昨年サウスホールだったNHKのブースはノースホールに戻ってきた。今年も8Kを大きく掲げて8Kシアターでその魅力を披露。8Kはすでに実際の運用段階に入っており、担当しているスタッフたちも昨年より少ないように見えた。昨年は中継車などの出展もあったので、そうしたことも影響しているのだろう。
8K放送システム図。実際に実用化されている機材が写真としてパネルにはめ込まれており、これを見るとほぼ8K放送の準備は整ったといえそうだ
シアター以外の出展では、8Kの放送が始まる2020年のリビングの様子と今年のリビングを隣合わせにして、放送がはじまる3年後という近未来との比較が面白い。ほかにもスマートフォンやタブレットと連動させることで、CGキャラクターが目の前にいるかのような映像体験を提供するAR(拡張現実感)技術やテレビを組み合わせることでキャラクターがテレビから飛び出す新たな映像表現「Augmented TV」、フレキシブル有機ELディスプレイなど8Kが実用段階に入った段階での応用的な出展もあった。
8Kのある2020年のリビングルーム。リビングには、フレーム周波数120Hzに対応した4Kパネルを4枚貼り合わせて130インチにした8Kシート型ディスプレイを中心としていた
運用面では、HEVCコーデックによるワイヤレスリンクや、カメラのリアルタイム解像度測定システムなどがあり、現行HDとは少し違った8Kならではの機材の出展もされていた。
8K対応HEVCコーデックによるワイヤレスリンク。リアルタイムHEVCエンコーダー/デコーダーを搭載しており、200MbpsでIP伝送する
HEVCワイヤレスリンクの送信部。ワイヤレスリンクは双方向通信が可能で、画像の伝送以外にも遠隔操作などにも対応可能
UHDTVカメラのリアルタイム解像度測定システム。高い空間解像度を特徴とする4K/8K カメラ(レンズ含む)のMTF(ModulationTransfer Function)を正確に測定するための技術
120Hz対応制作機材として多芯の光ファイバーケーブルや対応コネクターのほかSSDによるJPEG圧縮採用のレコーダー、シグナルディストリビューターなどを披露
60Hzと120Hzの比較。スポーツなど動きの速い被写体でどのような差があるかを見せていた
8K対応120Hz表示の17型有機ELディスプレイ。ジャパンディスプレイと共同で開発したもの