txt:小寺信良 構成:編集部
今日もCES2015会場で、プロが喜びそうな製品を探している。
いよいよ発売、JVCのGY-LS300
昨年11月のInterBEEではガラスケースに入ったモックアップだったJVCのGY-LS300だが、なぜかここCESで実動機が登場した。当然の事ながら来場者のほとんどは理解の範囲外のカメラなため、誰も近寄らないので触り放題である。
なぜかCESで実動機が登場したGY-LS300
マイクロフォーサーズマウント搭載のレンズ交換式4Kカムコーダーで、センサーが独自開発のスーパー35mmサイズという、変則的なカメラだ。会場ではROKINONのシネマ用単焦点レンズが用意され、スーパー35mmサイズをケラレなしで撮影可能だった。
センサーはスーパー35mmサイズ
用意されていたROKINONのシネマレンズ
マイクロフォーサーズはプロからコンシューマまで含めるとレンズバリエーションが豊富で、しかもマウントアダプタを介して他のレンズも使えるといったメリットがある。セッティングでイメージサークルを100%(スーパー35mm)から80%(マイクロフォーサーズ)までバリアブルに調整できる。
センサー読み出し範囲が変えられる
イメージサークルを80%に下げたところ。決定ボタンを押すと、実線の領域にセンサー読み出し範囲が変更される
写真用レンズでもイメージサークルが広めに設計してあるものなら、スーパー35mmサイズに拡張して広めのレンズとして使える可能性もあるだろう。今年3月に発売開始で、米国での価格は本体のみで4450ドル。
スマホをかざせば中身が見えるSDカード。東芝のブースから
カードにスマホをかざすと…。残量やカード名も含め、中身がサムネイルで表示される
今年はテレビなどの大物がなく、あまり積極的に報道されていない東芝ブースで、NFC対応SD Memory Cardというのを見つけた。見た目はまったく普通のSDカードだが、メモリーカードにスマートフォンをかざすと、中身のサムネイルや残量が表示される。もちろん動画ファイルにも対応する。
プロユーザーは普通の人とは比べものにならないぐらい大量のSDカードを所持し、何回も使い回していると思うが、中身を消していいのかどうか、あるいは継ぎ足しで記録する際に残量がどれぐらいあるのかは、いちいちカメラやPCに突っ込んで、読み込ませてみないとわからない。現場で大量にカードがあると、その管理にはうんざりしているのではないだろうか。
このSDカードなら、手元にカメラやPCがなくても、スマホをかざすだけで何の収録に使ったのか、残量がどれぐらいあるのかといったことがわかる。まだ具体的にいつから発売といったことは決まっていないが、通常のSDカードプラス200〜300円ぐらいの価格で商品化したいという。
これは別の意味でガチ、マランツの小型カムコーダー
ガチヘヴィ仕様のPMD 901V。裏面は巨大クリップが目を引く
IONブースの裏側にひっそりと展示されていたのは、Marantz Professionalブランドの小型カムコーダーPMD 901V。激しい現場に対応できるようヘビーデューティ仕様になったカムコーダーで、背面は頑丈なクリップを搭載。撮影するというよりも、衣服やベルトなどに装着し、現場の状況を記録するロケーションレコーダーだという。
専用クレードルにガシッとはめて充電
内蔵の32GBストレージはセキュリティ強化されており、事件事故現場の裁判や保険会社の証拠資料としての利用も想定されている。レンズは視野角140度、解像度は2304×1296/30pという変則的なサイズで、およそ8時間の録画・録音が可能。バッファーにより、録画開始と停止の前後30秒間も記録している。GPSも搭載されており、位置情報も記録する。赤外線撮影機能もある。
防水性能はIP67級で、水深1mの深さで30分の水中動作を保証。動作環境は-40℃から60℃、厚手の手袋をしていても操作できるよう、ボタン類は大型に作られている。価格は予価500ドルで、今年の春に発売。
txt:小寺信良 構成:編集部