txt:小寺信良 構成:編集部

そして引き続きCES2015会場で、プロが喜びそうな製品を探している。

senceFly社が、業務用ドローンeXomを会場で公開

2012年にフランスの企業Parrot傘下となったsenceFly社が、業務用ドローンeXomをCES2015にて公開した。eXomは多彩なセンサーを搭載したクワッドコプターで、建造物の検査や測量を主な目的とする。完全自動操縦がポイントとなっており、操縦のプロではない検査技師などでも使えるよう設計されているという。

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米国では初のお目見えとなるeXomM

全長はローターのガードまで含めるとおよそ1m。ボディの先端には球体のセンサー搭載部がある。オペレーション用カメラが前後左右と真下に5つ搭載されており、全カメラ映像は1枚の空間上に継ぎ目なしでマッピングされる。オペレータがVRグラスを通じて、この空間を見回す事ができる。もちろん、HD解像度のビデオや高解像度の静止画撮影機能もある。

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ヘッド部に多彩なセンサーを搭載。静止画用のフラッシュも装備

また超音波センサーも前後左右と真下に5つ搭載されており、機体が対象物に接近しても、ぶつかることなく常に距離を把握できる。GPSなしでも、視覚センサーと超音波センサーの情報を組み合わせ、安定してホバリングできるのもポイントだ。サーモカメラも搭載されており、温度の分布マップなどの作成も可能。

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肩の部分にも超音波センサーとカメラが見える

あいにく会場では実際の飛行を見ることができなかったが、固定された状態でタブレットによるオペレーションのシミュレーションができるようになっていた。

画面タッチによるオペレーション例

現在東京では、1964年の東京オリンピックに合わせて建設された高速道路やトンネル、橋といった交通インフラの老朽化が課題となっており、点検作業も多くの危険が伴う。またトンネル内ではGPSが使えないため、通常のドローンでは自動操縦が難しいといった問題もあり、このような点検のプロに向けた専用の機体は歓迎されるだろう。

もう一つsenceFlyの機体で、有翼型ドローンのeBeeも展示されていた。eBeeは2013年のCESで公開され、すでに発売もされている。

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有翼型ドローンeBee

飛行速度は時速40km~90kmで、飛行時間は50分と長いのが特徴。無線のリンク範囲はおよそ3km。

7日に米国FAAは、ワシントン州のAdvanced Aviation Solutions社に対して、作物の監視のためにeBeeを使用することを特別に認めたばかりだ。現在米国でドローンの運行が公式に認められた会社は、13社しかない。

編集部注:マルチコプターの運用には正しい知識と各種法律・条例の遵守、安全への配慮が必要です。万一の事故に備えた「ラジコン保険」への加入もおすすめします(業務用で使用する場合は別途保険代理店にご相談ください)。

txt:小寺信良 構成:編集部


Vol.04 [CES2015] Vol.06