CP＋レポート他社レンズ周辺事情

2011.02.17

COSINA（コシナ)

カールツァイスとフォクトレンダーという２大ブランドを取り扱うCOSINA（コシナ）では、２ブランドすべての交換レンズ群を一挙に展示。その中でカールツァイス製品の参考出品として、既にドイツ本国での発売がアナウンスされているカールツァイス「Distagon T* 1.4/35」が展示された。このディスタゴン35ミリ／F1.4はカールツァイスが誇る高性能ハイスピード広角レンズで、合焦範囲外の背景のボケ味は非常に美しく、大口径の開放F値は暗照明の条件下でも高い表現力を保持できる。レンズにはカールツアイスT*コーティングが施され、９群11枚でレンズ構成されており近日発売予定。

フォクトレンダーのスペースでは、前述のNOKTON 25mm F0.95の他に、「HELIAR classic 75mm F1.8 SL II」を参考出品。このヘリアクラシック75mm/F1.8SLⅡレンズは、「浮き立つような合焦面のモチーフ」と「甘美なボケ味」を狙った3群構成の古典的な設計が成されている。このclassicシリーズは1950〜60年代の名レンズを彷彿させる、いわゆる”レンズの味”と表現される分野に注目し、ある程度の収差を残すような設計で「温かみのある画像」を狙ったレンズとして注目されている。こちらも近日発売予定だ。

ケンコー

フィルターおよび撮影用品メーカーのケンコーでは、極端なボケと像流し、レンズフレアなどを表現する光学系交換レンズシステム”レンズベビー“から新製品が登場。『COMPOSER（コンポーザー）/ティルトトランスフォーマー』は、新たにピントリング、ボールソケットのシステムを採用した最新のレンズベビーラインナップ。ティルトトランスフォーマーのセット使用によってマイクロフォーサーズ、およびソニーEマウントへの装着が可能だ。

『SCOUT with FISHEYE』は、フィッシュアイオプティクスを装備した焦点距離12mm、最短距離約30cm、撮影距離レンズ先端1.27cm〜∞、画角160°の魚眼イメージが撮影できる、固定鏡筒のレンズベビー。各社標準マウントに対応している。

Tokina

ケンコー傘下のレンズブランドTokina（トキナ）では、新製品のフルサイズ広角ズームレンズ『AT-X 16-28 F2.8 PRO FX』を展示。また小型HDカメラなどに用いられるCマウントを採用したデジタルカメラを参考展示していた。これはまだ企画段階の開発途上製品で、発売時期等も未定。動画撮影機能を搭載するか等も未定だが、Cマウントはすでに監視カメラ系等への汎用性もあるため、すでに出回っているレンズの種類も豊富だ。今後マイクロフォーサーズやEマウントレンズの流れを汲む小型カメラの新潮流として採用されれば利用価値も高いと考えられる。

ZUIKO

オリンパスのレンズブランドであるZUIKO（ズイコー）レンズは、今年で75周年を迎える。それを記念してZUIKOレンズを初めて搭載した「セミオリンパスI型」（1936年）の後継機でシャッター、ボディーまで初めて完全自社製造した「セミオリンパスII型」（1938年）が展示されていた。昨今の”女子カメラ”ブームで人気を博しているオリンパスブースでは、人気のPENシリーズの新製品「E-PL2」や、i.ZUIKOレンズを初搭載した高級コンパクトカメラ「XZ-1」を中心とした展示となった。（カットモデルも展示）

今回はさらに参考展示として「M.ZUIKO DIGITAL」の単焦点レンズが発表されている。このレンズはマイクロフォーサーズ規格準拠で高性能単焦点、2011年内発売予定という情報以外は何も明かされておらず、焦点距離やF値も未公開。現在、M.ZUIKO DIGITALのマイクロフォーサーズ単焦点レンズとしては「M.ZUIKO DIGITAL 17mm F2.8」のみ。パナソニックからは、LEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm F2.8 ASPH.MEGA O.I.S.のほか、LUMIX G FISHEYE 8mm F3.5、LUMIX G 14mm F2.5 ASPH、LUMIX G 20mm F1.7 ASPH、の４種の単焦点レンズがある。