もう一つ見逃せないのはSMPTE 2022規格の策定により、Video over IPによる非圧縮伝送の枠組みができたことにより、スタジオカメラのシステムが様変わりすることである。すでにソニーやグラスバレーはスタジオカメラシステムなどに導入した製品を投入しており、従来の同軸ケーブルが変わるとともにシステムそのものも大きく変わるだろう。
毎年新たな話題を提供してくれる同社は6K RED DRAGONセンサーを搭載したWEAPONを先のNABで披露している。カーボンファイバー製とマグネシウム合金製の2種類のボディタイプが用意され、カーボンファイバー製は軽量化し、ドローンへの搭載が考慮されているという。6Kをどう扱うかも含めてチェックしておきたい。同社のカメラはデジタルシネマとしてスタートしたがテレビドラマやミュージックビデオなどでも活躍しており、スチールのカメラとして雑誌の表紙撮影などでも使われている。ユーザーの要望を取り入れながら日々進化を遂げるREDに注目したい。
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Blackmagic Design
(ブース#6502)
今年のNABでURSA 4.6KやURSA mini 4K、Micro Studio 4Kなど、一気に4Kカメラのラインナップを増やして順次市場にでているが、まだ市場に出ていないカメラや、国内で発売されていないカメラもあり、まずはこうしたカメラの再確認をしておきたい。同社ではNABを製品発表の中心にしてはいるものの、IBCなど他の国際的なイベントで発表になる製品もあり、そうした意味で新製品の発表があるかもしれない!
4KプロダクションカメラCIONによりカメラメーカーにもなったAJA。4Kカメラメーカーとしては後発ということもあり、カメラの貸出を行ったり、Summer of Savingsプロモーションと称した特別プログラムを設定するなど認知、販売、普及活動を積極的に行っている。CIONはテレビCMやテレビドラマなど従来フィルムで行っていたテレビ向けの収録に対応したカメラといえるが、積極的なプロモーション活動の中で様々なユーザーからの要望を集約した次期機種がそろそろ出現しても良い時期だ。CIONが発表になった年には他社も様々なカメラを発表しており、対抗したカメラが必要とされている。
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ナックイメージテクノロジー / カールツァイス
(ブース#3405)
Carl Zeissは映画撮影用レンズからスチール写真用レンズまで長年に渡り定評があり、デジタルシネマでは定番といってもよいだろう。デジタル一眼によるデジタルシネマにもいち早くCompact Primeシリーズにより対応している。テレビ的な撮影スタイルに対応可能なZEISS CZ.2サーボユニットが新製品として発表されており、Carl Zeissも4K/8K時代をにらみテレビ対応を始めたようである。CZ.2サーボユニットはCompact Zoom CZ.2に装着することで、ENGカメラ用レンズのようにグリップでき、シーソー型のズームレバーなども備えている。リモートも汎用性のある12Pが装備され、一般に使われているアクセサリーなどが使用可能となっている。レンズは、36x24mmのイメージサイズをカバーするもので、マウントはPL、EF、F、MFTなどに対応可能だ。2/3光学系のビデオカメラには不向きだが、デジタルシネマ系のカメラをショルダータイプのビデオカメラのように使うのに適している。