txt:Tom INOKAWA
今年もライブ配信されたソニーのプレスカンファレンス
今年のソニーは、どこまでも一貫して3Dである。全ての領域に怒濤のように3Dのプロダクトをラインナップさせてきた。既に3Dに関して食傷気味の衒いはあるが、ソニーが全方向位にわたって、充実させた3Dのラインナップを取り揃えてきた。3Dコンテンツを見るだけではなく、自ら3Dに取り組む事で3Dが身近になることを示唆させてくる。生活の中に3Dがあっても、違和感はないのでは?と感じた。
横に長い3Dスクリーン。集合した多くのプレスには、3D眼鏡が渡される
これまで幾つものプレスカンファレンスに参加してきたが、今回、ソニーの演出は素晴らしかった。プレス発表会場はそのまま展示会場なのだが、昨年InterBEEで見る事ができた巨大な3Dスクリーンが構えられている。
今年は、Ustreamを使用したプレス発表も数多く開かれたようだ。昨年同様ソニーもライブ配信を行ったが、終了後コメントを差し込む構成があったり、ソーシャルストリームに言及しつつテキストでフォローしていくなど、さすがにライブ配信に関しては、一日の長があったようだ。全てに好印象だったソニーのプレス発表会。 この発表会からPRONEWS的に興味深い3Dに関するものを紹介していく。食指の伸びなかった部分は省略しているがご容赦願いたい。
Green Hornetのような刺激的な商品が揃い踏み
オープニングは、映画「グリーンホーネット」の3D予告編から。終了後、スクリーン下のステージが回転し、グリーンホーネットカーが登場。中から主演のセス・ローゲン、ジェイ・チョウ、とともにハワード・ストリンガーCEOが登場すると会場は一気に盛り上がり、プレス発表が始まった。
ストリンガー氏は、会社のとるべき方向を示唆し、新しい展開を説明。これから登場するSony Internet TVを紹介しながら、テレビ+ネットワークの強化が急務である事を掲げ、「Television Redefined」に着手する事を説明。その再定義に必要な施策の一つとして3Dがあげられた。
「Television Redefined」とは、テレビを再定義するという意味のスローガン
生活は3Dに囲まれるのか…?
吉岡浩副社長が3Dの個人化が進めば全体が活性化すると説明
3Dの活性化のカンフル剤となるのが、個人で使用するであろう3D対応のHandycamとbloggie。ストリンガー氏は、この商品でパーソナルな想い出を3Dで残せる様になると3Dの個人化の未来を語った。 また同社副社長の吉岡浩氏は、3Dの個人化に関して、これまでのロードマップからどう進むのかを提案。現在開発中の裸眼3DのポータブルBDプレーヤー、また3D対応VAIO、ヘッドマウント型3Dビューアーを紹介。カメラだけでなく全方向位で3Dが生活の中にとけ込む未来像を語った。
参考展示されていた3Dヘッド型マウント。デザインがスペーシー |
裸眼3Dに対応したVAIO Fシリーズ。ボタン一つで2D3D切り替えが可能 |
個人で3D映像収録 HDR-TD10
民生用が業務用よりも新技術を実装するのは、最近ではよくある事だ。今回発表された HDR-TD10は、恐ろしくきれいな3D映像が撮影可能だ。2眼レンズを持ち、2センサー搭載である。HD3D収録は、独自フォーマット「MVC」を使用する。通常のHD2D収録の場合は左側のみで撮影を行いパラレルで同時撮影はできないそうだ。特筆すべきは3D撮影中の光学10倍ズーム。左右のレンズ視差はおよそ3cmである。実際に動点で撮影した場合はどうなるのか試してみたい。さらにビュアーは裸眼3D対応で、もちろん2D切り替えも可能だ。価格は約$1500を予定し、手頃な価格と言えるだろう。発売は、この春4月頃後半を予定しているが、確かではないという。
2センサー搭載のために筐体は通常の倍近くあるが違和感はない |
メモリースティックとSDカードが使用できる。ビュアーも裸眼3D対応で、ボタン一つで切り替え可能 |
プロジェクター内蔵Handycam HDR-PJ50V登場!
ビデオカメラでは世界初になるプロジェクター付きビデオカメラを3タイプリリースする。「HDR-PJ50V」の他に「HDR-PJ30V」と「HDR-PJ10」。それぞれの違いは、内蔵のメモリー容量。プロジェクター機能は本体のスイッチを押すだけ。再生映像のみがプロジェクション可能で、フォーカスはビューワーの上にあるスライダーで調整する。発売はPJ50Vが4月を予定。価格は$1000ということだ。
Bloggieお前もか!3D化するお手軽ビデオ
昨年のCES開催日に発売され、360°撮影のできるユニットが人気で当日完売したお手軽ビデオカメラBloggie。クリスマスシーズンにリニューアルし2代目モデルが出たばかりだが、3D撮影可能になったMHS-FS3も近くリリースされる。2D撮影時は、縦型で撮影するスタイルだが、3D撮影時は横向きで使用する事になる。搭撮像素子はExmor CMOSセンサーを搭載。左右の映像をそれぞれMP4フルHDで記録。3D方式はサイドバイサイドで圧縮。またビューアーは裸眼3D対応。十分3Dを確認する事ができた。360°撮影ユニットも一応予定されている。発売は、HDR-TD10と同じく4月末から5月にかけてという事だがこれもまだ決定ではないという。価格は$250を予定しているという。
360°撮影ユニット装着のbloggieMHS-TS20。こちらは通常タイプで2Dのみ |
撮影時は横に倒して撮影する |
接続USBは、ストラップの中に…
最後に一点。今回からのHandycamシリーズには、USBが本体に付属する。内蔵している場所は、Bloggieの様に本体ではなくストラップの中に格納する仕様になっている。新技術だけに注目するのではなく、現状を改善する部分に注目する事に関心。