のInterBEEで「PRONEWS.tv Live」をUstream経由で配信したことは記憶に新しいはずだ。その後2010年1月のInternational CESでソニーが記者発表中継に活用したり、NABshow2010でも多くの企業がUstreamで生中継を独自に行っていた。またソフトバンクが決算IR説明会に利用した。それを皮切りに上場企業でもUstream採用が増えている。当然そこに映し出される映像は、やはり映像のプロが押さえたものが多い。しかし、企業側でも、従来の放送局向けの中継ソリューションほど機材コストをかけなくともUstreamが実現する事を知っている。そのため中継ソリューション分野でも同様に、「ローコストで高品質」はお題として掲げられる事が多い。今後は低価格のノンリニア編集ソフトウェアがプロ映像制作にも活用されたように、企業向け中継ソリューションがプロ市場でも受け入れられる可能性も出てくる事も時間の問題だろう。これからの映像クリエーターはこのUstreamの有効活用も考えていく必要があるだろう。それはもちろん実験の場であったり、発表の場であったり。そしてビジネスの場として。映像を生業としているなら、ストリームともにそこにお金のストリームがないと意味がない。
これはメディアの革命なのか?
Ustreamは、確かに映像メディアではあるが、似て非なるメディアである。それは、ソーシャルラインというTwitterとの連携だ。Ustreamは、Twitter連携により、ソーシャルラインが解放され、その場の空気感を視聴者が共有することを可能にした。しかしメディアの革命ははじまったばかりである。twitterを筆頭としたWeb上のリアルタイム革命の潮流の最先端に「Ustream」というサービスは属する。その特性をとらえておく必要がある。ライブでその状況をどう編集し、コミュニケーションをとるか?を考えることがこのメディアのポイントかもしれない。もちろんプロ映像業界においても静観してはいられない。そしそんな2010年現在、Ustreamの世界の可能性を実際に現場で活躍する人々から探ってみた。ラインナップは以下の通りだ。