キヤノン

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キヤノンはEOS kiss X4の後継機、『EOS kiss X5』を2月7日に発表。X4の基本機能はほぼそのままに、シリーズ初のバリアングル・クリアビュー液晶パネルを搭載。また撮影したフルHD動画を簡易編集してBGMなどを付けられる”ビデオスナップ”機能や、露出、ピント、ピクチャースタイルを撮影シーンに応じて自動で変動させる事ができる”シーンインテリジェントオート”機能を搭載した。また軽量・低価格でX5より機能を絞った入門者向けの機種『EOS kiss X50』も同時に発表、こちらはキヤノン初のレッドカラーボディ仕様もある。

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またビデオ製品の展示も行われ、3月中旬発売予定の民生用ビデオカメラ『iVIS HF G10』とともにプロ仕様の『XA10』も展示された。レンズは基本仕様ワイド端30.4mm/F1.8/光学10倍ズームを実現、さらに”3群移動ズームレンズ方式”と”3次元リアルタイムレンズ機構”を装備した新開発レンズを搭載している。これにより小型ながらズーム時の静粛性とスピードを実現した。また1/3型ながら従来のCMOSセンサーより1ピクセルあたりのセルサイズが2.6倍拡大した207万画素の”HD CMOS PRO”を搭載、ノイズも低減され広ダイナミックレンジを実現、さらに8枚絞りバネを採用して美しいボケ味も演出可能だ。機材の内部仕様は『iVIS HF G10』と同じだが、『XA10』のみ上部にホットシューが付いて上部のハンドル部が脱着可能。ハンドル部にはオーディオXLR入力と近赤外撮影用のセンサーが付いている。

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またDSLRムービーユーザーから多く期待されたEOS 5D markⅡの後継機種に関しては特に何の発表もなく、昨年に引き続き暗部におけるノイズの低減度合い示すテストコーナーが設けられていた。

またパシフィコ横浜会場近くにある、ミニシアター『ブリリアショートショートシアター』では11日と12日の2日間、EOS MOVIEに関するイベントが終日開催され、初日には悪天候にも関わらず多くの来場者が訪れていた。

RUIGE

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中国の三脚メーカーBENROのブース内に出展していた同じく中国籍の液晶モニターメーカーから、DSLRムービーに最適な7インチLTDモニター『TL-480HD』シリーズが展示されていた。”5Dmate”と名乗るこのモニターは日本初登場で、EOS 5D/7Dでのムービー撮影向けに作られた製品。製品仕様は4タイプあり、それぞれHDMI、SDIのI/O種別によって差別化されている。最上位機種の『TL-480HDC』ではHDMI to SDIコンバーターが内蔵され、価格も16万円前後。

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ワイドトレードBENRO DSLRビデオ撮影用サポートシステムDV20A。標準のショルダーサポートにフォローフォーカス、マットボックスなどのアクセサリーを装着。LCDモニターTL-480HDCは、HDMItoSDIコンバーター搭載

シグマ

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カメラの表現力を決定づけるのはレンズとセンサーの関係性が全て、といっても過言ではない。レンズメーカーのシグマが2000年からFOVEON(フォビオン)社との提携で開発を進めて来た単板3層構造のフルカラーCMOSダイレクトイメージセンサー”FOVEON X3″。2008年11月にフォビオン社自体を子会社化し、その集大成として今回発表してきたのが『The SIGMA SD1』だ。フォビオンのダイレクトイメージセンサーの特徴として、従来のベイヤー方式のイメージセンサーは平面で全ての色情報を捉えるため、RGBをそれぞれR:25%、G:50%、B:25%になってしまうのに対し、フォビオンX3センサーでは3層の感色層構造により、RGBをそれぞれ各層に取り込み、各100%の色情報を取り込むことができる。

現行機の『SD15』が搭載しているX3ダイレクトイメージセンサーがセンサーサイズ20.7×13.8mm、有効画素数14.45メガピクセル(2,652×1,768×3層)であったのに対し、今回の『The SIGMA SD1』に搭載されたX3ダイレクトイメージセンサーは、APS-Cサイズより少し大きい24×16mm、有効画素数48メガピクセル(4,800×3,200×3層)。シグマの今回ブースは桐島ローランド氏撮影によるSD1の写真画像が飾られていたが、SIGMAの85mm F1.4 EX DG HSMレンズと組み合わせた、その圧倒的な解像感と描写力はまさに圧巻の一言だ。

『The SIGMA SD1』は発売時期も年内ということだけしか発表されておらず、残念ながら動画機能も搭載されていない。今後は現状のDSLRトレンドからも動画撮影機能の搭載を検討しているといえ、さらに後処理や三層ならでは諸問題など、まだ開発途上の技術ではある。がしかし、もしこの機能スペックとワークフロー環境にさらにフルサイズに近いX3センサーなどが登場すれば、映像界としても理想型に近いカメラが登場することになるので、今後の進展にはぜひ期待したいところだ。


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