気になるモノは、会場に落ちている。
展示会3日目である。会場内では「何か面白いものあった?」「それどこで見つけたの?」と挨拶代わりに互いに言葉を交わす。そんな風景を多々目にする。錯綜した情報は、一つの流れとなり今年のテーマを浮き彫りにしてくれる。いよいよCES2011も後半戦。会場で見つけた気になるモノを紹介していこう。
お手頃なディグで撮影自由自在
手に入れたデジタル一眼やビデオカメラで撮影をスムーズに行うには、やはりカメラサポートのディグなどは必要だ。見た目に格好良くなるのもあるけれど。しかしこういう機材は高価な場合がつきもの。しかしCamtrolは、約$400という値段で撮影をスムーズにサポートしてくれる。
デジタル一眼やハンディのビデオカメラなら無理なく収まり、雲台には4本の足が付属していてこれが非常に優れもの。何よりもグリップが良く設計されていて非常に持ちやすいのが特徴。
カメラの入れない場所からの映像をリアルタイム3Dで再現
3Dの制作環境も様々整ってきている。InterBEE時にも紹介したが、KDDI研究所がここ数年研究を重ねてきた技術がまた一つ進化している。これまでのスタジオ内のような場所ではなく、サッカー場のような広い空間でカメラが設置不可能なグランドの中にあたかもカメラがあるかのような映像を作り出すことが可能な技術だ。しかも3Dである。これは実際に設置された複数台のカメラから疑似的に設置したいカメラの場所と動きを設定して、他のカメラからの映像を元にリアルタイムで画像生成するものだ。
選手の隣でカメラが並走したり、特定の選手の見た目映像も作り出すことも可能である。まだ動きに不自然さは残るが今後に期待したい技術である。
俯瞰映像を生成した例
これぞ究極の3D映像空間、壁全体がディスプレイの部屋
3Dだらけの会場内でひときわ臨場感があったのはシャープのInformation intelligent imaging 「i3wall」である。ブース内の一画にある空間には、60インチが正面に4×4の16面、左右の壁に2x4の8面、天井、床にも4×4の16面の合計64面が全てディスプレイというまさにディスプレイの部屋となってる。印象としては映像への没入感が1ディスプレイによる3Dとは比較にならないくらいリアルだ。
i3wallはもともとデジタルサイネージ向けのマルチディスプレイが主な用途であるが、部屋全体をディスプレイとして配置するとこれまでにない映像空間を作り出している。当面はアミューズメント施設などのようとに限られると思うが、何年先になるかはわからないがやがて私たちはこういう部屋に暮らすことになるのかも知れない。64面とは行かなくてもこうした試みがもっとあってもいいのではないかと思う。
歩行の振動で充電できる充電器
毎年CESでは際物っぽい展示も少なくないが、これはまじめに面白い、というかあったらいいなあと多くの方が思うに違いない。「nPowerPEG」はPersonal Energy Generater、つまり自己発電機、いや自己充電器である。細長い棒状の本体の中に歩行の動きを電力に変える機能が内蔵されているのである。本体には1000mAhのリチウムポリマーバッテリーが内蔵されており、出力は5V500mA、本体重量は約310グラム。使い方は細長い本体を縦にしてリュックなどに装着するイメージだ。どちらかというと電源のない登山などの利用を想定しているのだが、電源を求めてさまようヘビーなモバイルガジェットユーザーにはたまらなく欲しい一品ではないだろうか。
ケータイの電波が届かなくても衛星なら大丈夫
最後にモバイルネタをもう一つ。ケータイの電波が届かなくて困った経験は皆さんおありだろう。特別な場所に行かなくてもこういう場面で途方に暮れるケースは日本国内でも、場合によっては都市部でも十分あり得る。そんなときに唯一頼みの綱となってくれるのが衛星だ。
北米では非常に有名な端末でこれまでは、専用端末だったものが今回初めてスマートフォンとの連携となった。
このSPOT connectはGlobalstarの衛星通信を経由して通信する。本体とモバイル端末の間はBluetoothだ。本体価格は169.99ドル。基本サービスは年間99.99ドル。これでFacebookやtwitterへのポスト、緊急時のSOS信号などを出すことが出来る。万が一のときはGPSによって位置情報も送信されるので遭難しても安心。カバーエリアは北半球の大部分と南アメリカ、オーストラリア。