建物などを対象にした大規模なプロジェクションマッピングは、映像の制作にも映写にも莫大なコストがかかるため、個人レベルで挑戦できるものではないようなイメージがあるが、仕組み自体はシンプルなので、小規模なものならばコンピューターと家庭用プロジェクターでも十分に楽しめる。
マッピングするためのソフトウェアは、VPTのようなフリーウェアから、MadMapperのような専用ソフトウェアまでさまざまある。
1つ事例を紹介しよう。下は2年ほど前に筆者がかかわったプロジェクションマッピングの映像だ。
音楽/映像制作を手がけるmarimoRECORDSがコンテンツを制作した。当時、大規模なプロジェクションマッピングが世界各国で増加する一方、映像クリエイターによるパーソナルな表現も増えてきており、われわれもひとつチャレンジしてみようということで試みたものだ。
媒体には、簡単に手に入る身近なオブジェクト、しかもコンパクトなものがよいだろうということでスニーカーを選んだ。色は、”スクリーン”に最も適している白単色をチョイス。
映像はAdobe AfterEffectsで制作し、それを前述のフリーウェアVPTでマッピングした。音と映像をシンクロさせることで、プロジェクションマッピング特有のダイナミズムをさらに増加させることができた。
この程度の大きさのオブジェクトならば、映写には家庭用のプロジェクターでも十分に対応できる。コンピューターとソフトウェア、あとは家庭用のプロジェクターがあればプロジェクションマッピングは始められるということがお分かりいただけたのではないだろうか。
さらに、最近ではiPad用のマッピングアプリまで登場しており、より身近になってきている印象だ。下はiPadアプリDynaMapperのプロモーション映像。
第2世代以降のiPadであれば、タッチスクリーンの特性を生かした直感的なプロジェクションマッピングが行える。アプリ自体は450円と安価。あとはコネクターとプロジェクターがあればOKだ(※必要機材や使い方はコチラ)。
ご覧のとおり、タッチスクリーンとプロジェクションマッピングの親和性は高く、スマホやタブレットを活用する事例は増えていくと思われる。今後さらにプロジェクションマッピングのパーソナル化が進み、これまでになかった斬新なパフォーマンスが出現するのではないかと期待している。
txt:◯◯◯ 構成:編集部